第48話:ずらした誕生日
「~のネックレスがいいなぁ・・・」
って言ってたなぁ・・・
あやかちゃん
2006年8月上旬の平日
あやかちゃんの言ってた言葉を思い出した自分は、外回りに出かけた時にちょっとだけ寄り道をした。あやかちゃんが言ってたネックレスのあるジュエリーブランドに
来週の水曜日は、あやかちゃんの27歳の誕生日
あやかちゃんの言ってた物をプレゼントしようと立ち寄った
あやかちゃんの言ってたデザインの物を探しながら、
店内のショーケースを見て回る自分
しばらくすると・・・
「どんな物をお探しですか?」
と、店員に声をかけられる
「あ、え~っとぉ。あの ~のデザインのネックレスってありますか?」
っと、聞く自分
「ございますよ。
こちらになります。」
そう言うと、ケースからネックレスを取り出す
「あ、これですか・・・」
と言いながら、値札を見る自分
思った以上に、高い
って言うか、この前プレゼントしたワンピ3枚分位・・・?!
予算オーバー・・・
「あ、~のデザインのネックレスってこれしかないんですか?」
っと、もうちょっと他のは無いのか探す自分
「えぇ、こちら秋の新作になります」
無いのか・・・
秋の新作って、さすがあやかちゃん。お目が高い・・・
「あ~、そうなんですか・・・」
「えぇ、あとこちらスタンダードで ~ のデザインのネックレスはありますが」
っと、ケースからもう一つ出す店員。
シルバーのネックレスだった
あやかちゃんの言ってたデザイン
これかな?っと値札を見る自分
今度は、安すぎる・・・
ワンピの半分くらいの値段
「あ~、なるほど」
っと言いながら考える自分
「カジュアルにも色々と使えますよ」
と言う店員
プレゼントは値段じゃないと思うけど、さっき見せてもらった
”秋の新作”の方が喜ぶかな?
素材も、高いもの使ってるし・・・
でも、今月はもう手持ちが無いなぁ・・・
カード使うと、奥様に請求書を見られた時にやばいしなぁ・・・
う~~ん・・・
よし!来月は給料が多いから、プレゼントは来月に渡そう!
っと、勝手に誕生日プレゼントを渡す日にちをずらす自分
※ちなみに我が家の小遣いは歩合制
会社の給料も歩合制なので多いときは、小遣いも多い
そう、来週の誕生日は平日だし、夜中しか会えないし、あやかちゃんに事情を上手に説明して・・・
多分、あやかちゃんは安い方を言ってたかもしれないけど、やっぱり喜ぶ顔が見たいし・・・
ぶつぶつ、店員の前で考える自分
待つ店員
・・・
しばらくして、口を開く自分。
「あの~ぉ」
「はい」
「リーフレットみたいな物は無いですか?」
と聞く自分
「ございますよ」
と、優しく返答しリーフレット?カタログ?
を自分に渡してくれる、店員
それをもって帰る自分
結局、その夜、あやかちゃんに誕生日会をずらそうと提案する自分
残念がっていたが、その代わりに気合を入れていると説明する自分
快く納得してくれる、あやかちゃん
そして、誕生日の前日の夜中11時半頃
自分と、あやかちゃんは電話をしていた。
「もうすぐ、歳とっちゃうよぉ」
っと残念そうに言うあやかちゃん
「だね~僕はもう28歳になっちゃったけどね・・・」
「私、26歳好きだったのになぁ」
残念そうな、あやかちゃん
「でも、27歳も大人っぽくていいじゃん。」
意味不明な事を言う自分
「コウちゃん、今から会いに来て・・・」
「え?今から?」
風呂に入って、パジャマに着替えて、ぞうりで車の中で電話している自分
「うん。誕生日の夜にコウちゃんと一緒に居たい・・・」
「あ~、そうだよね・・・」
色んな事情を考え出す自分・・・
「駄目なの?」
「行きたいけど・・・」
「来ないの?」
残念そうに言う、あやかちゃん
「でも、明日は会うでしょ?」
「うん、りかちゃんと海に行った後だけどね」
「そうそう、仕事終わったら迎えに行くから・・・」
っと結局、自分の格好と奥様にこの夜中の時間から家を抜ける言い訳も思いつかないため
会いに行くのを断念し、あやかちゃんを説得する自分
最近、あやかちゃんがあまえんぼうになってきてる・・・
でも、それは凄く嬉しいこと
そして、自分ペースでそれに答える自分
幸せな時・・・
「第49話:8月のワンピース」
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