第44話:泣き虫

花火に照らされた、君の顔・・・

きれい・・・







「綺麗だったね~♪」

あやかちゃんが、笑顔で振り返りながら言う




「うん。最後のは特に綺麗だったね~」

花火より、あやかちゃんの横顔を見ている回数が多かったかも



花火が終わり、辺りに居た人達が一斉に帰りだす




「あ~、冷たい」

あやかちゃんがおしりを触りながら言う




「え、あぁ、芝が微妙に湿ってる。」

昨日の雨で、芝が乾いていなかったみたい




「え、コウちゃんは大丈夫なの?」

あやかちゃんが悔しそうに言う




「うん、ここ大丈夫みたい。別に濡れてないよ」

自分セーフ!( ・∀・)




「も~」

あやかちゃんが、おしりをはらいながら立つ



「歩いてれば、乾くよ~」

なんか、かわいそうだけど少し・・・

(・∀・)ニヤニヤ←好きな人のことなのにヒドイヤツ







花火が終わったばかりなので、帰る人が多くなかなか進めない

前を歩くあやかちゃんのお尻を見て・・・




「お漏らししちゃったみたいになってるね・・・」

ボソっと言う自分



「もう、コウちゃんひどい!」

あやかちゃんが、ちょっと怒りながら言。



「あ、ごめん。ちょっと。

  あやかちゃんの後ろを隠しながら歩くよ。」

ちょっと、調子に乗り過ぎたと思い、

反省する自分





混雑の中、ゆっくりとさっきとめた車に向う2人

途中で、

「コウちゃん、ちょっとお手洗いに行くね」

と、花火大会用の簡易のトイレの方を指差すあやかちゃん



「うん、うん」

と言い外で待つ自分


しばらくして、あやかちゃんが簡易のトイレから出てくる


「ここって、手を洗う場所無いのかな?」

あやかちゃんが、手洗いを探しながら辺りを見渡す

どうやら、無いみたい




「簡易トイレだから無いみたいだね。大丈夫?」

自分も探してみたが見つからない




「え~。じゃあ、いいけど・・・」

ちょっと納得がいっていない、あやかちゃん





「大丈夫、きれいきれい」

意味不明なことを言う自分。




「じゃあ、手を洗ってないけど、手を繋いでくれる?」

あやかちゃんが笑顔で言う



「あ~全然大丈夫だよ(笑顔)つなご、つなご♪」

全然オッケーです!むしろ繋ぎたい




ってことで、手を繋いで歩く二人。

↑気にしないで下さいね~♪~(´ε` )




途中、ワラビ餅屋さんの車があったので買って自分の車に戻る




「ワラビ餅食べようよ♪」

あやかちゃんは、ワラビ餅が好きみたい




「うん、すぐに出ても道路が込んでるし。ゆっくりしてこ♪」


と言うことで、ワラビ餅を食べる二人



「おいしいね♪」

笑顔で言うあやかちゃん



「うん♪おいしいね♪」

夏の幸せな場面



しばらく、ワラビ餅を食べながら談笑していると

自分の携帯電話がブルブルする・・・





着信表示には、”奥様”の表示・・・


「うわ、奥さんからだ・・・」

出ないと、しつこく鳴らされるので出ることにする自分



「ごめん。あやかちゃん。ちょっと」

と言い、ワラビ餅の爪楊枝を置き、車の外に出る自分




「あ、もしもし・・・」




「今、どこに居るの?」



「会社だよ・・・」



「ふーん。ねえ今日さ・・・」





しばらく、奥様との会話が続く









「・・・でね、聞いてるの?」



「うんうん、聞いてるよ」



「だから・・・・」





とにかく長い・・・




「ごめん、仕事中だからもう切るよ・・・」




「今日、何時に帰るの?」




「え~っと」








・・・・やっと終わった


電話をしながら、無意識に車から離れてしまった



早く、あやかちゃんの所に戻らないと・・・





「あ、ごめんね。長くなっちゃって・・・」











・・・あやかちゃんが両手で顔を抑えながら、泣いていた・・・













「第45話:涙のわけ」

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