第35話:いらない・・・かな

「私、好きな人ができたの・・・」



「え?好きな人ができたの・・・?」



「うん・・・」




「いつ?」




「コウちゃんと会った後で、やった飲み会で・・・」




「そうなんだ・・・」




「うん・・・」




「でも、あの時、もう男の人はイイって・・・。恋愛不信になったって言ってなかった?」




「言ったけど・・・。でも・・・」




あれ?何この展開?!いきなりすぎて状況が把握できてない・・・




「でも・・・?」




「好きになっちゃった」




「え?もう付き合ってるの?」




「うんん。付き合ってないよ」




「そうなんだ」




「その人、彼女が居て・・・」




「あ、彼女いるんだぁ。でも、飲み会だけで好きになったの?」




「うんん、その後一緒に遊びに行ったりして、好きになっていったの・・・」




「あ、だから約束してくれなかったんだぁ・・・」

皮肉っぽく言ってしまった・・・




「うん、ごめんね・・・」




「なんだ、じゃあ早く言えばいいのに・・・。バカっぽいね僕・・・」




「ごめんね」




「何してる人?年は・・・?」




「年は私の1コ下の25歳。通信関係の仕事をしている人だよ」




「年下で通信関係かぁ。通信って何?」




「うーん・・・。通信関係かな・・・」




「そうなんだ・・・」











急にドっと苦しさが、口元から胸に押し寄せる・・・・











「じゃあ、迷惑だったね・・・。電話して・・・。ごめんね」





「うんん、迷惑じゃないよ。いつも電話してくれて嬉しかったよ」




「・・・うん」




「その人、なんとなくコウちゃんに似てるんだ」




「そうなんだ・・・」




「・・・うん」




「でも、もう好きな人できたんだよね?」




「うん・・・」




「あやかちゃんって結構、惚れやすいんだね・・・・」

あ、バカ。皮肉言うなよ・・・




「え、そんなこと無いよ」




「そうじゃん。あんまり時間経ってないし」




「時間は関係ないよ」



だよね・・・



「え~そうかな・・・」




「うん・・・」





「じゃ、僕、もう要らないね・・・」




「え?」




「消えたほうが良さそうだね・・・」




「・・・うん」




「そうそう、要らないよね・・・?あやかちゃん・・・?」




「うん・・・そんなこと無いけど・・・・。」




「そんなことあるじゃん。要らないでしょ?消えて欲しいでしょ・・・?

                    ・・・誘われるのウザいでしょ・・・?」





「・・・・・。」





「ほら、要らないって言えばいいじゃん・・・」


何を急に言い出す?俺・・・





「・・・・」






「ね・・・?」






「・・・。」





「・・・・。」





「・・・うん、」





「ん?」







「・・・・いらないの・・・かな・・・」














「第36話:それでも好きだから」

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