第34話:好きな人ができたの
会社帰り
今日も懲りずに電話をする自分・・・。
トゥルルルルルルルルル
「あやかちゃん・・・」
「あ、コウちゃん。おつかれ~♪」
いつも”仲良く”は話す2人
でもやっぱり次の約束をしようとすると・・・
「その日も、ちょっとどうなるか分からないよ。いつもごめんね・・・」
やっぱり、絶対に断られる・・・
こんなことを繰り返して、早1ヶ月
6月になっていた
「そっかぁ、やっぱり断るかぁ」
「うん・・・」
「なんか全然、会ってくれないね・・・。あの日以来・・・」
「え、でもこの前は遅くても、仕事終わってから会おうと思ったけど、コウちゃんが断ったでしょ?」
「あ、もしかして、それを怒って約束してくれないの?」
「違うけど・・・」
「でも、なんでそんなに忙しいの?」
「たまたま、予定が重なっちゃってるだけだよ・・・」
「もう、会う気が無い訳じゃないの?」
「そんなこと無いよ・・・」
「じゃぁ、たまにはお茶でも良いからしようよ。
さすがに、ここまで断られると
自分で”しつこい”かなって思っちゃう」
「ごめんね・・・」
「なんか、久しぶりに会えた時は嬉しかったけど、今は、あやかちゃんの前に
ぶ厚っつい壁が張り巡らされていて・・・」
「コウちゃん・・・」
「ん?」
「いつも、誘ってくれてるのにごめんね・・・」
「うんん、ごめん、言い過ぎた・・・。
ごめんね」
「いつも電話してるのは、楽しいんだよ・・・」
「あ、そっかぁ。そうだね、僕が誘いすぎなんだね・・・。ちょっと会いたいと思っちゃって・・・」
「・・・ありがとう」
「そうそう、僕が誘いすぎなんだってっ。ごめんごめん・・・」
「そんなに、謝らなくていいよ」
「・・・でも、やっぱり誘っちゃうんだよね。え~~じゃあ、二週間後の土曜日絶対開けてよ・・・」
「でも、約束はやっぱりできないよ・・・。コウちゃん彼氏じゃないし・・・」
「ああぁ、そっかぁ・・・」
彼氏じゃないかぁ、そうか・・・
「うん・・・」
「でも、あの時”居て欲しい”って言ってくれたから、こんなに誘ってるんだよ」
「・・・うん。あの時は本当に居て欲しいって思ったの・・・」
「あ、じゃぁ今は居て欲しくはないんだぁ・・・」
自分で言っててすごくつらい・・・
「そんなこと無いよ・・・」
「や、でも全然、会ってくれないし・・・さ・・・」
「・・・」
「あ~、ごめん。なんかケンカみたいになっちゃうね・・・」
「・・・」
「うんうん、もうしばらく誘うのやめるよっ。本当にごめん。ちょっと言っちゃった。」
「・・・・」
「あやかちゃん・・・?」
「・・・・」
「私・・・」
「ん?」
「私、好きな人ができたの・・・・」
あ、マジで・・・?
「第35話:いらない・・・かな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます