第30話:何かあったの?
久しぶりに2人で来た場所
初めて、あやかちゃんとキスをした駐車場に車を止めた
「あ、外に出ても寒くないね~~」
車を降りたあやかちゃんが、歩きながら言う
「だよね~。あの時はまだ冬だったもんね。
もうすぐで春も終わるよ~」
「うん、いっつもコウちゃんと居るとき寒かったもん」
少し近くに寄って歩く、あやかちゃん
「うん、寒かった。
それって僕も寒かった?」
「(笑)自虐的だね~」
「笑」
「で、どこで食べるの?」
近くに居るあやかちゃん
寄り添って歩く、あやかちゃんが嬉しい
「えーっと、あやかちゃんは何かある?」
「うんん、コウちゃんの好きな所でいいよ」
「うーん、じゃあ鍋とか?」
「うん、ぎりぎり季節的には大丈夫だよ」
ってことで久しぶりに、2人で食べるご飯は、鍋に決まった
結構いい感じの、和風作りの鍋料理屋さん
店内も広い。食事時なので賑わっていた
「あやかちゃんって、辛いの大丈夫だっけ?」
「うん、大丈夫だよ。あれ?コウちゃんって大丈夫だった?」
「うんうん、鬼のように辛くなければ大丈夫だよ」
「私も鬼のように辛いのは駄目だと思う(笑顔)」
しばらく、飲み物を飲みながら会ってなかった、この3ヶ月の何気ないことを話していた
そして、ぐつぐつと煮えた鍋が運ばれてくる
「あ、取ってあげるね」
あやかちゃんが小皿と、菜ばしで具を取ってくれた
「なんだか、懐かしいね。初めて会ったときも取ってくれたね」
「うん。女の子らしいでしょ♪」
「うん、でもあの時、鳥入れすぎだったけどね」
「え~、そんなに入れたかな?コウちゃんなら食べると思って」
「いや、入れすぎで残した」
「ひどい・・・」
プクっとするあやかちゃん
普通の会話をしている今が、すごく幸せに感じる
「どうしたの?コウちゃん?」
ずーっと、あやかちゃんの顔を見ている自分に不思議そうに聞く
「や、目の前に、あやかちゃんが居るって思ってさ・・・」
「居るよ。もう会うつもりなかったの?」
「会いたかったよ。でもね・・・」
「あの時、絶対、コウちゃん電話してくれると思ってたんだよ・・・
なのに掛けてこないもん」
「や、掛けたよ!でも留守電になった」
何故か嘘をつく自分
「え?掛けてくれたの?」
「うんうん。掛けたけど留守電になって、
やっぱり自分が居たら駄目かなって思って・・・」
「そうなんだ・・・」
「でも今はまた、あやかちゃんに会えて本当に嬉しいよ。
この時間がずーっと続けばいいと思ってる。本当に電話してくれてありがとね」
「・・・」
「ん?」
「・・・うん」
目に涙がたまる、あやかちゃん
「あれ?!またごめん」
また、泣かせてしまった?!
「うんん、ごめんね。最近涙もろくって。ありがとう。
コウちゃんだけだよ。そんなこと言ってくれるの・・・」
「いや、そんなこと無いよ。あやかちゃんすごく良い子だし。
僕以外でも久しぶりに会ったら嬉しいと思うよ。」
自分で言って、ちょっとビみょーな発言。。
「うん、ありがとね」
カバンからハンカチを出して、涙を拭くあやかちゃん・・・
・・・
それを見て、っと言うか電話を掛けてきてくれた時から、思っていた言葉を
自分は、あやかちゃんに言った・・・
「何かあったの?」
「第31話:受止めてくれる」
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