第31話:受止めてくれる

「何かあったの?」



鍋がぐつぐつ煮える




ハンカチを目から離す、あやかちゃん



「何かあったように見えるの?」



「うん、見えるけど・・・?」



「そっか・・・」



「何々、仕事のこととか?」



「うん、そうそう、仕事のことで・・・」



「・・・」



「ん?」



「本当は、仕事のことじゃないでしょ?」



「え? 

   ・・・・」




「なんか、あったんでしょ?」

あ、やっぱり何かあったんだ・・・



「うんん・・・」




「絶対、何かあったって。顔に出てるよ・・・?」




「え~、うそでしょ?」




「うん、それはうそだけど。何?」




「言わなきゃ駄目?」



「や、言いたくなかったらいいけど・・・」




「うん・・・」




「って、やっぱ言いやぁ。話すとらくになるよ~。」

何だか、相談兄貴になってくる。。。。




「・・・うん」




「何、何?」




「えっとね・・・」





「うん、うん」





「コウちゃんと会ってない時、みかちゃんの彼氏とその友達とコンパやったの」



う!コンパ・・・。そっちだよね・・・。

やっぱり

「あ、みかちゃん彼氏出来たんだぁ?」


「うん、出来たの」



「へ~、そんで?」



「で、私もその、みかちゃんの彼氏の友達と正式に付き合っては居ないんだけど・・・」




何?この胸の痛みは・・・?予想はしてたけど、このイタミ・・・痛い・・・

「あ、友達以上、彼氏未満みたいな・・・?」



「うん、それで・・・」



あ、何々?超、胸の辺りが震えてくる感じするんだけど・・・

(読み返してる今の自分も胸の辺りが震えてます)


「結局、私がいつも会いたい、会いたいって言ってばかりで

重くなったのかな?何にも連絡もくれないまま、もう2週間以上経っちゃって・・・」




あやかちゃんの方から”会いたい”って・・・

正直、せつなすぎて・・・。

いや、耐えるんだ・・・



「あ、珍しいね。あやかちゃんが会いたいって言うの?」



「え、そんなこと無いよ。私、好きになるといつも一緒に居たいと思うもん」



キツーイ、後ろ回し蹴りを頭にもらった時よりも、脳に衝撃が走った・・・



「あ、そっかぁ。。。で、その後連絡無いんだ・・・。あ、好きだったんだぁ・・・。」

やばい、フラフラです・・・


「うん、そうなのかなぁ・・・」



「・・・どんな人なの?」



「えーと、私より少し年下で、クラブが好きで、モテそうなタイプなのかな・・・」




年下で、クラブが好きで、モテそう・・・

畜生~~、なんだお。僕だってちょっとはモテるやいっ・゚・(つД`)・゚・



「そっか。でも何で付き合ってないの?」




「わかんない。私よりクラブの方が大事みたいな人だったの・・・」




あ~、何だかこの会話辛過ぎるんだけど・・・

あやかちゃんの口から、他の男の話を聞くの~~~ぉ(吐きそう)


エッチはしたんだよね?当然・・・

っとか頭によぎるなよ!!

オイ!!ヾ (゚Д゚ )…シッカリシロ~



「あ~そうなんだ。僕だったら何よりも、あやかちゃんが一番なのになっ!」

ちょっと、抵抗!攻撃!アピールっ!



「(笑顔)そんなこと言ってくれるのは、本当にコウちゃんだけだよ

私って何なんだろう・・・

幸せにはなれないのかな・・・」



「いやいや、そんなこと無いよ!

でも、その人とは結局どうなの?」



「うん、別れたんじゃない。

この前、このまま連絡してくれないなら

別れるってメールしたけど、返ってこないし・・・」



「そうなんだ」

何となく、ちょっとホっとする・・・



「私って、最後のお別れも言ってもらえないほどの価値しかないのかな・・・」


また、あやかちゃんの目から涙が溢れてくる・・・



「いやいや、何言ってるのっ!あやかちゃんは最高に価値があるよ!

あの時も、僕結婚してなかったら、”結婚を前提に付き合ってください”って言ってたよ・・・」



「本当に、コウちゃんって優しいね」

少し笑顔が戻るあやかちゃん



「うん、マジでそう思うよ!」




「うん、でもね・・・。

結構、いつもコウちゃんと比べてたんだ・・・」



「え?何を?」



「うん、ちょっとしたことだけど、

  コウちゃんだったらこうしてくれるのにな~っとかね・・・」



他の男の人と居ても思い出してくれてたんだと、素直に嬉しくなる自分



「そっか、僕だったら未だに、最高のおもてなしをするよっ!」

間髪入れずにアピール!!( >Д<;)



「(笑顔)うん、そうだね。コウちゃん優しいから・・・」



「うんうん、あやかちゃんには特に優しいよ!」

















「うん、実はまだ、コウちゃんに連絡しても、私のことを受け止めてくれるってこと信じてたんだ・・・」


















そっか・・・・。








「うん、受止める!!僕はあやかちゃんのそばに居たい!

・・・・・・・・・・居てもいいですか?」













「うん、こちらこそ

    今は居て欲しい・・・」


















帰りの車で、軽くキスをした・・・























「第32話:また、会える」

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