第28話:久しぶりに飯でも

あやかちゃん・・・・



下平あやか・・・



着信は、あやかちゃんからだった・・・・



完全に仕事のことがぶっ飛んだ・・・










”あやかちゃんだ”










「ちょ、ちょっとコンビニ行って来る」

近くに居た、洋君に言う






会社を出る自分






携帯をもう一度確認する。。



17:35分着信あり 下平デザイン



あやかちゃんだ・・・



頭の中で何度も確認した



”あやかちゃんから着信があった”と・・・





あやかちゃんの着信履歴を出したまま


会社から離れた公園まで行く・・・


周りには誰も居ない





・・・・









・・・・・・・・







・・・・・・・・











”通話”ボタンを押した



トゥルルルルルルルルッルウッルウルルルルルルルルル







トゥルルルルルルルルッルウッルウルルルル













「はい・・・」


あやかちゃんの”声”だ・・・・





「あ、久しぶりっ

    あやかちゃん?」






「あ、コウちゃん久しぶり。元気だった?」



「あ、うん。元気。さっき着信もらってたから・・・・」



「うん。どうしてるかなって思って。電話しちゃった。ごめん、今、仕事中?」



「あ、うんうん。大丈夫。ちょっと外に出るって言ってきたから」



「あ、ごめんね。仕事中にかけて」



「大丈夫、大丈夫。あやかちゃん元気だった?」



「うん、元気だよ。ごめんね急に電話しちゃって・・・」



「ううん、全然!あやかちゃんから電話もらってうれしかったよ」

(心の底から嬉しかったよ)


「ホントに?ごめんね。急に電話したから。迷惑じゃないかって思って・・・」



「そんなこと無い、そんなこと無い。

スゴクく、電話もらって嬉しかったよ」



「ありがとう。コウちゃん最近は、何してるの?」



「や、仕事ばっかりだよ。あやかちゃんは変わりない?」



「うん、無いよ。ちょっとだけ仕事で色々あって。

  私、会社変えたんだ」



「あ、そうなんだ。最初は慣れないから大変だよね。大丈夫?」



「うん、ちょっとコウちゃんの声を聞いて安心した」



「え~本当?」



「うん」



「あ、あやかちゃん最近忙しい?」



「え?」



「久しぶりに飯でも食べに行かない?」



「うん、いいよ」



「あ、ホントに?」



「じゃあ、いつにしよう。今度の土曜日とかは?」



「うん、いいよ」



「あ、ホントに空いてる?」



「うん、空いてるよ」



「そっか、じゃあ今度の土曜日の夕方。六時頃に迎えに行くよ」



「うんうん、ありがとう」



「じゃ、またね・・・」



「うん、またね。ありがとね。ばいばい」








・・・







あやかちゃんから電話が来た






あやかちゃんと、今度会う約束しちゃった




”あ”って言い過ぎた










嬉しすぎて信じられない思いだった




夢じゃないかって中途半端に

暗くなった外で思った




でも、夢じゃなかった・・・






凍りかけていた”記憶”が甦える・・・








「第29話:うれしくて」

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