第27話:下平デザイン
ゴールデンウィークも終わり、
また忙しい毎日が始まる
忙しいが、決して不幸せではない毎日
君のことも思い出に
変わりつつある毎日
「じゃ、これ頼むわ。あとそっちどう?」
「やばいな、終わってないなら援護に入るよ。データーを共有に入れて」
「あれ、これ違うんじゃない?
資料見せて」
忙しさが君の記憶を癒してくれていた
忙しさが君を思い出に
変えていってくれていた
「な~~ぁ、この資料どこいったっけ?」
「コウちゃん忙しそうじゃん」
「うんうん、やば忙しい~~沖ちゃんは今から出るの?」
「コウさん、○×○△さんから2番に電話です」
「はい、はい~」
君に会えないことにも慣れてきたのかな・・・
もう、会わないと決めていたけど
思い出して苦しくなることもあったんだ
「はい、分かりました」
「えぇ」
「そうです」
「はい、ありがとうございます」
「しつれいします」
この前みたいに、君の幻を追いかけることも少なくなってきたのかも・・・
でも、時折流れるあの時聞いたラジオの曲
人気が出てきちゃって・・・
聞かないようにラジオを
消すこともあるよ
だって、まるっきり自分とあやかちゃんの事を歌にしたみたいな曲なんだもん
涙が止まらなくなるから・・・
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
右ポケットがブルブルする。
カチカチ
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カチカチ
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カチカチ
カチカチ
カチカチ
カタカタカタ・・・・
カチカチ
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
カタカタカタ・・・・
「さっき携帯鳴ってたな・・・」
右のポケットから携帯電話を出す
携帯電話に”着信あり”の表示
なんとなく”着信あり”を開く自分
「下平デザイン・・・・」
あやかちゃん・・・
あやかちゃん!?
「第28話:久しぶりに飯でも」
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