第24話:二日後に掛ける
今日も遅い帰宅・・・
静かな住宅街
あの電話をした日から二日後・・・
気持ちは曇っていた
あやかちゃんにメールすら出来ない
言い訳がましくなってしまう自分のメールが怖かったから
また、いつも通り契約をしている駐車場に車をとめる
降りず車の座席シートを倒す
車の窓から夜空が見える・・・
冬なので少しだけ星も見えている
・・・
静かな車内
ラジオすらつけていない
余計な事を考え出す自分
・・・
あやかちゃんをこのまま失ってしまうんではないかと言う
恐怖に駆られる・・・
携帯電話の時計を見る
時間は23時半過ぎ・・・
ちょっとプラス思考が働く・・・
ひょっとしたら、今日は話が弾むかも?
ひょっとしたら、この前のことは気にし過ぎかも?
ひょっとしたら、今日は温かく迎えてくれるかも?
まだ今度会う約束もしていないし・・・・
そう考えて、携帯を掛ける・・・
トュルルッルルルルルウルルル・・・
しばらくして・・・
「あ、もしもし?」
「あやかちゃん遅くにごめんね~
起きてた?」
「うん、もう寝ようと思ってたよ。
どうしたの?」
「ちょっとしゃべりたくて・・・」
「うん・・・」
そうして、自分は”声が聞きたいだけの会話”をする。
無理して面白く言う
たいしてウケない・・・
あやかちゃんはやっぱ眠いのかなぁ・・・と思いつつも会話を続ける・・
やっぱり弾まない・・・
不安になる・・・
怖くなる・・・
余計なことを聞く・・・
「なんだか、壁を感じるよ・・・
ひょっとしてこの前の電話が原因かな・・・?」
「そんなこと・・・・
でも、やっぱりそうかも・・・
急にコウちゃんが遠く感じる・・・
あの電話が掛かってくる前までは、全然そんなこと思ってなかったけど・・・・
やっぱり、コウちゃんとは無理かな・・・」
ドン!!っと胸に突き抜けるものを感じる・・・
そして、のど元が苦くなる・・・
気の利いた言葉は、浮かばない・・・
恐れていた事を言われて、フリーズする自分
沈黙になる・・・
だが無理やりつなげようとする
今度、会って話したい!
と懸命に言う・・・
まだ、会える日にちが分からないと言うあやかちゃん
だったら二日後の木曜日、夜10時頃に掛けると言う自分
「うん」
と言うあやかちゃん・・・
電話を切って、そのまま砕け散るキモチ・・・
「第25話:君の未来」
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