第21話:あけましておめでと


「あけましておめでと♪」

笑顔で車に、あやかちゃんが乗り込んだ


今日は2006年1月2日のお正月

あやかちゃんと、郊外にある大きな神社に

初詣に行く約束をしていた


妻子持ちが三が日に1日中出かけると言うのは、難しい

特に我が家は・・・

なので、夕方までには帰ると言い家を出た自分


「今日は、伊勢まで行きたかったな・・・」

と言うあやかちゃん


「ごめーん。今日は夜、用事があって・・・」

用事って言うか、夕方には帰って来いと怖い顔で奥様に言われております自分

(´・ω・`)


「ふーん」

つまらなさそうに車の外を見るあやかちゃん。


「ごめんね~」

ちょっと顔が引きつる自分


そうこうしているうちに1時間ほどして大きな神社に着いた

ここも伊勢にある神社と並ぶ有名な神社には違わなかった


駐車場待ちの車の列に並ぶ


「あ、結構人が多いね~」

思った以上に人が多く込んでいることに驚くあやかちゃん


「でしょ~。ここも凄く有名なところなんだよ~。

ネットの神社ランキングで調べたよ」

この神社、かなりメジャーで有名度が高いみたい


「わざわざ調べてくれてたんだ。さっきは、ごめんね、コウちゃん」

ちょっと申し訳なさそうにするあやかちゃん




「うんん、全然」

取り合えず、はずさなかったと安心する自分


しばらくして、案内の人が誘導し土の駐車場に案内される

雪解けで、土の駐車場はぬかるんでいた


「あやかちゃん、靴大丈夫?」

あやかちゃんはブーツを履いていた。


「うんん、大丈夫だよ」

と言う、あやかちゃんの手を取り、

神社の門の方に行く


「あ、お正月らしくなってきたね~。

飾りがきれい」


「うんうん、こお言う感じ昔から好き。

正月っていいね~♪」


ってことで、階段を上がる二人


結構上の方まで行かないと、お参りが出来ない


「結構、階段きついね。あやかちゃん大丈夫?」

手を引かれながら階段をあがるあやかちゃん。


「うん、あと少し。大丈夫だよ」

頑張っているあやかっちゃんがけなげ♪


そして、一番上まであがり、お賽銭をいれ2人で手を合す


・・・


・・・


あやかちゃんともっと仲良くなれますように・・・


あやかちゃんとケンカしませんように・・・


あやちゃんが消えてしまいませんように・・・


・・・


・・・


ついでにまだ見ていない年末ジャンボが当たっていますように・・・


と自分勝手な願いをする



目を開けて、あやかちゃんの方を見ると、まだお祈りをしている


・・・


・・・


・・・


・・・


「ん?終わったよ。ごめんね。長くて(笑顔)」


何をこんなに長くお祈りしてたんだ?っと気になる(´ε`;)ウーン…


そして、あたりを見ると

「あ、クジしようよ♪」

と、あやかちゃんが楽しそうにクジの方に行く


そして2人はクジをひく


「あ~小吉かぁ」

今年は小吉を引いてしまう自分



「私は中吉だ。何書いてあるんだろ~~?」

と興味心身な様子でクジの内容を読むあやかちゃん。


「今年は待ち人来ずだって」

残念そうにする、あやかちゃん


「待ち人来ずって・・・」

と言い、複雑な気持ちになる自分


「待ち人来ないなら、またケアンズにいこっかな・・・」

なんだか、あやかちゃんの発言にちょっとせつなくなる自分


「え~ケアンズに行っちゃうんだ」

とせつないんだけど”癒友なので”と言うのが頭に有り

行くな!とか、ここに待ち人居るじゃん!って言えない自分

しかも妻子持ちだし?!


「だって、日本に居て旅行会社の派遣の仕事してても将来が無いし、もっと勉強して・・・」

あやかちゃんの描く未来に自分の存在が薄いと感じる自分


そして、特に気の利いた発言が出来ないまま、神社を降りていく自分

途中、交通安全の祈願のイベント?のようなことをやっているので

それに2人で参加した


車に戻る途中。自販機でコンポタージュとホットレモンティを買って、車内に戻った


「もうお昼近いね。ご飯食べにいこっか」

少し、先程の言葉を引きづりつつも昼食を提案


「うん、いこいこ♪」

可愛く言うあやかちゃん。


そして、少し離れた大型ショッピングモールに入り、

メニューの豊富なバイキング形式のお店に行き食事をした



(この時、アイスクリームの機械からアイスが出すぎで

にゅろにゅろとずーっと出てくるアイスをあやかちゃんが必死にお皿で

受けているのを、遠めで見ていたのを覚えています(´∀`*)カワイイ)





~~~~~~~~~~~~





「もう、帰っちゃうんだ・・・」

と言うあやかちゃん。


自分は帰りの車を運転しながら

「うん、次いつ会おっか?」

と言う


「もう帰る人とは約束しません」

すねながら言うあやかちゃん


「え~ごめん。ちょっと用事があって」


「ちょっとって何の用事?」


「家の用事・・・。親戚とか来て・・・」

奥様に夕方に帰ってこいと怖い顔で言われています


「ふーん。」

すねるあやかちゃん


「ごめんごめん」

平謝りで、運転しながら手を繋ごうとする自分


「帰る人とは、手は繋がない」

あれ?なんか、ホントにすねてるあやかちゃん。


「がーん。手も繋げない」

ちょっと冗談っぽく言う自分


「うん、繋がないよ~だ」

マジですねている


しばらくそんな状況で、あやかちゃんの家が近くなってきた


「もう、家に着いちゃうよ。仲直りして手を繋ご?」

と言う自分に


「え?本当に帰っちゃうんだ?」

とマジ聞きするあやかちゃん



「う~~~ん。ごめん」

今思うが、何故ソコまで帰ることに拘ったのか自分でも分からない

そこまで奥様が怖かった訳じゃないのに・・・



「だから、着く前に繋ごっ」

と言うと、あやかちゃんは手を繋いでくれた・・・











「第22話:安定期と月の少女」

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