第20話:クリスマスイブイブ

大きなクリスマスツリーの下


待ち合わせの場所に、あやかちゃんは居た


今日はクリスマスイブイブの

12月23日のお昼

街は、イルミネーションが輝き、カップルが多い

ミニスカサンタさんもあちらを見ると居る♪


「こんにちは♪雪で遅れそうになったよ~(笑顔)」

イルミネーションで輝く街の中、

輝くあやかちゃんの笑顔が可愛い


その年は、雪の量が多く、昨日降り積もった雪が街を白くしていた。


「大丈夫だった~?あやかちゃんまた転んでない?」

電話で話した時、駅を降りてから自分の家までの雪で転んだ、

と言うのを思い出した


「今日は、大丈夫だよ~ぉ。

でも今日の靴、ヒール高いかも。」

ちらっとかかとのヒールを自分に見せる。

その時、コート越しにストッキングを履いた足が見える


自分照れる。

「おっし・・じゃあ、クリスマスランチ食べよっか♪」


今日、会う約束をしたのはまた、自分であった。

あやかちゃんに変な遠慮をしていたのか、

イブイブにランチ食べよっと誘っただけ


イブとクリスマスは、既婚者の役目を果たさないといけなかったので

自分都合で空いていなかったのもあるけど・・・


約束をした場所は、出来たばかりのオシャレなデパート

最上階には、食事のお店が並んでいた


「どこも、込んでるね~」

あやかちゃんが辺りを見る


「だね。ちょうどお昼だしね~」

2人は、結構広いその食事階を回る


「ん~?何が食べたい?クリスマスだからチキン?」


「そうだね~。あ、あそこは?」

あやかちゃんが示した先には、北京ダックのお店があった


クリスマスに中華?と少し思ったが、

「うんうん、じゃ、あそこにしよ~」

と言うことで、北京ダックになった



他のお店より空いていて

すぐに店の人が、店内を案内する


席に座る2人

座るときにコートを脱ぐ、あやかちゃん。


「あ、今日は服、可愛いね~」

いつも大人っぽい格好が多いあやかちゃん

今日は、服がひらひらしていた


「でしょ♪クリスマスだから可愛くしてきたよ♪」

うん、可愛いよっと頭の中で思う自分


「じゃ、何たのもっかなっ。この北京ダックのセットとビールか」


「コウちゃんビール好きだね。お昼なのに飲むの?」


「うんうん、飲む飲む。あやかちゃんも付き合ってよ」


「え~~、いいよ♪

じゃあ、私はこっちで」


しばらくして、ビールと仕切り3っつほどついた長細い器にはいった料理が運ばれて来る


それを食べながら、しばらく談笑をしていると

メインの料理が運ばれてきた


注文を2人とも違う物にしていたので、ちょっとづつ分けながら食べる


ビールも軽くまわって良い気分になる自分


「コウちゃんもう酔ったの?一杯だけだよ~。ビール好きなのに弱すぎだね」

ちょっと、酔ったのがバレル自分

たぶん、あやかちゃんの方が酒は強い?


そして、北京ダックの料理を談笑しながら

食べ終わる2人


「ん?あやかちゃんまだ時間大丈夫?」

なんか、よく考えると変な聞き方をする自分。飯食っただけじゃん(;´д`)ゞ

多分、自分の性格上、クリスマスにランチを食べようと誘ったので

それに徹っし過ぎた質問だと思う


「うんうん、大丈夫だよ」

笑顔で答えてくれるあやかちゃん


「じゃ、ちょっとグルッとしようか♪」


と言う事で、お会計を済まし、

その出来たばかりのおしゃれなデパートを

2人で回る


「私、ケアンズに行ってた時、こおいうの来て自転車で走ってたよ」

女の子の服のお店の中。

薄手の何だかアッパパーな?感じの服を手に取りながら言うあやかちゃん


「たしかに、その服ケアンズっぽいね~

派手でラフな感じ。」

ケアンズっぽいって何か、正確には自分で言ってわからない

あやかちゃんは昨年一年間、ケアンズへの海外留学をしていた。


「うん、ケアンズの市場みたいな所で、こお言うの買ったの

あっちは、みんなこおいうの着てる人多かったよ♪」

自分は海外に行ったことが無い(;´瓜`)


しばらく、その建物のお店を回ってその後、街の中心にある

綺麗な眺めの良い公園に行った。そこにも雪が積もっていた。


自分はその時、あやかちゃんの手をつないで歩いた


ある物を渡そうと思っていた


そして・・・


「あやかちゃん、まだそんなに大した物じゃないんだけど・・・

これプレゼント」

とあやかちゃんに隠して持っていたプレゼントを渡す


「え、何?ありがとう♪」


「空けても良い?」


「うんうん、開けてみて。」


「うん、あ、可愛い~」

クリスマス前に、お店の人と1時間かけて選んだ指輪だった


「コウちゃんつけて」

と嬉しそうに、右手を差し出すあやかちゃん


あ、自分は”癒友”なのに指輪をプレゼントしても

素直に喜んでくれたっと嬉しくなる自分

でも、右手か・・・と少しがっかりする自分


※左手の薬指に指輪をつけると思っていた自分。

でも、恋人は右手につけるものっと後で友人が教えてくれたので

がっかりする必要は無かったみたい



指輪をつける自分

「わぁ、可愛いね!ありがとう♪タイミング探してたの?」

素直すぎる質問


「うん、探してた。喜んでくれて嬉しいよ」

本当に嬉しかった


「じゃあ、まだ時間大丈夫?どこか行く?」


「うん、いいよ♪」


「と、言ってもあんまり歩いてこの街来た事ないからな~

車に慣れすぎて。どこがいいかな~?」


「そうだね。車だとどこか行けるね」


そんな会話をして結局、カラオケにした2人



「あ、そう言えばあやかちゃんとカラオケするの初めてだね」

席に座る2人。狙ってあやかちゃんの真横に足が触れるほどの距離で座る自分


「うん、コウちゃんの歌聞きたい♪」


「え、そう?じゃあ、え~とぉ」

と言い、定番のバラードを選んだ


そして熱唱する自分

拍手してくれるあやかちゃん

あやかちゃんの番になる、

あやかちゃんは結構、歌が上手い


2時間ほど、歌う2人。

最後に、”抱きしめたい”を歌ってしまう自分。

はたから見るときっとかっこ悪いけど、

あやかちゃんの肩を抱き寄せる自分


照れるあやかちゃん。

更に照れる自分


そして時間がきて、カラオケ屋さんを出る2人


外は寒く、もう夕方になっていた


地下街を歩く2人。


無意識に帰り道に向かう自分


「帰るの?」

とあやかちゃんが自分に聞く


「うん、そうだね~。今日はあやかちゃんに会えて良かったよ♪

最高に楽しいクリスマスだよ」


実は、カラオケに居た時、自分の奥様からから電話がかかってきていた

ちなみに自分の奥さんは怒るとかなりヒステリックだ

結婚してからは、それがかなり強い

家を出る時には、必ず何時に帰るのか?と聞かれる。

電話の時は既に怒っていた


「帰るんだ・・・」

あやかちゃんが少し寂しげに言う


自分は、正直鈍感だ。

しかも、自分で言った”癒友”にてっしている

あんまり、あやかちゃんに無理を言っちゃいけないと思っていた


「あやかちゃんって今日何で来たの?」

と更に言う自分


「うん、バスだよ」


「バス乗り場ってどこの?」


「さっき行った公園の下にあるよ」


「うん、じゃあ送っていくね・・・」


「うん・・・」


鈍感な自分


2人は地下鉄街から、さっき行った公園の下に行く


・・・・



・・・



「今日はクリスマスなのに何にも無いな・・・」

と、あやかちゃんがつぶやく・・・


相変わらず鈍感な自分。

「え~、今日は楽しかったじゃん。ね?」


「うん、楽しかったよ。。」


「うん、今度はいつ会う約束しよっか。」


「うん、今度は。。」


「うん、いつがいいかな。」


「うん。。」


「うん?」



・・・。




ちょっと気づく自分。


「あ、あやかちゃん時間あるの?」

はい、気づきすぎて馬鹿な言い方をしてしまう自分Σ(゚Д゚;)


「・・・」

何も言わないあやかちゃん。


「あ、じゃあ今からご飯食べにいこっか?」

と聞く自分。さっき食べたじゃん

(´ε`;)ウーン


「うんん、今日は帰るね。ありがと。コウちゃん。」

あ~ぁヽ(;´Д`)ノ


そして、バス停につく2人・・・

しかし、バスが来るまで10分ほどあった


「まだ、ちょっとバスこないね」

時間表を見て言うあやかちゃん。


「そっか、あっちのベンチに座る?」


2人はベンチで座って、話す


「10分ほどして、あやかちゃんの家に向かうバスが到着する。」


「あ、来ちゃった。じゃあ・・・」

とあやかちゃんが言う。


急に寂しくなる自分


「次のバスじゃ駄目かな・・・?」

と言う。


「・・・うん、いいよ」

優しく答えてくれるあやかちゃん


そして、また話していると、次のバスの到着時間になる。

バス乗り場に並ぶ2人


少しして、バスターミナルに進入してくるバスが見える。


「あ、来た。じゃあ、コウちゃん今日はありがとう♪楽しかったよ♪」

やさしい笑顔で自分に言ってくれる



・・・



急に寂しさが込み上げ、

あやかちゃんを不意に抱きしめる。


「・・・!」


バスがバス停に着く・・・


「来ちゃった・・・」


抱きしめた、あやかちゃんを離し、

あやかちゃんはバスに乗る・・・




見えなくなるまで、バスに向かって手を振る自分であった・・・












「第21話:あけましておめでと」

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