第19話:帰り道
さっきまで笑顔だった
あやかちゃんの顔が曇る・・・
「私のことが好きって言ってくれてたんじゃ無かったんだね・・・」
「おかしいと思った・・・。」
あやかちゃんの笑顔が完全に消え、
下を向く
「や・・・、そんな意味で言ったんじゃないよ!あやかちゃんのことが好きだよ!」
必死に言う。のど元が苦くなる・・・
「コウちゃんは、その人と私を重ねてただけでしょ!」
口調が強くなるあやかちゃん。
ニガくて苦しかったが必死に、意味が違う。あやかちゃんのことが好きだと言う
「私は、私なの・・・」
”勘違いの褒め言葉”に後悔する
そして、言うほどに、
言い訳がましく聞こえる
うまく、言葉が伝えられない・・・
「あやかちゃん・・・違うよ。
本当に・・・」
何も言えなくなり、
絶望的な顔でうつ向く
あやかちゃんの視線が痛く感じる
・・・
「確かに、最初出会った時はそう思ったけど今は、本当にあやかちゃん自身が大好きなんだ。
毎日毎日、惹かれていくし。
いつも会える日まで頑張れるし・・・
でも、最低のことを言ってしまってごめん・・・」
もう、どうしていいか分からなくなる・・・
周りには、楽しそうな笑顔がこぼれる中、
2人の間には、沈黙が流れる・・・
・・・
・・・
段々自分の表情が
険しく苦しくなっていくことに気が付く・・・
・・・
・・・時間が過ぎる
・・・
しばらくして、あやかちゃんが口を開く・・・
「うん。ごめんね!コウちゃん」
「そんなに苦しそうな顔をしないで」
あやかちゃんの表情に笑みが戻る。
「え・・・」
笑みと言葉をすぐに理解できない自分
「ちょっと悔しかっただけだよ。他の子のことをコウちゃんが言うから」
なんだか、崖からぶら下がっていた所に、手を差し伸べられたような気持ちになる
そして、”癒友”と言う立場?の自分が放った失言で、
こんなにあやかちゃんが怒ったことに、
気が付き嬉しくなる
更にあやかちゃんを好きになって行く自分・・・
また、楽しい時間が二人を優しく包む・・・
この日の帰りは、あやかちゃんをおんぶダッシュをし
完全に仲直りをした
(本当に良かった…)
「第20話:クリスマスイブイブ」
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