第16話:癒友
「ごめんね。こんなに遅れちゃって・・・。」
ガックシと思いながら、あやかちゃんに謝る自分
「ごめんね。でも、コウちゃんは今どこに居るの?」
心配そうに聞いてくれる、あやかちゃん
「だいぶ近くに居ると思うんだけど・・・。なんか自動車学校の近くかな・・・」
・・・
「そんなに近くに来てるんだ・・・」
・・・
・・・
「ちょっとだけなら、会えるよ」
「・・・!」
え?
「え、いいの?お母さんが怒ってるんじゃないの?」
会いたいくせに、心配にもなる自分
「うん、ちょっとだけなら。せっかくそんなに近くまで来てくれてるし・・・」
あ、あやかちゃん優しい・゚・(つД`)・゚・
「でも、実は迷っちゃって・・・ここがどこだかいまいち分からなくて・・・」
カッコ悪・・俺
「いいよ、そのまま電話つないでおいて
私が案内するから」
やっぱ、優しい
あやかちゃん。・゚・(ノ∀`)・゚・。
自分は携帯電話にイヤホンマイクを付け、何とかあやかちゃんの道案内で、
あやかちゃんの家のマンションの下まで辿り着いた
しばらくすると、あやかちゃんが助手席側のドアを小さくたたいた
「寒いね~、今日はごめんね」
外の冷たい空気と一緒に、あやかちゃんが車内に入る
「こっちこそ、遅れちゃって。ごめん。凄く迷ってしまって・・・」
カッコ悪すぎ(;´д`)
「ちょっと分かりづらかったよね」
やさしくフォローしてくれる
「車にナビが無いから余計に(苦)。
でも、お母さんは大丈夫だったの?」
「私、昨日も友達と出掛けてて、2日続けて出掛けようとしたから、怒らせちゃって・・・。
今は、内緒でちょっと出てきたの」
少し笑顔で言う
「そっか、じゃああんまり長く居るとまずいよね」
一緒に居たいくせに・・・
「うん、あんまり長くは居れないかも・・・」
少しうつむき気味になる、あやかちゃん
「そっか、じゃあ、また今度にしよ!ひと目顔が見れただけでも良かったよ」
あのまま帰るよりはずっと良い・・・
「・・・うん・・・」
ん?
「あのね・・・」
「うん」
え?何??
「コウちゃんが、そう言って誘ってくれるのは、凄く嬉しいけど・・・」
え・・・?
「私は、幸せになりたいから・・・」
幸せになりたい・・?
「コウちゃんとは・・・。」
下をゆっくりと向くあやかちゃん
・・・
・・・!
・・・
「僕が結婚してるから?もう会えないってこと?
それとも僕自体の存在が嫌いだからかな・・・」
ハンドルを握り締めながら、自分で言った言葉に胸が痛くなる・・・
下を見ていた、あやかちゃんがこちらに振り向きながら言う。
「コウちゃんが嫌いなのは違うよ!コウちゃんと居ると、凄く癒されるし楽しいし。
でも、このまま一緒に居ても結局、幸せにはなれないし・・・」
結婚できないってことか・・・
更に、胸が痛くなる自分を抑えて、言った
「もし、嫌いじゃないならまた、会いたい!
もう、あやかちゃんのことが好きになってる。このまま会えないのは悲しすぎるよ!
彼氏とかじゃなくてもいい。ちょっとでも、あやかちゃんのことを支えれる存在になりたい!」
(今、思い返してみるとなんだかスゲー自分勝手なことを言っている)
「だめかな?そんなんじゃ・・・」
(めちゃくちゃ、勝手だけど良く言えたと思うよ。当時の自分くん…)
・・・
・・・
あやかちゃんが、ゆっくりと口を開く
「駄目じゃないけど・・・」
駄目じゃない・・・?
「でも、そんな関係って・・・。」
あやかちゃんと目が合う
そんな関係・・・か
とっさにその言葉を聞き発してしまった。
「じゃ、癒し友達になるよ!」
なんじゃそりゃヾ(・∀・;)
更にその言葉をねじ込む
「只の友達じゃなくて、癒し友達ね!略して”癒友”だよ!」
ヒッシダナ・・でも行くしかない
「癒友?」
?のあやかちゃん。
「そうそう、癒友!」
「もー、何でも言って!めっちゃ癒すから!美味しい物も食べさすし
あやかちゃんが良ければいろんな所に連れてくし、支えるし・・・」
もう、崖っぷちの自分なので必死に言う
「だから、このままもう会わないって言わないで!!」
必死すぎです。自分・・・
・・・
「本当はずるいかもしれないけど、コウちゃんと居ると本当に楽しいし、
こんなこと言っている私に、そんなに言ってくれるのも嬉しいから・・・」
「いいってこと?」
・・・
「うん」
!
「ありがとう!癒友をこれから頑張るよ!」
本当に惚れたんだな・・・君に・・・
「じゃあ、今度の約束しよっか!どこかリクエストある?」
もう、次に繋げたくって必死です
「じゃあ、海に行きたい・・・」
あやかちゃんの可愛い笑顔が、自分に返ってきた瞬間だった・・・
「第17話:セブンに着いたよ」
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