また、あいましょう ～転生もタイムリープも無双も異世界でも何でもない普通の世界、永遠に心のど真ん中から消えない大切な人を今でも想い描いています～

第6話：横顔

鍋がぐつぐつと煮えはじめる

中身は鳥鍋だ

自分の小皿と菜箸を取ろうとした時

「あ、取ってあげるね」

っと、隣りに座っている、

あやかちゃんが小皿に具を取り分けてくれた

「ありがとう・・・」

結婚して以来、女の子らしい女の子に女の子らしいことをしてもらってなかったので、なんだかめちゃくちゃ嬉しかった

その時まで隣で近過ぎて

あやかちゃんの顔をちゃんと

見ていなかったことに気がつき

そっと顔を覗いた

「あ・・・」

一瞬、時がゆっくり流れた感じがした

彼女の顔が、昔大好きだった女の子の顔に似ていたから

正確に言うと横顔のうつむき気味の表情がそっくりだった

・・・急にドキドキしてきた

「鳥好き？」

と聞かれた。

「ん、うん、好きだよ」

と返した

そしたら、小皿いっぱいに鳥肉を入れる

あやかちゃん

「わ、ちょ、ちょっと入れすぎだよ～　

でも、ありがとう」

え、天然？

「どういたしまして（笑）」

かわいい笑顔で返された

エリちゃんがこちらに話し掛けてきた

「あやかちゃんって、ホントに松○奈々子に似ているよね～」

「え～そんな美人じゃないよぉ」

松○奈々子？

「え？こっち見て」

っと自分は失礼にも思わず言うと

あやかちゃんがこちらに正面を向く

「あ～、似てる！」

と言いつつ

ま、６０％位似ているかなぁと思った

や、とにかく可愛いのには間違いない

でも、今の一連の会話で、あやかちゃんと話す切っ掛けができた

「じゃ、今日はナナコで」

と自分が言うと、ちょっと照れた様子で

「え～良いよ～」

とまんざらでもない様子

正直な子のようだ

でもすぐに、やはりこの会話がきた

「奥さんには今日は、何て言ってきたの？」

「え・・・」

「第7話：いい子」