個別シーン

SS#1 聖女ちゃんでオギャりたい



[時系列]結婚式後〜冒険者活動前




協会運営の孤児院で聖女ちゃんと共に炊き出しをしていた。


テキパキと慣れた手つきで食材を調理していく聖女ちゃん。俺はもっぱらあれこれの雑用係で聖女ちゃんのサポートしたり、料理が出来るまでの間、子供たちの遊び相手になったりしていた。


巨大な鍋に様々な食材が投下され煮込まれていく。炊き出し定番の豚汁である。しばらくして辺りに食欲を誘ういい匂いが漂い始めた。



「もうちょっと待っててくださいねー」



まだまだ?と料理の完成を心待ちにする孤児院の子供たちを笑顔で諌めてる姿はまさに聖女な聖女ちゃん。可愛いなぁ。



「はい。それではこれで完成です」



両の手のひらを組み合わせて祈りをひとつ。料理が美味しくなるおまじないらしい。そうして豚汁は完成した。


俺は子供たちに器を配って周り、聖女ちゃんはそれに豚汁をよそっていく。聖女ちゃんを見ると俺に気がついて微笑んでくれる。それにつられて俺も口元がニヤける。なにこれ夫婦の共同作業感強い。幸せか。



「ほら、そんなに焦らなくても、ちゃんと全員分ありますので大丈夫ですよ」



我先にと豚汁に群がる子供たちを窘めながらも、澱みなく聖女ちゃんの手は動いている。つつがなく豚汁は子供たち全員の手に渡った。



「ガンマ様も如何ですか?」



聖女ちゃんが豚汁を差し出してくる。お言葉に甘えてそれを受け取ってズズズと豚汁を啜った。


あったまるぅ。豚汁って不思議よな。なんか心まで暖かくなるような優しさに満ちた味がする。おまけに聖女ちゃんの手作りだ。聖女印の豚汁。響きも素晴らしい。


いいよね豚汁。なんか響きがメス豚っぽくて。



「美味しいよ。ありがとうロエちゃん」


「それは良かったです!」



ほんわかと聖女ちゃんとの間に流れる暖かい空気感。たまにはこうしてまったりするのもいい。癒される。



食後、遊んで遊んでと聖女ちゃんに群がる子供たち。それを滲み出る母性でもって笑顔で相手をする聖女ちゃん。優しく面倒見がいい最強美少女の聖女ちゃんは当然ながら子供たちに大人気である。


俺もたまらず子供たちの輪に混ざりたくなったが、なんとか我慢した。今は邪魔するのは辞めておこう。今は。


聖女ちゃんに群がる子供たちの大半は女の子だ。


女性比率が多いこの世界、孤児院の子供たちも大半が女子。申し訳程度に男子が数人いる程度。


そんな数人の男子は女子たちの輪に入れずに遠巻きにそれを見ていた。



「よお!おまえらどうした?そんな指くわえて物欲しそうな顔して!」


「げっ!ガンマ!?」


「なんだよガンマかよ」


「こっち来んな!あっち行け!」



俺が声をかけると心底嫌そうな顔をして男子共は俺を追い払おうとする。ここの男子共に俺は嫌われている。


まぁ、無理もない。なんせみんなのアイドルの聖女ちゃんをかっさらっていった男だ。年上の綺麗で優しいお姉さんに淡い恋心を抱いていた男子諸君がそのアイドルを奪った相手を嫌うなど当然である。



「くっそぉ……なんで聖女様はこんな男なんかと……」


「はっはっはっ!聖女様と結婚した俺が羨ましいか糞ガキ共!」


「ぐぬぅ!おいみんな!こいつやっちまおうぜ!」


「そうだそうだ!やっちまぇえ!」



男子共が結託して襲いかかってきた。それをひらりひらりと避けながら適当に男子共を放り投げていく。



「おまえらのような糞ガキ共やられる俺ではないわ!」


「ぐぅ……ガンマの癖に!」


「なんでそんな強いんだよ!」


「バーカバーカ!ガンマのバーカ!」



口々に罵声が飛び交う。俺はそれを嘲笑うかのように軽くあしらってやった。



「俺は盗賊に襲われていた聖女様を助けた事で仲良くなって結婚した」


「だからなんなんだよ」


「ボクらだってその場にいたら聖女様を助けた!」


「本当に?今のおまえらで聖女様を助けられたか?」


「それは、その……」


「そんなのやってみなくちゃわかんないだろ!」


「それもそうだな。やってみなくちゃわからんな。それなら今こうして聖女様を奪った奴がおまえらの目の前に居るぞ?ほら、俺を倒したら聖女様を救えるぞー?」


「ボクら子供が大人のおまえにかなうわけねーじゃん!」


「大人気ないぞ!」


「こんなの理不尽だよ!」


「確かに理不尽だなー。でも世の中は理不尽な事ばっかりだ。おまえらはその理不尽に負けて聖女様を俺に盗られたんだぞ?悔しかろう!」


「ぐぬぬぬ」


「強くなれよ糞ガキ共。おまえらもそのうち他に好きな子が出来るだろう。そん時にまた好きな子を理不尽に攫われないようにな」


「うっせぇバーカ!」


「そんなことおまえに言われなくても強くなってやるよ!」


「クソガンマ!死ね!」


「威勢だけはいいな!これなら大丈夫そうだ!それでおまえら聖女様以外に好きな女の子いないの?」


「は?急に何言い出すんだよ!」


「そ、そんなのいるわけねぇーだろ……」


「ん?おまえその反応は好きな子いるな?どの子どの子?」



1人だけ反応が違った男子が居たので即捕獲した。



「あっ!?やめろ!クソガンマ!離せ!」


「まぁまぁ。そんな暴れんなって!お兄さんがその子と仲良くなれるように手伝ってやるから!」


「ほ、ほんとか……?」


「ホントホント。それでどの子だ?」


「えっと……それは……」



チラリと男子の視線が動く。俺はそれを見逃さずにその視線の先を追った。


そこには地味で鬱屈とした雰囲気を放つ女の子が居た。聖女ちゃんを囲む輪を遠巻きにポツンと一人眺めている。



「なるほどあの子か」


「は!?いや!ちげぇし!別に気になってなんかいねぇし!」


「ふむ。いつも一人でいるあの子がちょっと気になって、目で追ってたら、気がついたら変な気分になってきたとかそんなところだろ?」


「はぁ!?はぁ?んな別にボクはあいつのことなんて……」


「ふーん。それならあの子に俺が声掛けてきてもいいな?」


「はぁ……!?おまっ!ふざけんな!ロリコンかよ!おまえは聖女様と……!」


「複数の女の子と付き合うのは男の義務だぞ?おまえはあの子の事なんとも思ってないんだろ?なんの問題があるんだ?」


「いや……だって……その……」


「はぁ……あの子が俺にちょっかい掛けられるのは何となくヤダ、だろ?ならそれが答えだ」


「…………」


「強くなれって言うのは何も力だけの話じゃない。自分の好きなものをしっかり好きって言えるのも強さだ」



他人の目、自分の立場、相手との関係。胸張って自分の好きなことを好きと言え無いことはよくある話。


誤魔化せばそこは上手く行くかもしれない。だけどどうしたって自分の心に嘘をついた"しこり"が残る。俺はそれが嫌いだ。



「オラ!強くなるんだろ?行ってこいクソガキ!」



掴んでいた男子を離して背中を押した。男子は睨みつけてくるが、その瞳の奥には不安が見え隠れしていた。



「心配すんな!俺の見立てではあの子は押せばいける!大丈夫だって!」


「ホントかよ……」


「俺はあの聖女様の旦那ぞ?その俺を信じられないとは女神様に対する不敬なるぞ?」


「不敬の塊みてぇな奴が何言ってんだよ……わかったよ!行けばいいんだろ!行けば!」


「よし!それでこそ男の子ってもんだ!そんなお前に俺がとっておきの魔法をかけてやろう!《本音(ホントノキモチ)》」



俺は男子に自分の思ってる事が口からダダ漏れる魔法をかけた。これできっと面白いもんが見れるぞぉ!(クズ)



















「今日はお疲れ様でしたガンマ様。手伝っていただきありがとうございます」


「ロエちゃんもお疲れ様。俺は一緒に居られるだけで幸せだから、そんな畏まらなくていいよ。それに面白いもんも見れたし」



あの後、ぼっち少女に突撃した男子は《本音》の効果で思っていたことを洗いざらいぶちまけていた。


いやぁ青春してたねぇ(ニチャァ)


お互い顔真っ赤にしちゃって見てるこっちが恥ずかしかったわー。これから上手く行くかは二人次第。でもあんまり心配してない。だいたいラブコメなんて素直じゃない奴が素直になった時点で決着が着くものである。


数年後。その男子が一大ハーレムを築き上げて無双するのはまた別の話。



「いやぁやっぱり子供っていいなぁ」


「そうですね。子供っていいですよね……」


「俺も時たまに子供に戻りたいと思う時がある」



そして子供という建前で持って年上の女の子にスケベしたい。


お姉ちゃんと一緒にお風呂入りたいな!とか。

おちんちんが腫れちゃったどうしよう!とか。

ダメだよお姉ちゃんおしっこでちゃう!とか。

白いおしっこいっぱいでちゃった……お姉ちゃんこれなに?とか。

お姉ちゃんのここに入れるの?とか。

あっあっあっお姉ちゃんの中凄く気持ちよくてまた白いおしっこでちゃうよ!とか。

お姉ちゃんもっとしよ?とかやりたい。


おねショタええやないか。



「じー……」


「どうしたのロエちゃん?」



じっとこちらを見てくる聖女ちゃんは何やら考え込んでいる様子。



「ガンマ様、ガンマ様」



何か思いついたのか、聖女ちゃんはちょいちょいと手招きする。俺は聖女ちゃんの色香に誘われひょいひょいと聖女ちゃんの元へ。



「ぎゅー」



唐突に頭を抱きしめられ、その豊満なおっぱいに包まれた。ふわふわむにむにもちゅもちゅ。ふわぁ俺を包み込む幸せな幸せで幸せいっぱい。あぁ、聖女ちゃんいい匂いするんじゃぁ……。



「えへへ。よーしよし。ガンマくんは今日頑張りましたねぇ。いい子いい子してあげます!」



子供の様に聖女ちゃんに抱きしめられながら頭を撫でられる。


これあかん!1撫でされる度に思考能力が低下していく!バカになっちゃう!そんな事されたらダメになっちゃうよ!戻れなくなっちゃう!



「あひぃ、ロエお姉ちゃん……!」



バカでいい。ダメになっていい。この幸せを噛み締められるなら!


ぐりぐりと聖女ちゃんのおっぱいに顔を押し付ける。



「お姉ちゃんじゃありませんよ」


「へ?」


「ママですよ」


「ママ……だと……?」


「そうですよ。私がガンマくんのママです」



最強無敵の聖女ちゃんスマイル。その笑顔はありとあらゆる邪悪を浄化し、罪を許し、人々を天国へと誘う。老若男女問わずしてその笑顔の前では涙を流し、ただただその奇跡に感謝を捧げる。


まさに女神。全ての生命の生みの親。聖女、否、聖母たらん至高の存在。


おらの脳みそはパーになった。



「あっ……!あっ……!マっマ……ッ!ママァァ……ッッッ!!!」


「もうガンマくんは甘えん坊さんですね!はい。いい子いい子。さぁ、ガンマくんは何がしたいのかな?ママがガンマくんのしたいこと全部してあげますよ!」


「ばぶぅううううう!!!」



このあとめちゃくちゃオギャった。







聖母ちゃんにひとしきり搾り取られた。


聖母ちゃんのおっぱいに顔を埋めて余韻を楽しんでいると、聖母ちゃんはポツリと言葉を漏らした



「ところでガンマ様。私達の子供はいつ出来るんでしょうか?」



子供かぁ……。



「私……流石に不安になります。こう毎日ガンマ様に注いで貰っているのですが、未だに、その妊娠する気配が無いのです……私に何か問題があるのでしょうか……」



出会ってから数ヶ月。ほぼ毎日のように聖女ちゃんとはスケベしている。容赦なく生中出ししている。決して避妊している訳では無い。だが、聖女ちゃんは妊娠していない。



「うーん。ロエちゃん、それには深い事情が――」



魔力量と性欲の話は前にした事がある。


そして俺の精液には他人の魔力量を引き上げる事があると語ったことがある。


聖女ちゃんが妊娠しないのはこれが主たる原因だ。


俺の精液は高純度の魔力と言っても差し支えないモノになっており、本来の精液としての役割が著しく低下している。


生中出しした精液はその大半が魔力として身体に吸収され魔力量を上げる効果がある変わりに、本来の役割である種付けがほとんど行われない。


そのため、いくら生中出ししても妊娠するのは稀なのである。


数年単位でスケベし続けた故郷の嫁達もつい最近やっと1人目が妊娠したばかりだった。


魔力量を底上げしすぎた弊害とも言える。



またこれに関しては俺ばかりに起こっている問題でも無い。


この世界の強者。つまるところ魔力量が多いもの達は総じて子供が出来にくい体質にある。それでも俺みたいに数年単位で種付けしなければならない訳では無いが。


強いものほど子供が出来ずらい。そして性欲が強い。これは子孫繁栄という人の生存本能が性欲を強くしている1面もあるのだろう。


その為に王都では男性は30歳までに4人以上の子供を作ることが政策で決まっているし、複数人の嫁を持つことを推奨されている事に繋がってくるわけだ。



「――っていう理由があって、決してロエちゃんに問題があるわけじゃないよ」


「そうなんですね。妊娠しづらいのは普通のことなんですね。安心しました……もし私に問題があったらと思ったら……」


「こっちこそごめんね。ちゃんと説明してなくて。ロエちゃんがそんな不安がってると思ってなかったから……やっぱりロエちゃんは子供欲しい?」


「はい!勿論です!今日改めて子供達と触れ合っていて感じました。ガンマ様との愛の結晶!考えただけでお腹が熱くなってしまいます……っ!いっぱい欲しいです!」


「そうかいっぱいか。それなら今まで以上に頑張らないとな!」


「そうですね!ガンマ様の聖液は全部搾り取ります!空っぽになるまで!」


「ほう?俺の全部搾り取るとな?ロエちゃんに出来るかな?」


「そう余裕ぶってるいられるのも今のうちだけですよガンマ様!もう無理!ってあひっあひっ言わせて差し上げます!」


「さて、あひっあひっ言うのはどっちかな?アヘ顔ダブルピースにしてくれるわ!」




このあとめちゃくちゃあひっあひっ言わされた。



最近すっかり主導権を握られている気がする今日この頃。



「ほらほらガンマ様。最初の威勢はどこに行ったんですか?私はまだまだ満足してませんよ?あら!まだこちらは全然元気みたいです!流石ガンマ様!素敵です!まだまだ楽しめますね!」



これがあの昼間。孤児院の子供たちに笑顔を振りまいていた聖女ちゃんである。思いの外Sっ気が強い。そんなところも好き。











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