#21 これからのこと
王都の最高級宿の勇者パーティーの拠点の一室の浴室の浴槽。
姫様は浴室の床に雑に転がっている(事後)
黒騎士は疲れ果てて眠ってしまったので部屋のベットに優しく寝かせてきた(事後)
2人が抜けて今は6人でまったり湯船につかっていた。
「おまえとの勝負は私の勝ち。おまえは私のモノとなった」
勇者が淡々と話し出す。
正直、あの勝負に関しては異論を唱えたいところではあるけれど、負けは負け。余計な条件を付けた俺の自業自得なので黙っておく。
勇者のモノになってしまったガンマくん。それをいい事に酷いことするつもりでしょ!エロマンガみたいに!エロマンガみたいに!(わくわく)
「私の言う事は絶対。従わないなら指を1本ずつ切断する。指が無くなったら最後はちんちん大切断」
酷いことの方向がスプラッタッ!待って!エロマンガは大好きだけどリョナ方面はダメなんです僕!四肢切断とか内蔵飛び出たりとかマジで無理なんで勘弁してください!
「とりあえずおまえは私と一緒に居てもらう」
「一緒に居るだけ?」
「そう。一緒に居るだけでいい。あとはおまえの好きにしていい」
だけでいいそうだ。何を考えているのかわからない節のある勇者だ。もっととんでもない事を要求されたりするのかと思っていたが、ちょっと拍子抜けである。
「ふーん。それなら今ここでロエちゃんとイチャラブ始めてもいいと?」
「構わない。というかおまえもうしてる」
聖女ちゃんの入浴中の定位置は俺の膝の上である。さっきは後ろから抱き抱えていた聖女ちゃんだったが、俺がまあまあよいではないかよいではないかと黒騎士ちゃんにスケベしたのを見ていて滾ってしまったようだ。
現在は振り向いた形で俺と向かい合っている。そして両手は首周りを足は俺の腰をガッチリホールドしている。だいしゅきホールドである。
その状態で閻魔様がやわこいやわこに包まれないはずは無く……。
「んっ……湯船の中ですといつもより温かい気がしますねっ……!」
「そうだね。ロエちゃんもいつもより温かいよ」
まったりしてます。凄くまったりしてますよ。
「私はおまえが何をするかに興味がある。だからおまえは自分のやりたいことを好きにやっていい」
"俺が何をするか"か。何をするも何もナニをする事しか考えてないんだよなぁ。スケベするかスケベさせるかスケベしてもらうかぐらいしか考えてない。他の事はほとんど考えてない。
つまりアレか。勇者ちゃんもスケベに興味があるということでよろしいでしょうか?自分がするより他人がしているところを間近で見ている方が興奮するタイプですか?
よしそれならば加減はいらんな!
「ガンマ様っ……!急に、くッ……!あっ……!」
「な、なぁ……旦那様?私の相手もして欲しいのだが!」
「ラナはさっき余計なこと言ったからお預け」
「んなぁ!そんなお仕置は求めてないぞ!」
「あるじあるじ。我も我も」
「おお。ハリングは最初はともあれ最近は言うこと聞くし大人しくして良い子だからいっぱいしてやるぞ!」
「ふむ!これが日頃の行いというものだな!」
「ねえねえガンマくん。別にボクはしたいか、したくないかで言えば、別にどちらでもいいのだけれど。キミはその……ボクとしたいだろ?だったらボクとしては断る理由も特に無いから――」
「やらん」
「ごめんっ!ごめんなさいっ!嘘です!本当はボクがしたいだけだよ!な、いいだろ?ボクにもしておくれよ!」
「まったくおまえは相変わらず小生意気だな。よし!みんなまとめて相手してやる!」
「待って」
勇者の許可もあり。さあこれからみんなでスケベしようや!と言うところで勇者から制止がかかった。ピタリと動きを止めて勇者を見やる。
「それ私も興味ある」
勇者デフォルトの無表情。抑揚の無い声。さも平然と勇者は言ってのける。
「私にもして」
是非も無しッッッ!!!
「はー……はぁ……まだできる。もういちど……ッ!」
「つぎ、もういっかい」
「なれてきた、まだする」
「これはすごくいいこと、つづける」
「たりない。ぜんぜんたりない」
「おまえのきもち、今ならわかりそう、したい」
「すればするほど、飢える」
「からっぽ?きのせい」
「いける」
勇者に貪りとられた。
モンスターの大襲撃から1ヶ月がたった。
あれからというもの王都へのモンスター襲撃は起こっていない。
王都近隣でのモンスター被害の方も激減している。
お陰様で我らが勇者様のお仕事も減っているわけではあるが、それだけ平和だという事だ。これはこれで良い事である。平和な世界に勇者という戦力は必要が無いのだから。
そんなんで、ここ最近は大変自堕落な生活を送っている俺氏。寝て起きてイチャイチャラブラブエッチスケッチワンタッチとみんなでダラダラエロマンガみたいな生活である。最高か。
そんな折、何やら私用で外に出ていた姫様が難しい顔をして戻ってきた。
「どうしたんだ。そんな難しい顔をして」
「あ、ガンマさん。いえ、実はお父様から最近平和だからそろそろ城に戻ってこないかと言われてまして」
「戻ったら?」
「どの口がそういうこと言いますの!?まったく!貴方に傷物にされてワタクシ戻るに戻れませんのに!というかそもそも戻りたくありませんわ!」
勇者と共に王都の平和はワタクシが守ります!とばかりに城を飛び出した姫様。平和になってしまってその理由も無くなったわけだが、如何せん俺と関係を持ってしまったばかりに話がややこしくなっている。
仮にも姫様、第4王女である。その立場からある程度の自由が認められてはいるものの、嫁ぎ先は別だ。有力貴族の妾となる事が既に決まっていた政略結婚である。
「何処ぞの馬の骨と関係を持って純潔を散らした事がバレたら間違いなく勘当されて修道院にぶち込まれてしまいますわよ」
「そうだな。その馬の骨に調教されて、すっかり肉奴隷に成り下がっていたら、そうもなるな」
「誰がガンマさん専用のいつでもどこでもハメたおせる便利なメスですか!はぁ……はぁ……!」
いやそこまでは言ってない。こらこらハァハァしながらテーブルの上に座って俺の前で足を広るんじゃない。
スカートをまくった姫様のうち太ももには複数の「正」の文字と「ご主人様専用。ご自由にお使いください」と書いてあった。口では未だにあれこれ言うが、身体の方はすっかり素直になっていた。
「しかし、なんでまたこうも襲撃や被害が減ったんでしょうか?」
近くに居た黒騎士が会話に混じりながら疑問を口にする。
「ああ、それならあの大襲撃が原因じゃないかって考えている」
「ああ、アレですか。でも1000体のモンスターを倒したぐらいで、こうはならないと思うんですが」
「倒した、か。正確にはあのモンスター達は倒してない。行動不能にはしたが、そもそも1匹も殺してないし」
「は?アレ殺していなかったのですか!?」
「ああ、モンスター達、全部女体化させて来たところに帰した」
人の住まうところに襲撃をするモンスターは人間の女を狙って襲撃を仕掛けてくるオスのモンスターである。
それはモンスターにメスが少ないからであって、数の多い人間の女を求めてやってくるわけだ。
メスのモンスターが人里を襲撃する理由は無い。
そして、オスのモンスター達もまた近くにメスが居るならわざわざ人里を襲撃する理由もなくなる。
先の1件で俺はモンスターを殺さず、女体化させてお引き取り願った。
その結果としてモンスター界隈で大量のメスが出現。需要に若干の供給が満たされたわけだ。
これがモンスター襲撃、被害の減少に繋がったと予想している。
さらに放出した女体化モンスター達は元がオスだから妊娠しないので、モンスターが気がついた時には大繁殖なんて事にもならない。
咄嗟の思いつき感はあったが我ながら上手い事やったのでは無いだろうか。
「おまえは面白いね」
俺の話を聞いていた勇者が呟いた。
「私は殺す事しか出来ない。でもおまえは違う。それ以外の事をやってみせる」
「まぁ、たまたまだよ。たまたま。それに人は当然として、俺はあんまりモンスターも殺したくない」
必要とあらば殺すけども。殺さずに済むなら殺したくはない。殺すぐらいならスケベしたい。それが俺である。
「私の出番。もうあまり無いのかもね」
淡々と口にする勇者。
これから先の事、妊娠しないモンスターをモンスターが犯し続けるのだからモンスター達が目立って大繁殖する事はないだろう。むしろ、その数は次第に減っていくとさえ思われる。
そうなったらどうなるか。メストカゲの話を思い出す。
増えたモンスターの数が減り。人とモンスターのバランスが取れたなら『魔王』が現れる。
それは過剰戦力である『勇者』と対消滅する為に現れるという話だ。
目の前のひとりの少女。その役割は世界のバランサー。役目が終われば消え去る定め。
この1ヶ月で勇者とは何度も身体を重ねたものだ。だとしたならば、この勇者に並々ならぬ感情が芽生えないわけは無い。
俺の目的は楽しくスケベにエロマンガみたいな生活を送ることだ。
そこに悲しい結末なんていらない。物語はハッピーエンドであるべきだ。鬱展開エンドとかNTRエンドとかよりイチャラブからの「これからもよろしくね」のハッピーエンドの方が好きだ。
だったらやることなんて決まってる。
ご都合主義、とんでも展開からのむちゃくちゃスケベこそがエロマンガであるべきなのだ。その為ならば俺は努力を惜しまないし、なんだってやってやる。
俺は決意を新たにこれからも理想のエロマンガみたいな生活を追い求め続ける。
奇形の樹木が乱立し、奇妙が植物が生い茂る森の中。鬱蒼と生い茂るそこは昼間であっても陽の光はほとんど届かない。そんな薄暗い場所に、それ似つかない金色の女性それとそれを取り囲むようにして複数の人影があった。
暗闇の中にあっても輝いているように見える色鮮やかな金色の髪を携えた女性――否、異形。
人をベースにしては居るがその肌の至る所は金色の鱗、背中からは大きな金色の翼に尻尾が生えていて、爬虫類を思わせる両手には鋭利な爪が伸びていた。
まるでそれは人と魔物が入り交じった。半人半魔のそれである。
その金色の半人半魔に付き従う複数の人型もまた異形。
誰もが人をベースにしているが、到底、人とは思えない部位を持っていた。
「ふふふ……愛しい愛しい我が君……もう少し、もう少しで準備が整います……」
金色の半人半魔は口許を歪め、笑う。
「ああ、早く……早くっ……!この身も何もかも貴方に捧げたいっ……!待っていてください我が君……必ずやこの世界を貴方のモノに……」
狂気を携えた表情で彼女は、笑う。
「私達の魔王様」
王都編~完~
◇◇◇
[あとがき]
これにて王都編終了!ここまで読んでくれた変態紳士のみんな!ありがとなッ!
不慣れな上に見切り発車でやりたい放題やってますが、これからもヤりたい放題やりますので今後ともよろしくお願いします!
それではこの辺で!
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