第4話 剣士
俺は師匠と剣術で模擬戦をしつつ師匠に聞く
「師匠、俺のパーティーに入ってくれない?」
「やだね!魔物と戦うなんて御免だよ!」
えー、そんなに面倒くさいことでも無いだろうに
…もっと強く説得してみるか?
でもそれで剣術の訓練を打ち切られたら…いや!
当たって砕けろだ!俺は行く、説得してみせるぞ!
「師匠、そこを何とか!前衛居なくてキツいんですよ!助けて下さい!」
「う、うぅぅぅ…!無理!ヤダ!」
えぇ…師匠幼児退行しちゃった…
いや模擬戦の途中なのに蹲るとかそんなに嫌なの?
「あー、じゃあ何でそんなに嫌がるのかだけでも教えてくれませんか師匠」
「…怖いから」
怖いから?
師匠はかなり怖いもの知らずな人だと思ってたけど
「怖いって何がですか?」
「剣を抜く事が、剣を振る事が怖いの!」
男が"の!"とか流石にちょっと…
いや、そんな事じゃないんだよ、剣を抜く事が、剣を振る事が怖い?
「何で、怖いんですか?」
「それは…剣を振ったら、また怒られるから…」
怒られる?
いや、師匠の家は代々剣の名門で剣を振ったらむしろ褒められるものじゃないのか?
「それは…どういう」
「ハッ!?おまっ…恥ずかしいこと言わせんじゃねーよ!とにかく!俺はお前のパーティーには入らないからな!」
…とにかく、何が師匠のトラウマになっているのか
それを調べるところからだな
ーーー
調べて見たところ師匠はセリド家―師匠の実家―で最弱の剣士とされているらしい
…えぇ?嘘だろ?
師匠が歴代最弱ぅ?
いや、明らかにそこいらの剣士より…いや、この学園で剣士としてなら一番強いんだが…
師匠の家はそんなに強い剣士ばかりだったのか?
いや、それにしてもおかしい、見切りをつけるのが流石に早すぎる
この噂がたったのは大体師匠が3歳の時だ、普通3歳の時点で才能の判別なんてするか?
いくらなんでも不自然な点が多すぎる
一体どういうことなんだ…?
いや、それより原因が分かったんだ、師匠の抱えるトラウマの治療が先決だ!
ーーー
俺の考えた必勝トラウマ克服法、それは…
この学園の剣士と片っ端から決闘することだ
師匠が剣を振れないのは親へのトラウマからだ
つまり自分に自信をつければ親への恐怖も跳ね返せる…はず!!
「という訳で師匠、彼らを完膚なきまでにボコボコにしてやって下さい!」
「えぇ…?やめようぜ?アイツら可愛そうだしそもそも俺にアイツらをボコボコにするなんて…」
あー、やっぱりそうなるよなぁ…
でも連れてきた奴らの心配をするのは意外だったな
師匠はもっとドライだと思ってたんだが…
「…じゃあ彼らと戦えるだけ戦って下さい、俺は師匠に自分の実力を知って欲しいだけなんです」
これは本音だ、確かにうちのパーティーに入って欲しいという下心もある…が!飽くまでメインは師匠のトラウマの克服だ
だって俺にとっては大恩人だぜ?
少しでも恩返しをしたいと思うのは不自然か?
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