第5話 百人抜き
滑らかに、踊るように剣を振るのは俺の剣の師匠であるセイルさんだ
そして今、また一人の剣士を倒した
この剣士で50人目である
そして次の剣士が師匠に突っ込んで行く
そしてまた数合打ち合い吹き飛ばされる
さて…この打ち合いの目的は単純明快
百人抜きだ
まぁ百人抜きすれば流石に自信が付くだろ!っていう適当な感じで目標は決めた
ってかもう全員伸びてるし
…99人も集めたのに直ぐに終わったわ、十分も掛かってねぇぞこれ、マジでだらしねぇ奴ばっかだな
さーて、最後の一人として倒されに行きますか!
四源流:疾風剣【韋駄天】
あー、やっぱり防がれるかぁ…
俺の出せる中では結構早いのに、凹むなぁ
四源流:流水剣【川流れ】
1.2.3.4.5…6撃目!?
いや、四源流には6連撃の技なんて…
…ああ、なるほど、師匠の才能はこれ程の物なのか
師匠が教えてくれたのは四源流、だが師匠自身は四源流は使ってなかったんだ
恐らく師匠は四源流をアレンジした独自の流派で戦っている、よくこの才能を最弱と言えたものだ
だが俺もただで負ける気はない
"俺の"四源流で戦おう
亜流四源流:閃光剣【閃煌】!
おっとぉ…?
マジか、俺の最速も止めるのか、だが…
この技の真髄は連撃!これを受けきれるかな!?
ガッハァ!!
受けきられた上にカウンター貰った!
あれは連撃じゃ攻略できねぇわ!
亜流四源流:暗黒剣【無彩】!
一撃に全てを掛けた超攻撃!これは受けき…
いや、受け流して…またカウンターだよ!
クッソ、勝てる未来が見えねぇ!
じゃあ最強の攻撃で無理だったら無理!
亜流四源流:混沌剣【渾沌】
無彩クラスの攻撃を閃煌の要領で叩き込む俺の最強剣技、連撃だけなら閃煌に劣り威力だけなら無彩に劣る、でも最終ダメージなら最強
うん、これで防御を〜?
無理!やっぱりカウンター喰らうよねぇ!
痛ぇ!今までで反撃が一番苛烈!
クッソ、やっぱり無理か…
「降参!降参です!師匠、百人抜きですよ!」
「んえ?…え?本当に?これで一人目じゃなく?」
えぇ…あんたは一体何と戦ってたんだ…
ってか記憶も曖昧みたいだし極度のトランス状態だったっぽいな
「…師匠、一つだけ言わせて下さい」
「なんだ?」
「師匠は強いです、だから自分に、自分のすることに、自信を持って下さい」
「…そっか、じゃあ、俺からも言わせてくれ」
「え?いいですけど何を…」
「俺をお前のパーティーに入れてくれ」
マジで?えっマジで?
…師匠が居れば無敵だぜ!
なんせ師匠の剣は防御の剣
前衛に超向いてる最強の剣だからな!
「あっ、それともう一つ、俺の実家に来てくれ」
「いいです…よ?」
ん?師匠なんて???
実家に来てくれ?
「お、言質はとったぞ、じゃ、今週末な〜」
「ま、マジかよ…」
実家に挨拶か…
いや、だかこれは師匠の親に文句を言うチャンス!そう考えるとむしろ楽しみになってきたな…!
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