第16話 ドキドキしてます
結局昨日は一睡もできなかった・・・
だって仕方ないじゃん!好きな子と自分んちで勉強会だぞ!落ち着いて過ごせる方が意味わかんねえわ!
ピンポーン
やべえ来ちまった、この時が・・・緊張するぅ!
ガチャ
「お、おはよう祈、昨日はよく寝れたか?」
「ええ、それはもうぐっすりと。あなたこそ顔色が悪いんじゃない?」
「バカを言うな、快眠そのものだったわ」
「そう、ならいいのよ。勉強中にまさか寝るなんて真似されたら困るから」
「流石にしねえよ肝据わりすぎだろ。立ち話もなんだし上がってくれ」
「そうね・・・お、お邪魔します」
「祈、飯って食ったか?」
「朝食なら食べてきたけど・・・」
「そうか、まだなら何か作ろうと思ったんだが」
ガンッ!
「ど、どうした!?急に壁に頭を打ち付けて何かあったのか!?」
「自分を殺そうとしただけよ」
「人んちで勝手に自殺未遂しないで!?」
「冗談よ、少しなら食べられるから先に食事にしましょう」
「いや、俺も食ってるからいらないんだが。祈のために作ろうかって言っただけだし」
ドゴォン!
「ちょっと祈さん!?どうされたんですか!?今度は床に頭をぶつけたりして!?」
「この家を私の墓場にしようと思って」
「ふざけんな!こっちが大変な思いするわ!」
「冗談よ」
「さっきから怖えよ、いつもの祈帰ってきてくれ」
「私は私よ」
「今のお前は明らかに異常だ!って言ってても何にもならねえな。勉強する場所はリビングか俺の部屋どっちがいい?親は仕事で道場行ってるし19時まではいけるぞ」
「金剛くんの部屋で。個室の方が集中できるの」
「おっけー。色々あるけど気にしないでな」
ーーーーーーーーーーー
「すごいわね、まるで小規模のジムみたい」
「トレーニング用に色々揃えてるからな、珍しい器具とかもあるんじゃないか?まあ今は関係ないよな、始めようぜ」
「そうね、どっちが先に教える?」
「先にお願いしたのは俺だから教えてもらおうかな」
「いいわよ、全体通して復習してから理解できてないところを抑える感じで大丈夫かしら?」
「ああ、それでいいよ。では、よろしくお願いします」
「はい、じゃあまず・・・・・」
ーーーーーーーーーーー
もうこんな時間か
初めてから四時間が経って祈の数学特別授業は終わりを迎えようとしていた。自分で天才と言うだけあってとてもわかりやすかった。このままいけば100点も狙えるかもしれない。
「いい時間だし昼飯にするか。何か食べたいものあるか?」
「なんでもいいって答えちゃうわよ」
「聞かなかったことにしよう。カニレタスチャーハンとかでいいか?青椒肉絲も食べたいな」
「け、結構料理はするの?」
「中華が昔から好きでよく作ってたらいつの間にかだいぶ上手くなってた。他の料理はからっきしだけどな」
「十分すごいわよ、私は中華料理・・・作れるわね」
「作れるんかい」
「まあ今日はご馳走に預るわ、期待していいのよね?」
「味は保証する。任せてくれ」
ーーーーーーーーーーー
「お待たせ、できたぞ」
「美味しそう」
「味見したけどいい完成度だった。どうぞ召し上がれ」
「じゃあ、いただきます。・・・・・お、美味しい!」
「ははっ!よかったー!誰かにご馳走することなんて初めてだったからなんかめっちゃ緊張したわー」
「そうなの?」
「ああ、自分で作るときはいつも一人だったからな。祈が俺の手料理を食べてくれた初めての人だ。なんかいいなこうやって人に食べてもらえるの!」
「そうね、私もそう思う」
「さて、食べ終わったら再開しようか。今度は俺の番だな」
「ええ、お願いするわ。先生」
「だからそれなんか嫌だからやめてくれ・・・」
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