第3話 災難だな
翌日、昨日のことがあったからといって関係は変わるわけもなくあっという間に一日は過ぎて終礼も終わってしまった。祈に話しかけたかったがヘタレな俺は近づくこともできず、諦めて帰ることにした。
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帰り道の途中
「ん?あれ祈か?」
視界の先に祈が見えるがなにやら様子がおかしい。近づいてみるか・・・・
「い、いやよそんなの」
「うるせえなぁてめえは好きにされてりゃいいんだよ!、ほらこっちだっ!」
「放しなさいよ!それ以上やるなら警察呼ぶわよ!」
「おーそりゃまずいな、じゃあそれは没収だ」
「あっ返して!」
「馬鹿か、人が来ても面倒だ。早く来い!」
「きゃあ!」
「なにしとんじゃあああああああ!!!!!」
「ぶベェぇ!?」
「な、なに!?だれ・・・って金剛くん!?」
あぶねぇ!あとちょっと遅かったら大変なことになってた!人生で初めて人にドロップキックしたわ、謎の男は今ので伸びたみたいだ。
あっそうだ祈は!?
振り返ると若干身をひいている祈と目があった。
「よ、よお祈、えっと・・・大丈夫か?」
「・・・そう見えるならあなたは最低ね」
「見えねえから聞いてるんだけど!?」
「冗談よ。はぁ・・・大丈夫、こういうことよくあるから慣れてるのよ。いつもはスマホまで取られる前に通報するのだけど・・・迂闊だったわ、もっと強く握っておけばよかったわね」
な、慣れてる?
「慣れてるってお前・・・」
「昨日もそうだけどああいう身の危険ってなぜか昔からよく起こるのよ。だから・・・まあ怖くはないけど、疲れるから・・・・・うん、ありがとう金剛くん。助けてくれて」
おお、昨日とは違って素直にお礼言われた。なんか嬉しい。
「どういたしまして。そりゃあの場面で助けないやつがいたらそいつは共犯者だ。それよりこんなことがよく起こるほうが問題なんだが」
「本当よ。小学生の頃になって急に攫われたり知らない人に連れて行かれそうになったり今みたいなことも、今日ほどのことは初めてだけれど」
「マジかよ・・・それなら一緒に帰る人とかいないのか?友達とか親とか」
「この年で親同伴とか私がいやよ、友達はいるけど別の中学だし」
「そっか祈いつも一人だもんn」
「は?」
「しょうがない!そりゃ災難だな!」
こええ・・・!
「そうなのよね、私もこの現象そろそろ疲れてきたわ。・・・・あなた帰る途中よね?家はどこ?」
「え?そこ曲がった先だけど」
「奇遇ね、私はそこの手前の家よ」
「おお意外とご近所さん・・・それが何か?」
「決めたわ、あなたは今日から私の付き人よ。明日からボディーガードとして登下校一緒にしてね」
「・・・・・え?あ、はい」
そんなご褒美いいんですか!?
結局その後警察に男を引き渡してなにも言わずに別れてしまった。
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