第4話 初めてまともに会話したかも

昨日はよく寝れなかったな・・・

だって祈からの毎日登下校一緒宣言だぞ!?ど緊張するに決まってるだろ!

朝一から足震える〜


ピンポーン


「ん?こんな早くになんだ?」


ガチャ


「おはよう金剛くん」


ガチャン


なんだ夢か、焦らせんなよ


ピンポーン


「ん?こんな早くになんだ?」


ガチャ


「おはよう金剛くん、昨日言った通り一緒に行くわよ」


ガチャン

ドンドンドンドンッ!

ガチャッ!


「やめろ!近所迷惑だわ!」


「2回も無視して締め出されたら少しは頭にくるわ」


「それはすまん夢かと思って」


「馬鹿ね、いつまでも寝ぼけてないで行くわよおねむさん」


「誰がおねむさんだ。お目目ぱっちりだわ」


「誰もそんなの聞いてないわよ」


「へいへい、準備するからちょっと待っててくれ」


「なるべく早くお願いするわ」


家を出てからちょっとした言い合いになりながらもなんだかんだ楽しみながら一緒に歩く。こういうやりとりしながら登校するの夢だったんだよなあ


「いい?あなたはボディーガードよ、常に私の周囲に気をむけて私を守りなさい」


「それ、俺が非力だったら一瞬で破綻する話だよな。よっぽど強いやつ来なけりゃ大丈夫だと思うけど」


「私だってなにも知らない状態であなたを誘ったわけじゃないわ。あなた、中学二年生で空手全国大会優勝してたわよね。金剛当真こんごうとうま、親がメダリストの天才少年だって騒がれてた」


「え、意外だな。そういうの興味ないかと思ってた」


「・・・たまたま噂で耳にしただけよ。今役に立たなければ無駄知恵になるところだったわね」


「もうちょっと褒めてくれたりしてもいいと思うんだけど、まあその通りだ。親の影響で小さい頃からやってたし筋力も恵まれたからとんでもないマッスルおじさんとか来ない限りは大人相手でもなんとかなると思うぞ。襲う奴が出てこないことに越したことはないが。そういえばどのくらいの頻度で襲われてるんだ?」


「ほぼ毎日ね、相手が女性の時もあったわ。痴漢、暴漢、誘拐、強姦魔、露出魔、へ、変態とか・・・色々よ」


ちょっと恥ずかしがってるのかわいいとか思ってないと言ったら嘘になるけどなかなかきつい経験をしてる彼女に失礼なので考えないようにした。


「ヤバすぎないか?なんで警察とかに相談しないんだ?てかそんなに被害に遭ってよく平気でいられるな」


「実害があったのは最初の誘拐だけだし、なぜか他の件は無事なのよね。運がいいのか悪いのかわからないけど。だからあなたが助けてくれた昨日のは初めて被害に遭いかけたって言えるかも。警察・・・・・あんなの証拠がないと役に立たない間抜けの組織よ」


「明らかに運はどん底だろ」


警察に関して昔何かあったようだが詮索するのも違うと思い触れるのはやめておいた。


「まあ平均して悪くはない運ね」


「どう振り返ったらそんなプラス思考できる?すごいよ逆に」


「それほどでも」


「皮肉だよ気付いてんだろ」


やべえ、祈と普通に会話してる。しかも結構続いてる。俺すごいぞ!

そんなところに水を刺すやつが現れた。


「おーおー朝からお熱いねえ、俺らも混ぜてよ」

「お嬢ちゃんかわいいね、そんなやつほって俺らと遊ばねえ?」

「そうそう、いいこと教えちゃうゾ☆」


「こういうことよ」


「なるほど、やっぱりお前の運はマントルにあるぞ。後ろ隠れてマントルまで埋まってるの上げてこい」


「あら、じゃあお言葉に甘えて」

「いや冗談ですけど!?」


「あ?やんのか坊主?悪いけどお前に用事はないから消えてくれるとやりやすいんだけど」


「悪いな害虫は潰したい主義なんだ」


「「「死ねガキ」」」


バキッ!


「へっ!大人をなめんなよ・・・っあ?」


「これで正当防衛になるな」


ドコッ

バゴッ

スパァーン


「終わったぞ」


「本当に強いわね、ありがとう」


「どういたしまして、怪我は?」


「ボディーガードが優秀だからなにもないわ」


「光栄だ」


ーーーーーーーーーーーー


害虫三人組をのして学校に着くとなにもなかったかのように祈はそそくさと別れて自分の席に行ってしまった。流石に何かないと話しかけにくいな・・・

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