【4】大きなモフ……からの


 私が眠っていた部屋の向かい側。扉がなくて、丸見えの室内。

 そこに、大きな白いモフが眠っていた。

 おそるおそる近づく。


「わあ……すごい……」


 私は思わず、うっとりした声を出してしまった。


 白銀の狼、と言えばいいだろうか。

 天井から差し込む光で、銀色の体毛がキラキラと輝いている。それでいて、毛がとんがっているとかそんなことはなく、まるで羽毛のようにふわふわの見た目。

 顔は……まんま狼? どことなく気品があって、お美しい。


 これ絶対、擬人化したら超絶イケメンになるタイプだ。

 妄想はかどる! ――じゃなくて。


 私は銀狼さんの隣に座った。もちろん恐怖はあったけど、銀狼さんの美しさを見て、そんな気持ちは吹き飛んだ。

 ゆっくりと手を伸ばす。

 背中に触れる。


 ふおおお……沈む! 柔らかい!


 さすさす。さすさす。

 何ですか。手触りも最高なんですが。

 しかも、ちょっとだけ気持ちよさそうに「くるる……」と鳴いたのでもうたまりません。


「し、失礼しまーす……」


 何故か敬語で、私は銀狼さんの身体に頭を乗せて寄りかかった。

 おおおお……! これは、無限に眠れる。何だかちょっと良い匂いもするし。

 さっそくうとうとしてきた私。


 そこへ、ぱあっと白い光が湧いてきた。

 何だか頬に感じる感触が変わって――


「お目覚めになられたのですね。我が主様」


 気がつけば、銀髪超イケメンに膝枕されていた。


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