第2話

バタンッ!!

「うぅ…」

「先生。帰って来ていきなり俺のベッドに倒れこまないでください」

「だってぇ疲れたんだもん」

「まあそれはお疲れ様です」

「うん。ありがとう」


同棲生活を始めて早一週間。

2人は香威真琴の家で同棲をしている。

香威真琴の家は、ワンルームのマンションで2人で暮らすには狭いがそれ以外の所では特に苦労はしていない。


「というか家では先生って呼ぶなぁ」

「そうですね。こんなだらしない人が先生なわけないですよね」

「何だー?喧嘩なら買うぞー」

「はいはい。というかご飯温めますので、着替えるなりなんなりしててください。そのままだと服にしわがつきますよ」

「真琴」

「何でしょうか」

「あなたって…」

「はい」

「かなり気を遣えるのね」

「まあ有栖よりかは」

「むっ!!。良いもん!真琴の内申点下げてやる!!」

「土下座しますのでそれだけはご勘弁を!!」


禁断の恋人関係になって一週間だが、かなり仲の良い2人だと言えよう。

同棲も初めて、家事は基本的には香威真琴が行っており、食費などの生活費は麦野有栖が出している。


「それで今日のご飯はー?」

「今日はシチューです」

「おお~」

「というか着替えてくださいと言ったのは俺ですけど…」

「うん」

「下着姿でうろつかないで!!」

「ふぇ?」


そう。

同棲を始めて一週間。

麦野有栖の恥じらいがだんだん無くなって来ている。


「ふふっ。どう?ご感想はの方は?」

「まあ綺麗ですけども…」

「えっち」

「えぇ…」


ワンルームの為、その辺りは仕方のないことなので、慣れるしかないのかもしれない。


「はい。座ってください。準備できましたよ」

「はーい」


2人は席に着く。

基本的に夕食は、2人が揃って食べる事にしている。

無論、例外もあるが麦野有栖が帰って来てから食べている。


「じゃあいただきます」

「どうぞ」


「んー。美味しい」

「それは良かったです」

「真琴は、凄いね」

「そうですか?」

「うん」

「それはありがとうございます」

「どういたしまして」




「ねぇ真琴」

「はい」

「お酒飲んでいい?」

「まあ金曜ですし良いんじゃないんですか?」

「よしっ!」


麦野有栖は、香威真琴に許可を貰い、冷蔵庫に保管してあるワインを取りに行く。


「じゃあ今日は飲んじゃうぞ~」

「はいはい」


こうして2人は、夕食を済ませる。


「へへへ」

「はぁ…」


皿を洗い、ある程度の片づけは終えた。

そうある程度のだ…。


「真琴~」

「はいはい」

「しゅき~」

「俺もですよ」

「へへへ」


テーブルの上には、ワインの瓶が三本置いてある。

全て空の状態でだ。


「ねぇ~聞いてよ~」

「何ですか」

「今日ね私のクラスの子がね、教室でイチャイチャしてたの」

「うん」

「キスしてたんだよ!教室で!!」

「はぁ…」

「私がたまたま見ちゃっただけで他には誰にも居なかったんだけどね」

「なるほど」

「という事で真琴にはキスを命じます」

「どういう事で何でしょうか」

「んー」


酔っぱらっているとはいえ、思う所があるのだろう。

麦野有栖は、目を閉じて構えている。


「はぁ…」


ちゅっ


「んぅ…」

「ぷはぁ…」

「へへへ♡」

「酒臭い…」

「むにゃぁ…」

「寝るならベッドで寝てください」

「すぅ…」

「マジで寝たのか」


眠りについた麦野有栖をベッドへと運ぶ。


「全く美人だというのに、どこか抜けているよな」

「すやぁ…」

「風呂にでも入って寝るか」


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