【 ごめんね 】


 私がミントを傷付けた。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 あの時、猫のバッグチャームをミントは道路へ拾いに行ったんだ。

 だから、だから、交通事故に……。


 私はスマホに書いてあった病院へ行ったが、新型コロナウイルスの影響で、面会を断られた。


 ゴメン……。ゴメン、ミント。全部、全部、私が悪いんだ。

 私があんなことをしなければ、ミントはこんな事故に遭わなかったのに……。

 私はその場にひざまずき、泣き崩れた。


 その後、私はミントの両親から事情を電話で聞いた。

 やはりミントは、あの日、歩道橋の下の道路で、乗用車にはねられたとのことだった。

 命は助かったものの、やはり重症だという。

 私は、ミントの両親に泣きながら謝ったが、私のせいじゃないと言ってくれる。


 でも、間違いなく私のせい。全て私の責任だ。

 私がミントを傷つけてしまった。



 ――それから時は経ち、私たち3年生も桜の咲く頃、高校を卒業をした。

 でも、卒業式の場に、ミントの姿はなかった。


 私は結局、西京大学の受験は、不合格。

 覚悟はしていたけど、ショックは意外に大きい。


 でも、それ以上に、ミントは試験すら受けることができなかった。

 それは、私のせい……。


 私は、4月から浪人生活へ入る。



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