第7話 「彼女」との出会い
遡ること数年前、私は戦隊ヒーローの撮影における悪役を演じていた時、一人の女性と知り合うことになる。その女性とはあるシリーズのピンクレンジャーを演じていた。実際、戦隊ヒーローは悪役あっての「ヒーロー」である。そのため、ヒーローと悪役の間で「紳士協定」を結んでいる。それが発揮されるのは戦闘シーンだ。監督が演者に対して演技の指示を出す。
それに対して、我々は演技をするのだが、当然撮り直しに備えて、100%の力では演技はしない。あくまで見た目上100%の力、実際は10%未満の力の入れ具合で調整する。基準は痛気持ちいマッサージ以下であるかだ。
そこで、ヒーローと悪役で会議が行われる。その時、偶然席の近かったピンクレンジャーと知り合うことになるのだ。みなさんは「単純接触効果」をご存じだろうか?簡単に説明すると「会えば会うほど相手に対して好感を抱く」効果である。戦闘シーンはヒーローと悪役それぞれでペアを組んでシーンを撮影する。
その結果、「会えば会うほど好感を抱く効果」を双方が実感してしまったのだ。彼女はやっとの思いで受かった戦隊ヒーロー役。様々な女優がメジャー舞台へと駆け上がるために必要な踏み台。そこで、私は業界の先輩として色々な相談に乗った。その後、男女の仲になった経緯はまたの機会にしておく。そんなことより探すべきは俺の息子だ。
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