#9
ファリアの自宅…
夜。今日も晩ごはんを食べたら早速ゲームである。勉強はどうしたというとさっさと済ませているからゲームをしている
今回はテニスゲームをしていた。このゲーム、オンライン対戦もできるなかなかよくできたゲームらしい
もちろん対戦好きなファリアはオンライン対戦をして遊んでいた。格ゲーだけではない。楽しんでプレイをしていた
格ゲーになると本気になるファリアだったがこういうスポーツゲームは楽しくやる体質らしい
しかしひとつ気にかけるものがあった。恋人セレネの通知であった。合間を縫ってチラチラとスマホを見ていた
試合が終わった。ファリアの勝利であった。特別苦戦もせずに勝利した。ファリア自身の元からの勝負強さか
そのタイミングでセレネからの通知が来た。すぐに手にスマホを持ち返事をする。どうやらバイトが終わったみたいだ
セレネは本屋でバイトをしている。そんな彼女にピッタリなバイトだからこそファリアは好きになったかもしれない
ファリアは喜んでセレネに連絡を入れる。やっぱり彼女の会話は楽しい。そう思えるファリアだった
しばらく会話を進めると彼女から着信が来た。もちろんファリアは着信ボタンを押す
ファリア「セレネ、どうしたの?」
セレネ「今歩きながらスマホしてますが、やっぱり声が聞きたいなって」
ファリア「嬉しいわ。セレネの声、まるで天使のような声だからアタシも聞きたかったわよ」
セレネ「ありがとうございます。でも私ただのハーフエルフですよ?」
ファリア「そんなことないわ。アタシはちょっとだみ声みたいな声してるからあまり天使には思ってないからね…」
セレネ「えー。天使様は天使様ですからどんな声でもいいじゃないですか」
ファリア「そ、そう?そう言われるとちょっと自信持ってきたわ」
恋人同士の会話なんて意外とあっさりな会話が多い。そう思わせる会話であった
セレネ「そうそうファリアさん。明日は朝早く出ないと行けない講義があるので先に行ってますね」
ファリア「そうなんだ。わかったわ」
セレネ「本当ならファリアさんの顔見て行くのが一番最高な気分になれるんですけどね」
ファリア「前にアタシとセレネのツーショットの写真あるじゃない?それを見ればいいわよ」
セレネ「そうでしたね。それを見て張り切って講義へ行きます。うふふ」
そんな会話を続ける
セレネ「じゃあ、そろそろ家に近いしすぐに寝るので」
え!?もう終わり!?ファリアは言う
ファリア「そ、そうなの!?」
セレネ「明日早いので…失礼します。おやすみなさい」
そう言うと電話が切れた。ファリアはこっちからおやすみなさいも言えずにいた
ファリア「ちょっとまって…今の時刻は…」
部屋にある時計を確認したら21時15分だった。前は30分だったのに今日は15分。早すぎないか…?
ファリア「…早寝早起き。セレネはとことん健康体ね…」
そんな自分は不健康な体しててセレネを見習わないといけないな。と思ったファリアだった
朝の大学
昨日の夜話したとおりセレネはすでに大学にいる。ファリアは朝よりちょっと遅い時間なので登校していた
相変わらず昨日もずっとゲームをしてたため登校してるときに何度もあくびが出たか。女の子なのにあくびばっかりである
門に着く。すると見慣れた後ろ姿がいた。金髪ショート。間違いないバードンである。ファリアは声をかける
ファリア「バードン!」
その人は声を聞いてファリアのほうへ向く。顔が見えた。やはりバードンである
バードン「おはようハーフ天使さん!」
ファリア「だからファリアって言いなさいよ。何よそのハーフ天使さんって」
バードン「んー?気分?」
ファリア「もしかして気分によって名前言ってるとかいう話!?」
バードン「だいたい合ってまーす。きゃはー」
ファリア「…」
そのきゃはーとはなんだ。するとバードンは次の行動に移った
バードン「…ぴぴぴぴ…ぴぴぴぴ…レーダー受信…近くに友達のすがた、アリ…」
は??急に何を言い出すんだこのアンデッド。そう思ったらバードンのすぐ隣にこれまた友人である人がいた
ハーフデビル、ジェストであった。彼女は横にいて確認するとバードンの頭を叩いた
バードン「いたーい!」
ジェスト「アンタここでもふざけて悪魔協会でもふざけてなんなのよ!」
ファリア「あ、ジェストおはよう」
ジェスト「ファリアおはよう」
そう言うとファリアはすぐに質問する
ファリア「ねえ、さっき言った悪魔協会でもふざけてって?」
ファリアが言うとジェストはすぐに答える
ジェスト「あのね。悪魔協会でバードンはスマホで写真撮影してしかもSNSに投稿しようとしてたのよ!高位悪魔にめちゃ怒られてるのよバードン!」
あ~…ほんとこの人自由すぎて草生えない
バードン「だってさ。悪魔協会の雰囲気好きだし映えするじゃん」
ジェスト「おだまり!!次はほんとにやめてね!!一緒にいてめちゃくちゃ恥ずかしかったわよ!!」
そう言うとジェストはさっさと行ってしまう
バードン「あ、待ってよージェストー」
バードンも行ってしまった。ファリアも慌ててジェストの後を追う
昼
食堂には色々な学生が集まっていた。ファリア、セレネ、バードン、美治、ジェストがいた
今日も今日でにぎやかなこの食堂。思い思いの食べ物を食べつつ話していた
美治「今日もどうせやるだろ」
バードン「へっ!あったぼうよ!」
美治「急に意味わからんこと言うのやめろ」
セレネ「でもこの集まりも楽しみでいつも嬉しいです」
セレネは嬉しそうな表情を見せる
ジェスト「セレネちゃん…バードンの言うことはあまり信用してはならないわ…」
さっきのことがあってかジェストがバードンに対して不信感を持ちつつある
バードン「えー。ジェストのこと、私大好きなのに」
大好き!?そう言われるとジェストはちょっと頬が赤く染まる
ジェスト「きゅ、急に大好きとか言わないで!調子狂うから!」
ファリア「バージェス…ね…」
ジェスト「ファリアもファリアでCPのような短縮化しないでよ!だいたいなんで私が受けなのよ!」
なんだかんだ言って食事を始める
美治「でもよ。ミシェル教授も来るだろ?結局7人+1人で結構多くなったな」
バートン「後で聞いた話だと教授、来るときと来ないときがあるみたいで今日は…来ないのかな?」
ジェスト「ふーん?まあ来ても別に何かがあるってわけではないしね」
セレネ「でもいつもアルマさんとカナ子さんが色々持ってきてくれるのは嬉しいです」
美治「いつも持ってきれくれて後輩の私たちはちょっと申し訳無い感じするけどな」
そう言うとファリアは食堂の出入り口を見た。あれ?どこかで見たような人がいる。あれは…
ファリア「あれ?アルマ先輩じゃない?」
ファリアが言うと他の4人がそちらへと顔を向ける。銀色のロングヘアをしてどこか高貴な姿をしている。間違いなかった
バートン「ほんとだ!おーい先輩ー!」
バートンが言うとアルマはその声を聞いて近寄る。間違いなくアルマであった
アルマ「やあみんな!やっぱりここにいたんだね!」
そう言うとアルマは隣に座った
美治「先輩。いつも教室で食べるんじゃなかったのですか?」
アルマ「いやね。次の講義が休みになったんだ。それで後輩たちがいるかなーって思ったここまで来たんだよ」
バートン「そうなんですか~」
アルマ「ここでみんなと食べるね」
そう言うとアルマはかばんから食事を取り出した。おなじみの弁当箱とスープ入れの容器を用意した
セレネ「スープを入れる容器があるんですね」
アルマ「そうだよ。うちの母はスープ料理好きでね。こうやって用意してくれるんだ」
アルマは容器を開けてスープの香りがした。見た目からはわからないがオニオンスープみたいなものだろうか?
バートン「この香り…オニオンスープですか?」
アルマ「そうだよ。ちょっと飲んでみる?」
バートン「いいですか?では…」
バートンはそのスープを飲んだ。玉ねぎの香りがしたとても濃厚な味がするスープ。美味しい!バートンはそう思った
アルマ「美味しいだろ?」
バートン「はい!美味しいです!こんな美味しいスープ作ってくれるイビルアイさん料理が冗談抜きで上手いですね!」
アルマ「ははは。ありがとう」
アルマは弁当箱を開けて食べ始める
ファリア「料理も得意な悪魔協会副代表ね…すっごいオーパーツ感出てるわ」
美治「そっちの協会の代表と副代表はどうなんだ?」
そう言われるとファリアは首をかしげる
ファリア「あまり聞かないわね…サリエル様とサルエル様は…どっちが料理上手いのかもわからないわ…」
アルマ「あはは!別に女性だからって料理が必ず上手くなくてはいけないなんてことないよ!あくまでもうちの母はそうだってだけさ!」
バートン「まあ料理作らなかったらだめなことはないんだよ」
美治「お前が言うと本当にそうなりそうだから言うな」
バートン「はは!」
美治「なんだその裏声の笑いは」
そんなこと言いながら食事の時間は過ぎていった
講義が終わった後
7人は今日もサークル活動をする。5人は集まった後アルマとカナ子はすぐに合流した
部屋に入り、すぐに所定の場所に座った。カナ子は相変わらず用意された椅子だが特別何も言わずに座った
バートン「さーて。今日は何話す?」
アルマ「その前に僕たちが用意したお菓子を食べてくれよ」
そう言うとアルマはお菓子をテーブルにおいた。カナ子もジュースを持ってきてくれた
カナ子「今日は誰もが好きなぶどうジュースよ!」
アルマ「僕はちょっとした和菓子!美味しいもんさ!」
7人は紙コップにジュースを注ぎ和菓子をつまんだ。うん。美味しい
ファリア「先輩。これもジパングのやつですか?」
アルマ「正解。ジパングって意外と美味しいもの多いからね」
カナ子「私もジパングの食べ物大好きだにゃ!」
美治「そりゃ美味しいもんだ…」
そう言うと仕切り直しかバートンが言う
バートン「でもここは花瓶がほしいかもしれないね」
アルマ「花かあ…花ねえ…」
セレネ「そういえば花と樹木に囲まれた国って言うのがあるらしいですよ」
カナ子「なんていう名前だっけその国」
セレネ「アーカルド国です。土地柄からするとジパングが近いようですが、とても美しい国だと聞きます」
バートン「そんな国あるんだ!」
アルマ「僕も母から聞いたことあるなあ…でかい樹木が多くて花が春夏秋冬いつも咲いていて…そして妖精と烏天狗という種族がいるらしいね」
ファリア「知らないですねその種族」
ファリアがそう言うとアルマは全体を見渡すように言う
アルマ「妖精と烏天狗は自身の背中にある羽で飛べるっていうすごい種族らしいね。それゆえジパングの龍人みたく大切にされてるんだ」
アルマが言うとバートンが言う
バートン「えー!?飛べるだなんて究極ですよそれ!いいなー。私も飛びたいなー!そーらをじゆうに!あいきゃんふら」
美治「これ以上言うなバートン」
バートンの言ったことは無視してアルマは更に言う
アルマ「でね、そんな植物に囲まれた国だからマイナスイオンがものすごい多く飛んでいて空気が世界の中で一番美味しい。なんて言われている。
そしてヒダンゲのように有名な著名人が隠れて住んでる国らしい。実際お金持ちが別荘作ってるとのことだよ」
カナ子「な、なんていう国なの…」
アルマ「噂によるとポイ捨てすると重罪になるみたいでポイ捨ては絶対厳禁とか…そこら中ゴミ箱が多いみたいだし」
ファリア「紙くずをぽいっと投げるだけでも捕まるんですか…こわ…」
アルマ「それゆえ監視カメラが多いらしいよ。すごい国だよあそこは」
バートン「いいだろうと思って紙くずを空き缶入れに突っ込んだ記憶があるけどそれでもだめなんだろうね…」
アルマ「そんなことしたの!?アーカルドじゃなくてもだめでしょそれ!」
アルマに言われて反省をするバートン
バートン「バートン。反省のポーズ」
そう言うとバートンは美治の肩をぽんと乗っけてお辞儀する
美治「私の体を使うな!」
カナ子「ま、まあそういう国があるのねって話だにゃ」
セレネ「でもその国からアメジアに来た種族もいるのでしょうか?」
アルマ「わからないね。一人一人聞かないといけないし。ここからアーカルドは遠いと思うよ」
ジェスト「アーカルドから妖精と烏天狗だっけ?その種族がここに来たらどういうふうに飛ぶのかしら」
アルマ「アーカルドの映像見たことあるけどその種族は残念ながら映像には無かったね」
ファリア「うーん。謎が多い国ね…」
ジェスト「ミシェル教授はそこに行ったことあるのでしょうか?」
ジェストはアルマに向けて言う
アルマ「それはわからないねえ…あの教授、色々と巡ったとの話は聞いたけど…アーカルドはどうかな…」
バートン「じゃあわからない話はそろそろ止めようか」
アルマ「バートンの言う通りだね。話題を変えよう」
そう言うと美治が思い出したかのように言う
美治「国といえば国だがローマニア帝国とかいう帝国があるな」
カナ子「世界一でかい帝国よね。帝王が唯一いる国ね」
ファリア「あの帝国の帝王ってなんだかゲームのラスボスに出てきそうな格好してるのが面白かったわ」
アルマ「ローマニアって名前になったのはつい最近なんだ。前まではビザンティウムと言われてたらしいね?」
バートン「ローマニアのほうがわかりすいと思いますね」
セレネ「え、帝王ってどんな感じの格好してるんですか?」
ファリア「知らないセレネ?こんな感じよ」
ファリアはセレネにスマホで画像保存したローマニア帝国の帝王の姿を見せた。セレネはたしかにラスボスっぽい格好だと思った
セレネ「なるほど…ありがとうございます」
カナ子「私も見たことあるけどあんな厚着して暑くないの?ってツッコミ入れちゃったわ」
アルマ「住むと結構居心地いいとこだよ。自然災害が一切ない場所だし」
カナ子「ハーフアニマルがたくさんいるとこだといいなあ…」
バートン「そろそろ日が暮れてきたよ。終わりにしよう」
美治「で、今日のまとめは?」
バートン「花と樹木と帝国さいこー!」
美治「…」
ジェスト「帝国は邪魔じゃないかしら…」
そんなバートンの適当すぎるまとめかたで今日は終わることになった
帰路でそれぞれの家に戻る7人。ファリアとセレネは相変わらず2人で帰っていった
1人で帰るアルマ。今日はどんな食事かなーとは思いつつ徒歩でてくてくと帰っていく
夕方過ぎの時間。そろそろ寒い季節が来るんだろうなあとは思いつつ歩く
アルマ「相変わらずバートンの謎のまとめかただけど終わってまあいいか。ゆるいサークルだし」
そう言うと後ろから突然声が聞こえた。おーいという声でアルマは後ろに振り返る
アルマ「…カナ子!?」
その人物はカナ子だった。途中からこちらへ来たのだろうか?
カナ子「アルマ~!よかった!間に合って!」
アルマ「どうしたんだいカナ子?」
カナ子「貴女の家庭に行きたいわ~!」
…え?急に言われても…と思ったが…
アルマ「ん、んん~。ちょっとまってね…」
アルマはイビルアイに連絡を入れた。今日友人が来るから大丈夫かと。一瞬で返事が来た。OKらしい。小声で1人で言う
アルマ「…うちのママ、意外と大丈夫なんだね…」
そう言うとアルマはカナ子に向けて言う
アルマ「いいよ!カナ子、おいでよ!」
カナ子「やった~!」
そう言うとアルマとカナ子は2人でアルマの自宅へと向かうことになった
アメジア国
いよいよ秋の到来で寒くなる国になった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます