外伝

アメジア国天使協会…

今日も天使達が仕事をしている。そんな中、副代表のサルエルが代表室へと向かっている

要件は謎の手紙が来たからだ。だが、サルエルは姉を心から信頼しており姉の声を聞くだけでも元気が出る

広い通路を通り、室内へ。ここ、アメジア国天使協会も総本山と似てるような大きさであった

ビルのような建物。上に行くほど代表室が近い。そんな建物であった

サルエルはようやく代表室のドアの前まで来た。前はノックオンせずに入ったが、今回はノックをする

コンコン…

だが、返事が無い。サルエルは頭がクエスチョンマークになった。どこかに行ってるのだろうか?

とりあえず、ドアを開ける。がちゃ。代表室へ入った。代表の机にやっぱりサリエルがいたが…

サルエル「さーちゃん…?」

代表の机にはサリエルがいて電話をしてる最中だった。サルエルははっと気づき、これ以上は発言を謹んだ

だが、数分待っていたらサリエルは電話を止めてサルエルのほうへと顔を向ける。その表情は笑顔だった

サリエル「ごめんねるーちゃん。ちょっと悪魔協会のジャバウォックと話していたわ」

サリエルは電話を結構するタイプでまるでサラリーマンが要件を伝えるために長々と電話してるようだった

サルエル「そうなんだ。ねえ、さーちゃん。よく…わからない手紙が来たんだけど」

そう言うとサルエルはその手紙をサリエルにわたす。サリエルは中身を見たらあ~っという表情を見せる

サリエル「あら。異次元からの手紙じゃない」

そう言われてもサルエルはちっともわからない。唐突に異次元と言われても意味不明だった

サルエル「い、異次元…??」

サリエル「私達と異次元がつながっているの。管理者からの手紙でしょう。前に行った時はもう…何年前かしら?

その時はるーちゃん行ってなかったわね。異次元はエイリアンがいる場所…でも大丈夫。友好的なエイリアンが多いわ」

言われてもますます意味がわからない状態なサルエル。顔がますますよくわからない顔となる

サリエルは思ったがこれは一緒に行かせたようがいいと思った。サリエルはすっと椅子から立ち上がる

サリエル「るーちゃん。異次元に行きましょう。私と一緒なら安心だから」

サルエル「うん。わかった。さーちゃんが行くとこならどこまででも」

そう言うとサリエルは準備をする


異次元へ行ける装置は屋上にあった。まるで何かを召喚するような装置だった

サリエルは手慣れた手付きでガチャガチャ音をたてながら準備をする。屋上は基本出入り禁止であった

サリエル「これをこうして…。よし!スイッチ、オン!」

そう言うと謎の機械にスイッチを押して起動させた。最初は音がしなかったがじょじょにうるさい音が聞こえ始める

ウオオオン…音の喧騒が大きくなるとワープできるような光が出てくる。これで異次元へ向かうのだろうか?

サルエル「これで行けるの?」

サリエル「まだよ。もうちょっと待ってね」

しばらくすると白い光が大きくなり、緑の光となった

サリエル「おまたせ。さ、行こうね」

そう言うとサリエルはサルエルの手をつなぎ、ゆっくりとその光へと進む

2人同時に光に侵入した。バァァァン!という音が鳴り、一瞬2人の意識が飛んだ


ふと気がつくと2人は洞窟内に着いた。いや、異次元へと行った。サルエルはワープのせいかぼーっとしている

洞窟内には横に装置があった。これで帰れるのだろう。とサルエルは思った。サリエルは平然とした顔で回りを見る

サリエル「ここは異次元よ。行きましょう」

そう言うと2人は洞窟内を出た

するとどうだろう。異次元という場所は空がキレイだった。色とりどりの色をした空が2人を待っていた

まるで天の川のような緑色の空。星がキレイに輝き、どこか落ち着くような空だった

宇宙空間にいる。サルエルはそんな感想を心で言った。だが、不思議と息が吸える。ただの宇宙空間ではなさそうだ

2人はちょっとの間美しい空を見上げていた。こんなの写真に写したらかなりの反響が来そうだ。そんな空間だった

サルエルはこの異次元を好きになりそうだ。そんなことを思った

サルエル「すごいね…なんて美しいんだろう…」

宇宙空間に近いような場所だから寒いのか?と思ったがそうでもない。ひんやりしてるだけだった

サリエル「ここからこの異次元の支配人の場所に行くわよ。着いてきて?」

もちろんサルエルの言葉はイエスだった。サリエルと一緒に行く

サルエル「わあ…全然人間じゃない生き物がたくさんいる…」

サリエル「みんなエイリアン…人型の生き物してるけど、大丈夫よ友好的よ」

大きいエイリアン。小さいエイリアン。四足歩行してるエイリアン…あげくにはちっこいエイリアン…色々いた

ちょっと歩くと丁度いい大きさの人型エイリアンがこっちに気づき向かう。サルエルは少し怖がった

エイリアン「あれ?もしかしてサリエルさんですかね?」

サリエル「そうよ。今日は支配人に向かおうとしてたの。今いる?」

そう言うとエイリアンは表情を変えずにいう。だがこのエイリアンは表情というのがあるだろうか

エイリアン「はい。いますよ。ご案内しましょうか?」

サリエル「気遣いありがとう。大丈夫よわかるから」

エイリアン「わかりました。では、私は作業があるので」

そう言うとエイリアンは持ち場に戻る

サルエルはざっと見ていたが謎の装置を整備してるエイリアンがいた。ふと、横を向くと丘の上に大きいエイリアンがいた

だが、サリエルとサルエルを見ても決して異常とは認識せず何事もない顔をしている

サルエルはここなら住んでも決して悪くなさそうだが食事とかどうしてるんだろ…と思い考えるのをやめる

再び2人は歩きだす。通路は至ってシンプルだった。大通りっぽい道があり、そこへ向かっている

サリエル「異次元の支配人の道はわかりやすいわ」

その一言を言うと建物なのか洞窟なのかわからないがその建物へと向かう

建物に行くとまたワープ装置っぽい場所に着いた。その横に機械と頭が大きいエイリアンがいた。2人に気づく

エイリアン「サリエル様ですね?ご用件をどうぞ」

サルエルは思ったが本当に友好的だ。しかもさーちゃん顔パスのような感じだ。そう思った

サリエル「支配人の場所へ行きたいわ」

彼女がそう言うと機械を動かすエイリアンが反応する

エイリアン「承知しました」

電話っぽい装置を起動してエイリアンはその支配人へ連絡をする

エイリアン「はい…そうです…サリエル様が来ました。これからワープ装置を起動させます」

電話を終えるとエイリアンは機械を動かしてワープ装置を出した。これで支配人のもとへ迎えるだろう

エイリアン「おまたせしました。どうぞ」

サリエル「ありがとう。るーちゃん。またワープだけど我慢してね」

サルエル「うん。さーちゃん」

2人は再びワープへと飛び込むように入っていった


ワープすると今度は広い空間へと目に飛び込んできた

しかし、不思議だった。あまりおしゃれのないこの異次元だがこの空間はとてもキレイな場所だった

その空間にあるまるで水族館のような緑のモヤができたゲージがあり、それもキレイなものだ

その前に立っている人物がいた。間違いなく支配人だろう。まるで待ち構えるかのように後ろに向いていた

白い服を着て、ロングヘアーであろう。丸い帽子をかぶっていた。冷静な人物だろうか?

サリエルとサルエルは歩き、その人物へと近寄る

サリエル「…ヨグソトース」

その名前を言うとその人物は身体を動かし正面になった

サルエルは驚いた。エイリアンだらけのこの異次元なのに支配人は人間そのものだった

顔はキレイで白衣だろうか。緑色の髪色。青の瞳をしていて首から鍵をぶら下げていた。ファッション…?

2人は更に近寄るとようやく支配人の口から声が出た

ヨグソトース「…サリエルちゃん。久しぶり。ここに来てくれてありがとう」

静かな口調で彼女は喋った

サリエル「私はとても元気よ。ヨグソトースだってあまり変わってないじゃない。…おっと、るーちゃん。

紹介するわね。こちらはヨグソトース。異次元の支配人よ。私とはとても仲がいいの」

サルエル「そうなんだ。はじめましてヨグソトースさん。私、サルエルって言います」

そう言うとヨグソトースは笑顔になる

ヨグソトース「ようこそ異次元へ。ヨグっていうの。とりあえず異次元の支配人って形でヨグはいるんだよ」

ヨグソトースは握手を求めた。当然サルエルはしっかりと握手をする

サルエルは不思議な気持ちだった。しっかりとした人間で、体温も温かい。支配人が人間…どう考えても不思議だった

サリエル「で、ヨグソトースどうしたの?」

そう言うとヨグソトースはサリエルのほうへ向く

ヨグソトース「別に大した用事じゃないよ。最近会ってないなあって思っただけ。たまには人間を見ないと変になるからね」

サリエル「なんだそんなことならいつでも呼んでも構わないわよ?」

ヨグソトース「そうかしら?うふふ」

サルエルはこの2人は仲がいいというのがわかった。しかしヨグソトースは穏やかな人というのもわかった

サルエル「ヨグソトースさん。人間なのに、異次元の支配人なんてすごいですね?」

ヨグソトース「ううん。ヨグはあくまでもこの支配人してるだけで全然すごくはないわ」

そう言うとサリエルは否定の言葉を言う

サリエル「いやいや!貴女時空と次元を越えてその世界に行けるじゃない!」

時空と次元…!?サルエルは言われたことに驚愕する

ヨグソトース「うん、まあそうだけどね。ヨグは時空…時をさかのぼり軽く行けるし次元…現実世界、地獄、天界、そしてここへと。

様々な次元に行けるよ。時空だったり次元を越えようとするとちょっと疲れちゃうからホイホイと行けないわよ」

簡単に説明されてサルエルは更に驚く。そんなファンタジーの設定でもそんなすごいことしだすのはいないのに…!

サルエル「な…なんていう…!」

サルエルは言葉を失う。ヨグソトースは更に言う

ヨグソトース「ヨグ、実はアザトースとは友達でアザトースは旧魔王、ヨグは旧副王なんて呼ばれたんだ。副王なんて面白いでしょ?

でもね。もうその肩書きはほとんど意味がないわ。ただヨグはこの世界の支配人ってだけ。えらくはないよ」

そう言うと彼女は笑顔を絶やさなかった。言ってることは本当の話だろう。サルエルは覚えておいた

サルエル「知らないけどアザトースさん…?って今どこにいるんだろ」

ヨグソトースは答える

ヨグソトース「4つの国のアマリリスにいるよ。のんびりと過ごしてるらしいね」

ここまで言うとヨグソトースはひとつ提案をする

ヨグソトース「ねえねえ、回復の泉行かない?貴女達疲れてるだろうからちょっと入れば元気ハツラツになるよ!」

回復の泉…?サルエルはまたしてもクエスチョンだった

サリエル「あ!あそこ行きたいのよ。るーちゃん、そこはいわば温泉よ。とても効果のある温泉だから行こ!」

サルエル「温泉なんだね?わかった!」

そう言うとヨグソトースは首にかけていた鍵をすっと取り空間からワープを作った

一瞬の出来事でサルエルはまたまた驚くしかなかった。本当に一瞬だった

しかし温泉…?他のエイリアンが来たらどうするのだろうか。そんな考えの顔をサルエルはしたらヨグソトースは言う

ヨグソトース「これから通じるワープはヨグしか行けない場所だよ。大丈夫他のエイリアンは来ないからさ」

そうなら一安心だ。3人はワープをくぐりその場所へ行く

到着した。早速部屋の中だ。ここは脱衣場だろうか。ヨグソトースは案内をする

ヨグソトース「ここは脱衣場。ここで脱いでタオル巻いて温泉に行くわよ」

3人は早速脱いでタオルを巻く。そして脱衣場から出て温泉へ通じるドアを開いた

そこはまるで宇宙空間の中の温泉だった。外はとてもキレイで現実世界の温泉とあまり変わらない場所だった

3人はゆっくりと入る。ちょうどいい温度。そしてキレイな風景。サルエルはとても癒やされた

サルエル「すごいいいですね…なんだか疲れが取れる気がします」

サリエル「でしょ?るーちゃんしっかりここで温まろうね?」

しかしその温泉もキレイそのものだった。綺羅びやかな石を使っているのか温泉自体が輝いているように見える

湯気が出てるというよりキラキラとしたものが飛んでいる。さすがは異次元の温泉

ヨグソトース「ヨグ専用のお風呂だよ。ここへは誰も来れない。ヨグしか来れない場所だよ」

サルエル「エイリアン達もこういう温泉みたいなのに浸かるんですか?」

そう言うとヨグソトースは手でお湯をばしゃっと身体につけて言う

ヨグソトース「あるよ。当然そこはエイリアン達の憩いの場だからね。でもね、ヨグは特別。もう一度言うけどここはヨグのみなのよ」

ヨグソトースが言うとふーっと息を吐いた。癒やされてるのだろう

サリエル「いや~。やっぱりここ最高よ。るーちゃん、気づかない?身体の疲れがじょじょに無くなってることを?」

言われるとサルエルは身体が自然と軽くなった気がする。これが異次元の温泉の力なのか

サルエル「確かにそうだねさーちゃん…。身体が軽い。あれ、前に傷つけた切り傷の痕が…消えてる!?」

ヨグソトース「お。効果あったね。この温泉は傷を癒やす効果があって切り傷なんかあっという間に消えてしまうんだよ」

サルエルは前にハサミで軽く指を切ってしまって傷をつけてしまったがその切り傷が消えて無くなったことに驚く

驚いてばかりだ。ここがその異次元という場所なのだろう。サルエルは改めてすごい場所だと思った

ヨグソトース「満足してくれた?さああがろう」

え?もうあがるのか?サルエルはそういう顔をする

ヨグソトース「回復の泉…この温泉はちょっと入るだけで効果がある。長居しても意味はないよ」

サルエル「そうなんですか。わかりました」

3人は温泉を後にする


そろそろこの異次元ともお別れだ。3人は着替えてサリエル達が通ったゲートまで来た

お別れは寂しいのかヨグソトースとその部下のエイリアンが隣にいた。にこやかな顔でヨグソトースはいた

サリエル「色々とありがとねヨグソトース。また会いましょう」

ヨグソトース「君達は特別だからいつでもいいよ。特に怪我したらすぐにこっちへ来てね。待ってるわ」

そう言うとヨグソトースは笑顔でサリエルとサルエルを見ていた

サルエル「こんな素晴らしい異次元があるなんて忘れません。また会いましょう」

ここまで言うと洞窟内のゲートが開いた。これで現世へと帰れる

サリエル「じゃあねヨグソトース!」

サルエル「ありがとうございました!」

そう言うと2人はゲートを通り身体が消えた。ゲートを通ったらその光は消え、何もなかったのようになった

エイリアン「…行ってしまいましたね」

ヨグソトース「うん。ちょっと寂しいけど、また会えるとなると寂しくないわ」

ヨグソトースと部下のエイリアンはその場を去る。元いる場所へ戻ろうとした。2人は歩きながら会話をしている

エイリアン「しかし、私達の同志でシダレカにいるあのエイリアンは元気でしょうか?」

ヨグソトース「ポテプのことかな?」

エイリアン「はい。現世に行き、何か困ったことはないでしょうか。私達と同じエイリアンなので何かありそうですが」

そう言うとヨグソトースは平然とした顔で言う

ヨグソトース「大丈夫よ。あのエイリアンはどこか強い意思を持ったエイリアン。嫁さんもいるし幸せだと思うわよ」

エイリアン「…そうですよね。いらぬ心配でした」

2人は元いる場所へ戻った


現世に戻った2人。夕日が照りつける時間帯となった

サルエル「ねえさーちゃん。この装置ってそのままでいいの?」

サリエル「実はこれヨグソトースから貰ったやつだから大丈夫。雨風打たれても劣化しないやつだから」

そう言うとちらっと装置を見た。また使うかもしれない。この屋上は誰も行けないからほっといても安心だ

サリエル「じゃ、下に行きましょう?」

サルエル「うん!」

2人は屋上を後にして下に降りた


アメジア国の夕日

今日は異次元へ行って色々な経験をした2人であった




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