#5
アメジア国天使協会…
一人の女性が代表室へと向かう。名前はサルエル。姉にサリエルという名前を持つ大天使がいる
サルエル自体も大天使の一人だが、あまり言われたくはない。天使は皆平等。その言葉を胸に生きている
悪魔となると高位やら低位やらいるが可哀想な種族だとは思っている。だが嫌いではない
今の時代は天使協会も悪魔協会も仲良くしなくてはならない。これはミカエル様もそうだしアークデーモン様もそう言っている
だが、不思議なのはミカエル様は前は適当な人だったのだが突然真面目になりとても良い人になったことだ
何も知らないうちになにかあったのだろうか?これは本人に直接聞いてみないとわからない
サルエルが代表室に入る。ガチャ。ノックもせずに入る
サルエル「姉さん」
そう言うとサリエルは机で作業している手を止める。金髪ロングに天使としては珍しく赤い目だ
一方のサルエルは金髪ショートに茶色の目。ちょっとだけ違う。ただそれだけだ
サリエル「あら。サルエル急にどうしたの」
ノックもせず入ったがこれは仲良しだからできること。ノックもせず入るのは他の部下だとサリエルはさすがに怒る
サルエルは手紙をすっとサリエルの前に渡す
サルエル「支援会社からの支援金だよ」
そう言うとサリエルは手紙を貰いその場で確認。納得する支援金が入ったことがわかった
サリエル「ふうん。意外と多いわね。っていうかこの支援金、割と増えたり減ったりだからあまり期待はしてないのよね」
サルエル「けど、基本的に多いんじゃないかな」
サルエルがそう言うとサルエルは難しい顔をした
サリエル「あのねえ。やっぱりというか当たり前というか、総本山のほうが倍以上の金額をもらうことあるのよ
全世界にある天使協会だから平等にって思うけどそうとも行かないわね。でもこの会社謎が多いから…」
そう言うとサルエルはなるほどという顔をする
サルエル「そうだよね。でも支援金を貰えるだけ嬉しいと感じないとだめかもね?」
サリエル「そうそう。そうじゃなきゃやってられないからね」
サリエルは座っている椅子から窓を見た。今日も晴天。やっぱり涼しいと天使としては快適だ
だが不思議なのはこんな涼しい地形なのに悪魔協会も同じぐらいあることだ。悪魔でも何かと過ごしやすい国なのだろうか
最近会ってないが、ジャバウォックとイビルアイは元気にしてるだろうか。まあ元気にはしてるだろう
サルエル「…ねえ、さーちゃん」
サルエルはサリエルに愛称で言った
サリエル「ん?何るーちゃん?」
2人して愛称で呼びあった
サルエル「終わったら一緒に食事にいこ」
サルエルは言うと笑顔でサリエルは言う
サリエル「うん!さっさと終わらせるから、他の仕事しててね。るーちゃん」
サルエル「わかったよ。さーちゃん」
そう言うと後ろを振り向き室内を出た。バタン…。ドアを閉める
サルエル「…やっぱりさーちゃんって呼ぶの、大好き」
姉妹関係が仲良しだからこそ言える愛称である。双子とはまた違う。そんな愛称である
さーちゃんるーちゃんと言ったほうが嬉しく感じる。そんなことを思ったサルエルだった
朝…イビルアイの娘、アルマが大学へ向かおうとしていた
今日の天気は晴れ。晴れ間が多いがちょっとだけ涼しい。そんな国だ
アルマは門まで行くとふとなにかをしたいことに気づく
アルマ「…一服。しますか」
彼女は喫煙できる場所へと向かう。アルマは喫煙者だがそこまでのヘビースモーカーでもない。吸えるときに吸うだけだ
喫煙スペースへと着いた。既に授業前に一服しようと学生がいた
最近では喫煙スペースが町中でなかなか無い場合があることが多い。だが、ここは一応それは存在している
アルマはタバコの箱を取り出し一本を持つと火を付けた。すぅー…はー…。この一服が美味しい
そう思っているとどこからか声が届く
?「アルマ。アルマ」
その声の振り向く。その声は最近会ったばかりのハーフアニマル、カナ子だった
アルマ「カナ子!君も喫煙するんだ?」
カナ子「そうよ。意外でしょ?」
カナ子は手に持っているものでタバコを吸っていた
アルマ「それ…加熱式?」
カナ子「ええ。こっちのほうが慣れちゃって今はこれだけよ」
そう言うとカナ子はタバコを吸い、吐く。なかなかの煙の量だ
アルマ「加熱式…。僕もそっちにしようかな」
カナ子「でもこれいちいち購入しないとだめだから面倒よ?」
アルマ「そうだろうけど。加熱式のほうがイメージとしては雨風に強くて吸った灰殻も普通にゴミとして捨てられそうだし」
カナ子「だいたい正解。充電しないとだめだけどね」
アルマ「そういう面倒くさいとこはあるだろうけど」
カナ子は吸った後灰殻を灰皿に捨てた
カナ子「じゃ、私そろそろ授業だから。ゆっくりね」
カナ子はそう言うと去って行く。後ろ姿から見ると本当にでかいハーフアニマルである
アルマ「ゆっくりね。って言われても僕もこれ吸ったら行くけどね…」
ただの一服だがカナ子も吸うとは驚いた。どうせまた後で会う。そう思い吸った吸い殻を灰皿に捨てたアルマだった
昼ごはん時
5人は再び食堂で食事をしていた。ファリアとセレネはお弁当を食べる。他の3人は食堂から出された食事だ
バードンはうろうろと辺りを見渡す。アルマを探しているのだろうか?
美治「またお前先輩探しているのか?」
ジェスト「またあんた先輩を探しているの?」
バードン「ううん。カナ子先輩を探しているよ」
セレネ「カナ子先輩…ここにいるでしょうか?」
そう言うとファリアもなんとなく探してみる。
ファリア「うーん…それっぽい人はいないわね?」
バードン「あの2人はどこで食事してるんだろう?」
美治「教室じゃねえの」
ファリア「その可能性あるわね。確か教室でも食事をするのは別にOKって話だし」
バードン「じゃあアルマ先輩とカナ子先輩は教室で友達と食べているんだろうね」
セレネ「騒がしいところは嫌いなのでしょうか」
美治「聞いてみねえとわからんな」
美治の言う通りだった。後で聞いてみるとする
バードン「5人でお弁当用意すればあのサークル室で食べられるけどね」
ファリア「いや…それはあの室内ちょっと狭い気がするわよ」
セレネ「テーブルも低いですしね」
セレネがそう言うとバードンはうーんと思う
バードン「だめかー。まあいいや。それは置いておこう」
ジェスト「サークル室だから別にいいとは思うけどあそこで昼ごはんは難しいと思うわ」
美治「ジェストの言う通りだな」
とりあえず…今日もどうせ集まるだろうから2人の先輩は置いておく
そんなこと思いつつ5人は食事をした
放課後…そう言えば大学でも放課後と呼ぶのだろうか
だいたいの講義が終わった時間。そして5人はそれぞれの講義から合流してサークル室へと向かう
いや、サークルというよりも同好会室である。その校舎の4階はほとんど使われていない。7人のための4階と言っていい
5人は4階まで行き、バードンが鍵を開けて、室内に入る。電気を付けてソファーに腰を下ろす
バードン「さあ今日も張り切って喋ってしまうよ」
美治「そう言うとまるで暴露話をしようとしてる感じだな」
バードン「いや、私なんか暴露するとアンデッドだから既にしわが多いよ」
ジェスト「…化粧水付けておきなさいよ」
バードン「化粧はしてるよ?ほらマスカラ」
ファリア「でもバードン普通に美人だから普通にモテると思うわね」
バードン「え!?そう?いやー嬉しいな」
セレネ「ファリアさん私も?」
ファリア「セレネは最高の美しさよ」
セレネ「嬉しいです」
美治「だからそこで急にいちゃつくな!」
ファリア「ははは。ごめんごめん」
美治「全然反省してないだろ…」
そう言うとドアが開いた。先輩2人がやってきた。アルマとカナ子である
アルマ「ごめーん!遅れた!」
カナ子「アルマと一緒にお菓子と飲み物を買ってたら時間かかっちゃった!」
バードン「あ!先輩方お疲れ様です!わざわざありがとうございます!」
先輩2人がテーブルに行くとそこにお菓子と飲み物を用意してくれた
お菓子はポテトチップス。飲み物はコーラであった
美治「な、なんともジャンキーな組み合わせ…」
セレネ「わあ。こういうの実は大好きなんです」
アルマ「やっぱりくっちゃべってつまむものって言ったらこれだよね!」
カナ子「紙コップは百均だけどこれでいいよね!」
バードン「ありがとうございます先輩。私がやります」
バードンは慣れた手付き?でポテトチップスの袋を開いた状態にして紙コップに人数分のコーラを注いだ
バードン「…というわけで一日お疲れ様ってことで、乾杯!」
6人「乾杯!」
そう言うと7人はコーラを飲んだ
ファリア「あ~この味!」
ジェスト「久しぶりに飲んだけど悪くないわね」
セレネ「ふふふ。この味好きです」
美治「やっぱり美味しいな」
バードン「不死の体に染みる~!」
アルマ「ポテトチップスと一緒に食べるとまた違う!」
カナ子「いやー。十分に満足ね」
7人が思い思いの言葉を言うと雑談へと入る
ファリア「先輩方、ひとつ聞きたいことがあるんですが?」
アルマ「はいはい。なんだい?」
カナ子「なんでもいいわよ?」
ファリア「先輩方って昼ごはんのときはどこで食べてるんですか?」
アルマ「昼ごはん?次に始まる教室内で食べてるよ。友達と」
カナ子「私もそうよ。アルマと一緒よ」
バードン「あ、やっぱり教室だったんですか!」
アルマ「一応教室内を汚さないようにって約束があるけど、まあ汚す人はいないから大丈夫だけどね」
アルマがそう言うとポテトチップスを食べた
ジェスト「食堂で食べたいとは思わないんですか?」
アルマ「ん~。別に食堂が嫌いってわけじゃないよ?ただ、昼ごはんを食べた後の講義の場所が長くてね
もし食堂で食べたらそこから遠い校舎に行かないとだめだからあえて教室内で食べてしまうわけだよ」
アルマが言って続けてカナ子が言う
カナ子「アルマと似ているわ。私も食堂が嫌いじゃなくて次の講義があるからって理由で教室内で食べるのよ」
なるほどな~。5人は納得した。時間にうるさい教授もいるから、だろう
アルマ「こんな質問するとは君たちは食堂に行って次の講義に間に合うんだね?」
美治「だいたいそうですね」
カナ子「あ~羨ましいなあ…。次の単位取りはなるべく遠い校舎には行かないようにしないと」
バードンはカナ子の座っている椅子を見て言う
バードン「ごめんなさいカナ子先輩。その椅子、座りにくいでしょ?」
そう言うとカナ子は明るい表情で言う
カナ子「全然構わないわよ!私、椅子に関しては座れればなんでもいいと思ってるから!ぶっちゃけゲーセンの丸椅子でもいいのよ」
ファリア「そうなんですか。いやーアタシは良い椅子で座らないとなんかだめで…」
セレネ「ファリアさんの自宅行きましたけどパソコン前の椅子、ゲーミングチェアってやつですよね?」
ファリア「そうそれ!ゲーミングチェアじゃないとやってられないからね」
バードン「ゲーセン…ゲーミング…そう言えばゲームしてる人っている?」
ファリア「はいはいアタシがそうよ」
アルマ「実は僕もそうだよ。ソシャゲだよ」
バードン「私もやってるんだよねえ…」
…他の人たちは反応しなかった
ファリア「あれ?これだけ?」
カナ子「でも私友達と一緒にゲーセンに行ってガンシューティングっていうのやったことあるわね」
バードン「ガンシューティングは楽しいですよね」
カナ子「そのガンシューティング、怖くてグロくてキャーキャー言いながらやってたわ」
ジェスト「なんかそれ聞いたことあるガンシューティング…」
美治「さっぱりわからんな」
ファリア「アタシなんかゲーセン通って格ゲーばかりしてるわ」
アルマ「格ゲーできる人はすごいなあ」
ファリア「いえいえ。専用コントローラー持ってますし、ネットで対戦もしてますよ」
セレネ「実はバリバリな格ゲーマーですものね。私も横で見てました」
ファリア「ただこの国じゃなくて世界の壁は厚い…特にシダレカのゲーマーがやけくそに強かったりしてわけわからないのよね」
アルマ「ソシャゲのほうが平和…なのかねえ」
カナ子「いやいや。ソシャゲで平和なんてものはないと思うわ」
美治「何かありゃ炎上だしな」
アルマ「僕のやってるソシャゲがそういうの絶対無いように願いたい…」
ファリア「まあまあ先輩。コーラ飲んで落ち着きましょう」
そう言うとファリアはアルマの紙コップにコーラを注いだ
アルマ「うん。ありがと。前に言ったけどあまり気を使わないでいいよ?」
カナ子「私にも気を使わないでいいわよ?」
バードン「ありがとうございます先輩」
アルマ「でも、ファリアとセレネは付き合ってるっていうのは驚いたね」
カナ子「え!?そうなの!?」
ファリア「はい。アタシとセレネは恋人同士です」
カナ子「そうなんだ!あ~。美人同士のカップルかあ…なんとも羨ましい…」
カナ子はそう言うと2人をまじまじと見ていた
セレネ「美人だなんてありがとうございます」
ファリア「ただこの話するとバードンと美治とジェストが妬ましい顔になるので…」
そう言われるとカナ子は3人の顔を見たらたしかに妬ましい顔になっていた。これなんていうんだ。パ…
カナ子「わ、わかったわ」
アルマ「恋バナなんて盛り上がるのは修学旅行の夜でみんなに布団に潜っているときのみだよね…」
美治「それでいねえっつってんのに攻めた事言われたのは未だに根に思ってる」
ジェスト「私は未だに恋愛小説が読めないわ」
バードン「私もだよ…」
3人がそう言うとアルマとカナ子が顔を見合わせる
アルマ「いや…僕も恋愛経験は全くしたことないよ…女性ですら」
カナ子「実は私もその一人よ」
…なんだか暗い方向性になってしまった。いかんと思いファリアは謝罪する
ファリア「は、はい!この話はやめにしましょう!ごめんみんな!」
セレネ「私とファリアさんだけでなんだかすいません」
2人は謝罪したがバードンは言う
バードン「いや。だけどさ、ファリアとセレネなら絶対に幸せになってほしいという気持ちならあるよ?」
美治「それは私も思う」
ジェスト「私もそうだわ」
3人は笑顔になって言う。続けてアルマとカナ子も言う
アルマ「そうだね…僕も2人が幸せになってくれれば十分だよ」
カナ子「貴女たちの幸せが私たちの幸せ。ってね」
笑顔で言った。2人は申し訳無さもあったが幸せになってほしいという言葉を聞きお礼を言う
ファリア「ありがとう。アタシたち幸せになるよ」
セレネ「ありがとうございます。この言葉、ずっと忘れません」
5人は笑顔でファリアとセレネを見ていた
同好会が終わり、バラバラになった。ファリアとセレネは今日のことを話していた
夕方の涼しい気温。その気温を感じながら2人は歩いていた
ファリア「…アタシたちの恋って否定する人がいなくて嬉しいわね」
セレネ「そうですね。心から嬉しいです」
ファリア「ずっと一緒にいようね。セレネ」
セレネ「私も同じセリフを言います。ずっといます」
ファリア「セレネ…」
そう言うとファリアはすっとセレネの唇を奪う
セレネ「んっ…」
唇が離れるとファリアとセレネは赤い顔をした
ファリア「どう?アタシの唇?」
セレネ「…とても柔らかくて、好きです」
ファリア「よしよし」
2人は恋人繋ぎをして帰っていった
アメジア国の夕方はキレイだった
そんなキレイな夕日を見ながら、2人はまた一段と関係が深くなった
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