#6
今日のアメジア国は良い天気だった
雲ひとつ無く晴れていた。そんなところで今日はファリアとセレネがデートしようとしている
セレネはインドア派なのであまり外には出たくないが、こういうデートは大丈夫で外に出ている
ここは色々な移民が住む国…ファリアもセレネもその2人であり、ここの国が大好きだ
今日の気温はまあまあ涼しく快適であった。そこは4つの国のヒダンゲにも近い気候である
セレネが待ち合わせ場所でワクワクしながら待つ。待ち合わせ場所は公園の噴水
セレネは今日のために化粧をやってキレイな服を着て待っている。デートとはそういうものだろうと思う
時刻は10時。そこにピッタリにファリアがやってきた。セレネは見て手を振って迎えた
セレネ「ファリアさーん」
そう言うとファリアは笑顔でセレネのもとに行く
ファリア「セレネー!」
2人が近寄ると自然とハグをした。恋人同士だからできるハグである
ファリア「んー…セレネ暖かいなあ…」
セレネ「そんなことないですよ。ファリアさんだって暖かい…」
ちょっとの間ハグをしたら離れる。誰かに見られただろうが、関係は無かった
セレネ「ファリアさん。今日はどこに行きますか?」
そう言うとファリアは言う
ファリア「色々なところに行きましょう。アタシとセレネが喜ぶような場所!」
セレネ「わかりました。行きましょう」
セレネが言うと2人は手を繋いで歩く。ルンルン気分で歩く
公園を抜けて、この町一番の商店街を歩く。ここは様々な店がある場所
ファリアのほうが身長が高いためセレネは少し身長が低い。だがちょうどいい体格だとは思う
恋人同士になってからセレネはすっかりファリアのことを気に入っている。セレネはあまり心を開かなかったが、今は大丈夫
付き合ってるうちにだんだんとセレネのほうから自分のことを話すようになり、ファリアはますます気に入っている
そんなこと思ってるうちに早速良さげな場所へとたどり着く。何気なく歩いただけだが…
ファリア「ねえ、ここの店入ろうか」
セレネ「はい!」
そう言うと店の中に入る
そこは本屋であった。今の時代本屋は潰れやすいことが多いがここは昔ながらの本屋であった
本の香りがする。セレネは嬉しくなった。セレネは読書家なのでこういう本屋の存在は嬉しいものだ
セレネ「わあ…色々な本だらけですね…」
ファリア「どうせだわ。セレネの気に入りそうな本、アタシが買ってあげるわ」
セレネ「え、でも…」
ファリア「ここは恋人に甘えてもいいのよ?」
そう言うとセレネは喜ぶ
セレネ「わかりました。ありがとうございます。もしあったらの話ですが…」
セレネが言うと本屋の内部をめぐる。セレネが巡ってるときにファリアも本を見ていた
ファリア「あ。格ゲーの本がある。…あーでもビニールにくるまれて詳しく見れないわね…」
立ち読み禁止だろう。さすが昔ながらの本屋である
セレネがうろうろしてるとふと、ちょっと気になった本を見つける。ファリアも側にいた
セレネ「これ…どういう本でしょうか」
ファリア「どれどれ…えーと『私と天使の物語』?エッセイかしら。著者は河合冬美さん…」
その本はビニールにはくるまれてなかった。セレネはちらっと本を見てみた
セレネ「ざっと見ると面白そうですね」
ファリア「それ、買ってあげるわ」
セレネ「いいですか?ありがとうございます」
そう言うとファリアは本を持ってレジに行く。すぐに買ってセレネにわたす
ファリア「はい!」
セレネ「ありがとうございます!」
セレネは言うとその本を持ってるかばんに大事にしまっておく
ファリア「じゃあ次行こうか」
そう言うと本屋を出て別の場所へ向かう
別の場所へ移動する。ここの商店街は広く、様々な店があった
ファリアとセレネは手を繋いで歩く。今日は涼しい気温だったため手を繋ぐと体温が暖かくてちょうどいい
本屋から離れて歩くとふと、ある建物に着いた
セレネ「ここ…天使協会ですね?」
そう言うとファリアはその建物を見る
天使協会だった。白い建物でとてもキレイな場所。毎週日曜日は説法をする曜日でもある
ファリアも一応エンジェルの血を受け継ぐ人間だが、あまり自分から行こうとは思っていない
母がキューピットなので仕方なく行ってる。という感じに近い。実はあまり行きたくはない
だがここにいるサリエルとサルエルはとても良い人でその人に会いたいがために来てるということもある
実際行きたいのか行きたくないのか…正直ファリアはわからないが、微妙な感情である
ファリア「ここ、あまりおもしろくないわよ」
セレネ「そうなんですか?」
セレネがそう言うとファリアは微妙な顔をする
ファリア「まあ…母によく連れられて来たけど…面白いとは思わなかったわね…」
セレネ「はあ」
ファリアはセレネの手を引っ張る
ファリア「行きましょう。誰か関係者に見つかったら面倒だから…」
セレネ「はい?」
そう言うと2人は天使協会玄関を離れた
天使協会から離れてまた歩くとようやくファリアが面白い場所にたどり着く
セレネ「ゲーセン…ですね?」
ファリア「ゲーセン!ねえねえ行っていい?」
ファリアが言うとセレネは笑顔で言う
セレネ「いいですよ!楽しいですものね」
2人はゲーセンに入る
やはりここは娯楽施設。様々なゲームが起動していた。こういうとこも最近は無くなることが多いが、ここは大丈夫だった
相変わらずうるさい。だが、そのうるさい効果音がゲーセンという雰囲気だ。嫌いになるわけがない
2人はゲーセン内を見回ってた
ファリア「えーと。アタシがやってる格ゲー…」
ファリアは見回るとお目当ての格ゲーがあった。一応セレネに確認する
ファリア「やっていい?」
そう言うとセレネは何事もなく笑顔で言う
セレネ「ええ。いいですよ」
確認をとるとファリアは早速コインを入れてやり始める
ファリア「セレネ、横に座りなよ?」
セレネ「大丈夫ですよ。立ってます」
ファリア「そう?」
ファリアは言うとキャラクター選択ですぐにキャラを選び遊ぶ
慣れた手付きでそのキャラクターでどんどん先へ進む。コンピューターと戦うときはほとんどダメージを受けずに進む
セレネ「やっぱりファリアさんの手付きすごいですね。全然ダメージ受けてないじゃないですか」
ファリア「このゲームは慣れたものよ~」
すると乱入が始まった。対人のバトルだった
ファリア「お!来たわね~。負けないんだから!」
そしてバトルが始める
ファリアは元々この格ゲーに慣れてるのかほとんど相手に何もやらせない行動をとる
スティックを上手く扱い前進、防御、上手く使う。技もかけてここだという場面で必殺技をかける
セレネもそんな恋人を見てかっこいいと思った。ファリアさんとても上手い…!そう思った
ふと気づいたらファリアは勝った。ダメージはあったがまず快勝と言っても過言ではない
乱入した男は悔しがってた
男「まけた…!ど、どんな人物かちらっと見よう…」
その男は相手の顔を見ようと立ち、ちらっと見る
すると女性だった。その横にも女性がいた。女性…!?負けてしまった理由がよくわからないがよくできた人だと思った
男「…強すぎ」
ただその一言を言って男は去った。女性に負けてしまったことが悔しかったのか…
セレネ「…意外とちらっと顔を確認するんですね?」
ファリア「ま。そういう人はいるわね」
ファリアはまたその格ゲーのストーリーモードを続けた。結果的にエンディングまで見れた
ファリアは終えると今度はクレーンゲームのほうへ出向く。そこならセレネもできるだろうと思ったからだ
ここのゲーセンは広く、様々なゲームがある。クレーンゲームのコーナーは広々と取り扱っていた
ファリア「セレネ、どこか面白そうなのある?」
そう言うとセレネはどこがいいか悩んでいる
セレネ「うーん。グッズ…でもいいですし、お菓子があるのもいいですねえ…」
セレネは歩いて確認するとひとつのクレーンゲームをやってみたいと思った
セレネ「…これにしたいですね」
そのクレーンゲームは可愛いマスコットのぬいぐるみだった
ファリア「じゃあこれを。500Gを入れて…さ、セレネやってみて?」
セレネ「え?私が、ですか?」
ファリア「クレーンゲームはアタシはそこまで強くないからさ…こういうのは2人でやりましょう?」
セレネ「わかりました。頑張ってみます」
そう言うとクレーンを動かしてみる
クレーンゲームとはシンプルなものだ。ボタンを押してちょうどいい場所まで移動。掴んで物を穴に入れる。それだけだ
色々なクレーンゲームはあるが、さっきのようなシンプルなやつほどやりやすいだろう
セレネは早速ボタンを押していいところまで移動する。そして物を掴む。だが、さすがに一発では入れるのは難しい
物を掴むまではよかったものの、すぐに離れてしまった
セレネ「あ~…惜しい気がします」
ファリア「まだ後5回あるから大丈夫よ」
セレネ「5回?」
ファリア「さっき500G入れたでしょ?プラス1回おまけで合計6回できるのよ」
セレネ「なるほど!ならまだチャンスはありますね」
このチャンスを見逃すわけにはいかない。セレネは気合いを入れて再び挑戦する
だが、このクレーンは難しいものか。上手く行くときがあるがすぐにクレーンが離れてしまう
ファリアもプレイはするが上手くいかない。結局あと1回となってしまう
セレネ「く、悔しいです…!」
ファリア「セレネが悔しがってる…あと1回よ」
セレネ「絶対に掴んでみせます!」
セレネはより気合いを入れ後の1回をプレイ
今までのプレイでコツを掴んだのかちょうどいい位置でクレーンを止める。そして掴む…すると物が離れずに穴まで行った
セレネ「そのまま!そのままです!」
そして…見事に穴に入った。この戦い、2人の勝利である
セレネ「や、やりました!」
ファリア「やったわね!」
そう言うとそのぬいぐるみを嬉しそうに持つセレネ。喜びがまた違って見えた
セレネ「わーい!」
ファリア「いやー6回で上手くいくとは思わなかったわね」
セレネ「でもよかったです!このぬいぐるみは飾りたいです」
セレネは大事にかばんにしまった。ファリアは恋人が喜ぶ姿を見れてよかったと思った
ファリア「えーと。そろそろ昼ごはんだからどこか食べる場所…」
商店街を歩いてファリアは悩む。彼女確か魚系は苦手だとは言ってた
ならどこがいい?デートなのにジャンキーなものはだめだろうし…かと言って豪華なのはお金が危うい
非常に悩んでいた。うーん。まるで進路に悩むような考えをしていた。何か希望はあるだろうか?
ファリア「ねえセレネ、何か…食べたいものはない?」
セレネ「そうですね。魚系以外ならなんでもいいですよ?」
なんでもいい…それは非常に困る答えなんだけどなあ…と思いふと周りの風景を見る。率先するのはファリアだからだ
辺りを見渡すとそこにはカレー屋というのがあった。あ…!カレー屋ならいいかもしれない!
ファリア「カレー屋に行く?」
ファリアがそう言うと笑顔でセレネは言う
セレネ「はい!カレー食べたいです!」
ファリア「じゃあそこにするわね」
早速2人はカレー屋に入る
ちょうど椅子が空いてたのだろうか。すぐにテーブルの椅子に座れた。カレーの香りがする店内だ
メニューを見て確認。色々なカレーがあるんだなあ。セレネと一緒に見ていた
ファリア「色々ある…。セレネは何がいい?」
セレネ「ええと…『カツ!!合わせカレー!!』がいいですかね」
ファリア「何よこのネーミングセンス…アタシは『鶏・鶏カレ~♪』にするわ。つか何なのよこの名前」
謎に満ちたカレーを2人は注文する
しばらくするとようやくそのカレーが来た。セレネが頼んだカレーは…
セレネ「わ!すごいカレーです!とんかつ多くて美味しそう!」
そしてファリアのカレーは…
ファリア「あ。唐揚げが乗っかってるカレーなのね」
なんだかネーミングセンスはあれだが美味しそうだ
セレネ「うふふ…いただきます」
そう言うとセレネは静かにスプーンを取り、食べ始める。ファリアもいただきますを言い食べ始める
セレネ「あ!美味しい!カレーとカツが上手く合ってます!」
ファリア「え。意外と美味しい。カレーもそうだけど唐揚げが一段と美味しくしてるわ」
2人は美味しさで無我夢中で食べていてた。ガツガツである。あまりにも美味しい
しばらく食べていた。そして2人とも残さず完食。美味しかった
セレネ「こんな美味しいカレー屋さんあったなんて驚きですね」
ナプキンでふいていたセレネだった
ファリア「ここはサークルのみんなで来ても良さげね。覚えておいていいかも」
2人は席を立ち食費を支払う。ファリアが払っていた。店を出た後、ファリアはそのカレー屋の看板を確認する
『ワイワイカレ~』という名前だった。なんだそのネーミング
ファリア「…ネーミングセンスが変じゃなきゃまた来るけどさ」
そんな独り言を言いその場を後にした
いつの間にか別の公園で座ってた2人。仲良く2人で座る。体を寄り添っていた
ファリアから告白をしてセレネと晴れてカップルになった。そういう2人であった
だが、決してセレネは嫌がらずにファリアの側にいようとした。セレネはファリアのことが好きであった
ここの公園は静かだ。色々と遊具はある公園だが昼の時間帯なのか人が少なかった
ファリア「静かね…」
セレネ「そうですね…」
セレネはそう言うと頭をファリアの肩に乗せた。ファリアは反応すると反対側の手で頭をなでなでする
緑髪の柔らかさが心地いい。とてもキレイな髪の毛をしてる
ファリア「アタシをこうやって好きでいてくれること…幸せに感じるわ」
セレネ「だって、一緒にいると楽しいですから。サークルのこともありますけど…ファリアさんといたいだけです」
ファリア「アタシだって…」
そう言うとファリアは片方の腕でセレネの肩を抱く。セレネはそのままファリアの体を寄り添う
ファリアは愛しく感じたのか、セレネの頭にキスをした。セレネは反応する
セレネ「…ファリアさん。キスをするなら唇でお願いします」
ファリア「…ええ」
2人は唇でキスをした。決して誰にも邪魔されずに愛情表現をした
セレネ「…ファリアさん。好き」
ファリア「アタシも、好きよ」
さて、次はどこに行こうか。そんなこと考えながら2人は寄り添って時間を過ごした
夕方。そろそろファリアとセレネのデートは終わり
セレネは寂しい顔をしていた。別れるのはやはり辛いのだろう
セレネ「あっという間のデートでしたね」
ファリア「でも、大学でも会えるとなると寂しくはないわ」
セレネ「そうですね…」
そう言うとセレネはお別れの言葉を言う
セレネ「今日はありがとうございます。また大学で会いましょう?」
ファリア「当然よ。じゃあね」
そう言うとセレネは笑顔で手を振ってファリアと離れた。ファリアは見えなくなるまでセレネを見ていた
ファリア「…セレネ、もっと…アタシに心開いてくれると思うわ…。大丈夫。アタシが側にいるからさ」
見えなくなったのを確認してファリアも自宅へと戻ることにした
アメジア国の夕日
ヒダンゲには劣るかもしれないが、キレイな夕日だった
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