【 希望の光 】
雨の中、暗闇に白い光がゆらゆらと揺れているのが見えた。
その光は、始めは小さかったが徐々に大きくなり、こちらへと近づいている。
誰かがここへやってくる。
傘を弾く雨音が徐々に大きくなった。
「ボクちゃん……?」
その白い光の主から声がして、僕の顔を眩しく照らす。
「やっぱり、ここにいたんだ……」
その白い光の主は――、
かず姉だった……。
「かず姉……」
僕は、かず姉の顔を見た瞬間、一気に感情が爆発した。
思わず、ビショ濡れになっているかず姉に抱きつく。
そして、大きな声を出して泣いた。
その声が、雨の音と混ざり合い、この森の中に響き渡る。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
僕はかず姉に、何度も、何度も謝った。
かず姉の濡れた服を、ぎゅっと握り締めて、かず姉の胸の中で大声で泣いた。
もう、僕の感情コントロールは、利かなくなっていた。
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