第35話 空間魔術を習得する劣等生②

 更新が空いてすいません。

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 ページを捲るとまず魔術式が書いてあった。

 そしてやはりと言うべきか、その魔術式は召喚魔術とは全く異なっており、物凄い高度な式だと言うことがまず一瞬でわかった。

 しかしそれよりも降魔が驚いたのは……


(何だよこの魔術式の数……何で1つの魔術を発動させるためにこれ程のものを使わないといけないんだ? こんなに魔術式があったら制御なんてとてもじゃないが出来ないだろう)


 そう、1つの魔術を発動させるのに、50以上もの魔術式が組み合わされていたのだ。

 今まで現存する全ての魔術を見てきた降魔にとってはあり得ない数だった。


 降魔は取り敢えず次のページを開く。

 すると今度は空間魔術の効果や副次効果などが書いてある。

 降魔は、物凄く難しい言葉で書かれているのを見て簡単に解釈することにしようと思い自身が普段から持ち歩いているメモ帳に魔術名と効果をどんどん書いていく。

 

 【空間転移】

 ある地点からある地点へと空間を飛んで移動する魔術。

 副次効果で、空間を飛べる。


 【空間把握】

 自身の半径100mの空間内にある全ての物質、事象を把握できる。

 副次効果で、一部のもののみを把握することも可能。


(この2つはどうやら非殺傷性の魔術らしいな。確かにこの2つじゃどう頑張っても何も殺せないか。まぁ1つずつの時の話しだけど。次からが殺傷性か)


 降魔は再びページを捲る。

 そこには降魔の言う通り沢山の殺傷性のある魔術が書いてあった。


 【空間固定】

 自身の半径100m以内の空間内で、半径3mの空間を固定することができる。

 副次効果で、対象を識別可能。また対象の時間を停止することも可能。


 【空間断裂】

 その名の通り目の前の空間を切り裂く。

 ただしその断裂した亀裂の中に入れば戻ることはほぼ不可能。

 副次効果なし。


 【干渉】

 空間に干渉することが出来る。

 副次効果として物質も干渉可能。


 などなど他にも沢山あったが、これ以上は降魔を持ってしてもどう言った効果なのかよく分からなかったため、取り敢えず諦める。

 

(ただこれらの魔術はなんか効果が現存魔術と似ているんだよな)


 そこで降魔は先程から気になっていた1つの疑問が頭の中を駆け巡っていた。


「……どうしてこんなに魔術があるのに魔術式は1つしかないんだ……?」


 降魔はその事実に首を傾げていた。

 基本1つの効果を得るためには1つの魔術式が必要だ。

 しかしこの本には魔術やその効果は何十も書いてあるにも関わらず、1つの魔術式しか書かれていない。

 しかしこの本には結構ページが破り取られているところがあり、そこに書いてあったのかもしれないが。

 だがもし違うのだとしたら?

 しかしそこで降魔はピンときた。


「———そうか……!」


 降魔は急いで最初のページの言葉を読む。



  ———空間とは宇宙であり世界でありことわりであり、人間の扱える物ではない———


 

(——双葉もここまでは理解したのだろう。この1つの魔術式で全ての魔術を発動させられることは。でも多分双葉は知らなかったんだな。いや俺も偶々書かれているのを見たことがあるから頭に残っていだだけだが。でもこれは絶対にそうだろう……!)


 降魔は興奮冷めやらないと言った風に立ち上がって言う。


「やはりそうだ……! そもそも空間魔術と言うものは存在しないんだ……! この魔術は全ての魔術の始祖———魔法だ!」




 ——降魔はこの日、魔法の一端を知った。


 ———そしてこの発見が後の降魔の人生に大きな影響を与える事となる。


 だがそのことをまだ知る者は誰もいない。


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