第8話

『ピロンピロンピロン』


 そんな場面でまた音が聞こえてきた。

 あ~、はいはい、もう忙しいのに勘弁してよ。

 子供に時間をつぶさせるには……DVDか!

 近所のたっくんはウ○トラマンが大好きでウ○トラマンのDVDさえみせておけば静かだとかご近所のおばちゃんに聞いたな。


 あーっ、テレビは今うちにないんだったorz


 そうだ!


 ノートPCを手にダッシュで戻ってきた。

 こんな仕事してりゃPCは複数台、デスクトップもあればノートPCも所持、タブレットは別腹よってことでそれも持ってたりする。


 う~ん、どれがいいか。


『ピロンピロン』


 あ~、もう

 これでいっか


 サブスクアニメ配信サイトでスレ○ヤーズを選択し、一話から連続再生にセットする。


「おにいちゃんはお仕事で忙しく、今も上司に呼ばれているからここで大人しくこのアニメでも見ててね。触っちゃだめだよ、見てるだけね」

「な、な、なんじゃー!中で人が動いておる。小人かの!?」

「これは創作の物語で、んっと、そうか!これは絵本を自動で読み聞かせてくれる道具なんだよ。ていうかそう思ってくれ」


 台所から飴(のど飴なんだけどね)や煎餅、クラッカーなどを皿に移し持ってきて彼女の前に置く。

 もちろん飲み物も忘れない。といいたいとこだけど、ジュースなんか飲まないので我が家にはない……麦茶だ。


 とりあえず小さい子供にはお菓子と飲み物与えてテレビ見せておけばいいよねの精神で少し不安も残るが応接間を後にしワークルームへと急ぐ。






 nemi>おう、おう、おう、いいご身分じゃのう。こちとら昼飯もそこそこに作業再開してるというのに

 Kcho>わが社の昼休憩は1時間15分ですよ

 Utan>すんません、今立て込んでまして

 YasuK>ある驚愕の事実をぼくはしっている というかぼくだけしか認識してないのか?

 nemi>なによ、もったいぶって

 YasuK>今日はなんと休みのはずだったが休日出勤なのだ

 YasuK>そしてこの休日出勤は日給で計算ではなく、時間給で計算なのだ

 YasuK>ということは・・・

 nemi>かちょー

 Kcho>出社時間もうるさく言う必要なかったね^^;

 Kcho>昼休憩もね^^;

 Kcho>ごめんちょ

 nemi>でも、仕事おしてるのは事実。うーたん自分の遅れは自分で調整つけてよね (。-`ω´-)

 Utan>了解

 Utan>気合いれてやるわ




 ーある日の作業風景、そしてよくみかける光景ー



「うわっ、またうーたんのスペシャルプログラム組んである。

 確かに動作するかどうかでいうときちんと動作する。

 他の人の倍以上の早さでプログラムを組みあげている。

 でも無駄な箇所は多いし、どうしてきちんと動作しているのかよくわからない。

 ブラックボックス化してて他の人には理解困難なんだよね。」


「他の人にもわかりやすいようにできなくはないけど

 気分がのってる時は考えるまもなくどんどん指が動いていくんだよね。

 でも、その部分をポコっと取り外して他のに代えればいいんだから

 時間がありさえすれば代えてもいいんだよ。」


「ぐぬ~、とりあえず糞コードのうーたん独自プログラムでやろう。

 プロジェクト終了後に後任が悩むかもしれんが、そんときはそんときだ。」


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