アマチュア小説家が陥るフェーズスパイラルとは

 私の中で、アマチュア小説家が辿るだろう一つのモデルケースがある。それぞれの段階をフェーズと読んでいる。


フェーズ0:始める前

 まだ書き始めようかどうか、遊びでちょっとだけ書いている段階。


フェーズ1:カクヨムにアップし始め

 知らないユーザーから♡やコメントをもらい、その都度舞い上がる。自分の作品という我が子が世界に組み込まれ、感動を覚える。


フェーズ2:せっかくだからコンテストに応募

 次第に慣れてくると、簡単に応募できるものに応募してみる。そこそこ自信もついてきたものだから、まずはダメで元々で応募。落ちても悔しくない。


フェーズ3:次第に落選が続き、自信を失い始める

 応募なんてしなきゃよかったのに、し続けると落ち続けるものだから、だんだん作品が否定されているような感覚に陥ってくる。求めるものが高くなればなるほど、現実とのギャップに苦痛を感じ始める。


フェーズ4:もうだめだ、と諦めの境地に入って距離を置く

 辛すぎてエタる(長い間書けなくなる)。ここで消える人もいれば、ちょくちょく復活する人もいる。


 私の場合、ネット上で簡単に応募できるものや公募ガイドから見つけて、気が向いた時は応募していた。何回か有料添削を依頼したこともあった。特に力をいれていたのが、公募ガイドの掌編コーナーである。テーマを与えられて、2000字で書くものだが、これならいけるかもしれないと思った。まずは一年、そう思ってやってみたが、ことごとく箸にも棒にもかからない。優秀賞は無理でも、佳作、佳作が無理でも選外佳作にも入選しない。選外佳作を拝見しても、まだ自分の作品の方が読めると思ってしまうこともしばしば。

 こうなってくると、疑心暗鬼のスパイラルに陥る。

 私は何が間違っているのだろうか。本気で投稿規約に違反していないか見直した。そもそもストーリー展開に致命的な欠陥があるのだろうか、考えれば考えるほどドツボにはまっていった。公募ガイドには有料添削コーナーがあり、5000円ほどで依頼ができる。帰ってきた結果は散々だった(その講師がちょっと●●だった)。最後の一言が今でも忘れられない


『もっと作品を読んで勉強したほうがいい』


 私は大きく自信を喪失し、エタった。こうして、私はカクヨム界から姿を消した。

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