慣れ親しんだ、駅まで続く大通り。

 慣れた会社、慣れた人間関係、慣れた習慣を離れるための第一歩を、今日踏み出したいと思う。


 ふと横を見ると、狭い路地がある。

 反対側まで行けば駅までの近道になるかもしれない。

 だけど、行き止まりかもしれない。


「どうってことないか」


 挑戦は大事だよね、と思って入ってみる。それに少し、わくわくもした。

 ただ結局のところ、私は慣れない夕陽から離れて、暗い路地の方が安心できると思ったのかもしれない。

 変えるのも、変わるのも、容易ではない。

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