ぞろぞろ、ぞろぞろ。

 五本しっぽ、三本しっぽ、化けねこたちが、並んで歩いていく。二本しっぽの新入り・タマもあとについていく。


「さてさて」


 一同は、公園のすべり台下に集まった。

 とはいえ集まってみれば、タマを入れて三匹だけだった。

 ほかの化けねこたちは、今日はどうも広場が使えないらしいぞと、早々にあきらめて好きな場所へそれぞれ行ってしまったらしい。みんな気まぐれなようだ。


「どうしたもんだろうか」


 うで組みしたのは、さっき場所を移ろうと呼びかけた、五本しっぽのアオである。


「聞けば、お気のどくなことがあったそうなんですがね、」


 又吉は続けた。


「あのえらいお三方、毎日すぐれたお働きをなさっております。我々の計画には欠かせない方々です。

 けれど、こんな日もある。そういうことなんでしょうなあ」


 タマはうなずいた。


「おっと。うなずくだけですかい?

 タマさんもいつか、計画にお加わりいただけると信じておりますよ。

 それはさておき、お三方のおはなしです。

 どうも、おシマさんのところのおうちの、お嬢さんのことなんだそうでございます」

「ありゃ」

「タマさん、何か聞いておりませんか。

 たしかお嬢さんは、タマさんのところの坊っちゃんと」

「そうだねえ」


 おシマさんは美容室にいて、とても人気がある。

 そこのお嬢さん、マチコちゃんはタマの家の〈ぼく〉と同じクラスだ。

 何かあったのだろうか。


「聞いてないなあ」

「そうでしたか。学校のお友だちにも、あまり話さないようなことですからねえ」


 マチコちゃんに、何が。

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