残された遺書

 

残された遺書

 これから、皆さんにお見せするものは、私のSNS上の友達の冬月雪哉くんが残した遺書です。


『何もかもが上手くいかない。親にもたくさん迷惑をかけてしまった。もう生きていたくない。お父さん、お母さん、今まで育ててくれてどうもありがとう。さよなら。』


 雪哉くんが死んで、彼の両親は深く傷ついていました。彼の母は、自殺未遂を繰り返し、それを毎回、自分が止めているんだと、彼の父は言っていました。私は、妻を大切に思っているのなら、早く殺して、夫も自殺してしまえばいいのに、と思いましたが、口には出しませんでした。でも、そうすればもう誰も悲しみません。まぁ、こんなのは極論ですね。


 私はどうせなら、雪哉くんは誰かに殺されて死んだ方が良かったと思います。そうすれば、全部の責任を他人になすりつけることができるので。でも、まぁ遺書があるだけまだマシです。皆さんもそう思いません?



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

残された遺書   @hanashiro_himeka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ