第7話 植物事情
昆虫について書いたので、植物についても書いてみましょう。
まあ、考えてみると当たり前なんですが、北海道には、郷里では見られない花が咲いていたり、逆に郷里で見られていた花が見られなくなったり、という状態になっています。
まずは、ソメイヨシノ。桜と言えば、あの少し濃い紅を花の中心に携えた、薄い薄いピンク、殆ど白に近い色の花ですね。優雅に、幽玄に、昼も夜も様々な表情を見せてくれる、本当に美しい花。
これが、実に残念なことに、十勝にはありません。いや、どこかに植えてたりするのかな?でもないって聞いてます。北海道の桜は濃い目のピンク。そして葉桜、葉っぱが一緒に出てきます。郷里の山桜に当たるのでしょうか?これはこれで綺麗なのだけれど、やはり桜と言えば、ソメイヨシノに恋い焦がれてしまいます。
夫に聞いたところによると、道南、函館の方には、ソメイヨシノ、あるっぽいです。いや、実家より函館の方が遠いですがな(笑)。
北海道は、ライラックの方が盛り上がってる感がありますね。私の主観ですけれど。ライラック。薄紫色の小さな花がかたまって咲く、とても綺麗な花です。北海道に初夏を告げる花だと言われています。
ある日、母が、山に花を見に行ってきたと言います。何を見に行ったのか聞くと、「福寿草」。
「え? わざわざ山に登ったん?」
「当たり前やろ、福寿草なんか、めちゃめちゃ涼しいとこでないと見れんのやから。」
「庭に咲いとるが」
「そんなわけないやろ、違う花やって、そんなん!」
夫に確認し、それが福寿草で間違いないと言うや否や、
「送って!!」
そういうことで、私は朝から移植ゴテを片手に、福寿草の苗を掘り出す羽目になったのでございます。大変でしたよ、お母様。
こっちに来て、アレルギーを調べた時、医師から聞かれました。
「白樺アレルギーはありませんか?」
え? そもそも白樺のあるところでなんか住んでたことがありませんし。
「わかりません」
結局、なかったらしいですが、北海道で白樺アレルギーは辛いよなあと思いました。
あと、秋のキンモクセイの花がないのが寂しいですね。これはホントに寂しい。実家が引っ越すまで、私のキンモクセイが家の庭にあって、毎年、いい香りを放ってくれていたので。
で、これ、北海道あるあるなのかもしれないんですけど、本物のキンモクセイの香りを知らない道民は、あれをトイレの芳香剤の匂いと感じてしまうそうで。あら残念。でも、本物のラベンダーの香りを知らない内地の人は、同じく、トイレの芳香剤と感じてしまうんですね(笑)。あんなに綺麗なのに、残念。是非、見に来て下さいね。
フキも凄いですよ。松山千春さんの出身地、足寄町では、ラワンブキという、めちゃめちゃ大きなフキが採れます。日本一の大きさで、トトロの傘を思い出します。
足寄町の道の駅では、ラワンブキを持った等身大の松山千春さんのパネルと写真が撮れる、という物凄くレアな経験ができますので是非(笑)。
何より驚いたのは、北海道は、雪が溶けると、本当に一斉に花が咲くということですね。郷里で、「これが咲いたから、そろそろあれも咲く頃だなあ」、とかの余裕がないんですよね。もう一気に咲く。順番なんか待ってられないかのように。緑も一気に芽吹き、あっと言う間に葉が繁ります。
お陰様で、雑草も一気に育ち、私は今日も草刈り機と鎌を持ってあっちもこっちも刈りまくらないといけないわけですが(笑)。
当たり前ですが、南の花や木は南の方でしか見られないものもあるし、北の花や木も同様です。旅行などの際には、建物やグルメだけでなく、花や木にも少しだけ目を止めて、楽しむのもいいかもしれませんね。
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