第3話 シャリシャリ?

 十勝は天気の日が多いです。その上、空気が乾燥している。こんな、洗濯物を干すのに最適な所はないと思っておりました。


 しかし!


 11月頃のことでした。外に干しておいたシーツを取り込んで、首を傾げる私。

「なんだこの感覚?」

 シャリシャリしています。ついうっかり土埃の多い日に干したか?? と思いましたが、風も全然。じゃあこれは?



 シーツを手に、首を傾げていると、休憩に帰ってきた夫が気が付き、

「なんか、シャリシャリしてんだよね?」

 という私に大笑い。

「こんな時季に、外に洗濯物干す人いないよ?」

「えっ?」

「そのシャリシャリは、凍ってますのシャリシャリ」

「えーっ! マジか?」


 はい。人生初。シーツを凍らせました。冬場でも外に洗濯物を干す実家とは違うんですね。当たり前だけど。気が付こうか、私。冬場は、北海道は室内干しです。(最近は土埃も多いし風も強いしで、なんだかんだ、ずっと部屋干しです)



 -20℃は、業務用冷凍庫の数値です。いろんなものが凍ります。



 うちの次女。

 中学1年生の時、地域の温泉に友達4人と一緒に行ったはいいけれど、外で親のお迎えを待っていたらしく、みんな髪を濡らしたまま、寒そうにしています。

 馬鹿でしょ? なんで中で待たないの?と、車に乗せたら、

「わぁ〜、髪がシャリシャリ〜。」

 それ、凍ってるんやん! 温泉行った意味!


 

 また、夫が、激しく汚して、流石に家の洗濯機で洗うことを躊躇ためらって、牛舎の洗濯機で下洗いした作業着。その袖を、牛舎の入口から、ブンブン振り回しながら、帰ってきたことがありました。

「緋雪、緋雪、ほら」

 と、凍って立つ作業着の袖を見せる夫。

「ほら、じゃない! 作業着、凍らせながら帰ってこない、そこ!」  



 うっかり前日に車の中に忘れたお茶や水は綺麗に全部凍り、積んであるウエットティッシュはチルドティッシュになってて取れない。窓が汚れてるから、ちょっと拭いていこうと雑巾を濡らしてきたら、拭いてるそばから凍りつき、しまいに雑巾ごとシャリシャリと凍りつく……。



 十勝では、色んなものが凍ります。

 バナナで釘が打てるかも知れません。

 (やったことないけど・笑)。

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