朝顔

ピンポーン「はーーい」


玄関を開けると


「あのね、お姉ちゃん離婚しそうなの。それで実家に帰ってきたついでに、よったんだけど…。」


小さい頃から大好きな近所のまゆちゃん。でも、半年前に幼なじみと結婚した。私の好きが恋心なのかも分からないままで結婚してしまった。


実家に戻ってきたまゆちゃんは、悲しそうな顔で高校生の私に伝えた。


「みゆは、受験どんな感じ?模試は受かりそうな判定なの?」


「ううん。第2志望は受かるけど。」


「そうなんだ!じゃあもっと頑張らないとね。みゆのお母さんから聞いたけど、私と同じ大学が第1志望って聞いたよ。頑張ってね。」


「まゆちゃんは、そんなに今の旦那さんが好きなの?」


「うん。すきなの。どうしたらいんだろうね。」


別れる原因は夫の不倫だ。それでもまゆちゃんは好きみたいで。


「私も、わからない。でも、まゆちゃんには幸せになって欲しいな。」


「そっかぁ。そうだよね。ありがとう。私、みゆちゃんみたいな旦那さんだったら幸せになれたのかな。なんて。」


嬉しくて 悲しくて 悔しい言葉が胸に刺さる。


「あら、まゆちゃん。お久しぶり。こっち戻ってきたの?ちょうど良かった、シュークリームあるのよ。一緒に食べましょ」

お母さんが帰ってきて近づいてきた。


「私、勉強してくる。」

「え、あ、シュークリーム後で持っていくね。あの子ほんとにタイミング悪いんだから。ね?」


自分の部屋に閉じこもった私はノートと参考書を開く。そして、シャーペンをカチカチと2回ノックした。握っているてはふるふると小さく震えた。

ーーみゆちゃんみたいな旦那さんだったら、、、


ノートに書かれたシャー芯の文字はゆがみはじめ、目の前はもう全て霧がかかったような景色だった。


「みゆちゃん、幼なじみのゆうとくんって知ってるでしょ?」

「うん!知ってるよ!」

「いつもいじわるしてくるの。だから 、みゆちゃん気をつけてね💦」

「うん。あ、みゆがまゆちゃん守ってあげる!それで大きくなったら旦那さんにしてね!」

「え、うん。わかった。楽しみにしてるね。」



みゆちゃん。忘れちゃったよね。こんな過去。




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