2話 面倒ごとを吹っかけられた

「......何でこうなった」


 俺はこう見えて平和主義者だ。

 いたって寛容な人間だ。


「さて、私がシムルの面接の時から今まで一緒に居る理由だけど、シムルがここに来たばっかりで色々不便だろうから手を貸してやって欲しい、って風に学園長から頼まれてるからよ。」


 争いを好まず、何時も長閑な片田舎で暮らしてきた。

 都会の喧騒なんてまっぴらだ。


「全く、感謝なさい。

 私も忙しいのに幼馴染だから、って理由なんかでこの役を押し付けられて、男子寮の案内までしてあげてるんだから」


 俺の平和は何時までも相棒のソラヒメと一緒に続く筈だった。

 だと言うのに...


「ねぇ?聞いてるの??

 少しは私に感謝してくれても「うるせぇ!!!

 大体、こうなったのはお前が俺をこんな所に連れてきたからだろうがよ!!!」


 俺の平和な日常は、この幼馴染アホが俺をココに連れてきたお陰で幕を閉じた。


 俺の怒鳴り声に「ヒッ」と悲鳴をあげて涙目になるテーラ。


 俺の現在位置は、ローナス男子寮の俺が今日から宿泊する事になった部屋である。


 はてさて、俺はソラヒメと共にここを抜け出そうとしたのだが。

 なんでこんな事になってるのか、ちょっとだけ思い出してみるとするか。


 もしかしたら、次に繋がる何かが見つかるかもしれない。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『さて、話とやらを聞きましょう。

 我が相棒であるシムルは見ての通り田舎者。

 その上横暴な話し方しかしません。

 そんな彼に教養を与えていただけるのなら、私にとっては願ってもないことなのですが...貴方は、何者なのですか?』


「ちょっと待てや!

 俺はこんな所で勉強なんぞする気はねーよ。お前まで俺の意見は無視かよ!!」


 俺の周りには人の話を聞かないアホしか居ないのか?


「失礼、申し遅れました。私はここの学園長を務めているアルバヌスと申します。

 所で、シムル君は貴方のことを先程からソラヒメ、と呼んでおりますが、貴方のお名前はソラヒメというのですか?」


『如何にも。私は星竜【ソラヒメ】。

 ユグドラシルにおける初代の王と共にこの国を建国した、竜王の娘。

 つまり、当代の竜王です。』


「「「!?」」」


 衝撃的な暴露により、ギャラリーが騒めきだす。


「ほう、まさか貴方がかの竜王の娘、竜姫とは.....」

「オイ、それが本当なら竜種の最上位じゃないか」

「そんな、あの建国伝説は本当だったの?」

「シムルの相棒が伝説の竜王の娘だなんて...やっぱりアンタ、とんでもなく凄いアホだったのね!?」


 何かギャァギャァ皆んなで言ってるけどさぁ。

 そんな事より。


「オイ、ソラヒメ。

 俺はそんなこと一回も聞いたことないぞ。

 どういう事だよ」


『えぇ。貴方は一度も私がどこから来て、どんな竜なのか聞きませんでしたから。』


 いや、そんな大事なら言ってくれよ。

 そう声に出そうとすると


『でも、そんな貴方だったから私は貴方をパートナーとして選んだのです。

 いつもありがとう、シムル』


 なんていつも通りの優しい声で言ってきた。

 クッソ、そんな事言われちゃもう何も言えねーよ。


『さて、話はそれましたが。

 学園長、我が相棒に深い教養を与える、と言う話について聞かせてはくれませんか?』


「えぇ、それではご説明させて頂きます」



 こうして、学園長は今回の件の全貌を話した。

 また、「ここは国内で最上位の学校であり、卒業すれば王都で勤務する事ができる」

 などの七面倒臭そうな追加話を聞くたびに、ソラヒメの顔がどんどん緩んでいくのが俺には分かった。


 あぁ、コレは......。


『ふむ、学園長。ありがとうございました。

 シムル、何をそんな所で立っているのですか。

 早く先生方に従って学園内を案内して貰いなさい』


「は?」


「ではソラヒメ様、貴方の相棒であるシムル君のこの学園への入学を認めてくれるのですか?」


『ハイ、我が相棒をよろしくお願いします。

 また、ここがその様な神聖なる学び舎とはつゆ知らずにこうして押しかけてしまい申し訳ありませんでした。

 できる事なら何でも致しますので、お許しを頂けないでしょうか?』


「オイ」


「いえいえ、シムル君の入学を許してくれただけで充分です。

 シムル君のパートナーである貴方様もココに滞在するとは思いますが、これからもよろしくお願いします。」


 いや、だからさ。


「俺はこんな所に居たくねえって言ってんだろうがよ!!!!

 ソラヒメ!お前そんなに俺が嫌いなのかぁ!!??」


 ブチキレで怒鳴る。


『先ほども言った通り、私は竜王の娘、竜姫です。

 そのパートナーがこの様に何時までも横暴な男では私も困ります。

 なので、学園の皆様。

 これから手は掛かると思いますが、シムルをよろしくお願いします』


「なぁちょっと、そんなに徹底して無視してないでコッチを向いてくれよ.....ソラヒメさん?

 ソラヒメさぁんッ!!!!」


 俺の叫びを完全に無視して、ソラヒメは学園の先生に連れられてどこかへ行ってしまった。


 そうして残された俺と言えば、ポンッと学園長に肩を叩かれて。


「君の負けだ、諦めなさい」


 血涙を流す俺の横で、クスクスと笑うテーラの姿が視界に入る。


 チキショウ、マジでお前覚えてろよ...!


 俺は、テーラへの私怨による復讐を誓うのだった。


 その後はなすがまま、テーラや学園の教師連中に学園を案内...もとい連れ回されて。


 最後にテーラと共に男子寮を回りに来た、と言う訳である。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 うん、次に繋がるモノは何も無いわ。

 あぁなったソラヒメには何を言っても無駄だったし、あの学園長も引き下がらないだろう。

 何であんなにしぶといのか知らないけど。


 ただ、テーラへの私怨は思い出した。

 ...やべぇ、なんかやり返したくなってきた。

 でも俺は寛容だし? 泣いてる奴に追い打ちをかける程鬼では無い。

 やり返しはまた今度の楽しみとして取っておこう。



 ちなみに、テーラは男子寮に入っても大丈夫なのか?

 って話なのだが。この学園は生徒を完全に信用しているそうなので、消灯時間になるまでは異性寮への立ち入りを許可しているとか。


 過去に遡っても不純異性交遊の例は1度も無いらしい。


 一級職ドラゴンライダーへの道を自ら閉ざすアホは居ない、と言うことだろう。


 まぁ、俺に言わせれば据え膳を押し倒すだけの度胸が無いチキンどもの集まりなんだけど。


「ん?」


 ゴーンゴーンゴーン。

 どこかで鐘が鳴った様だ。


「ハッ!!!」


 横でブルってたテーラがイキナリ顔を上げて目を輝かせ始めた。

 さっきまでのさめざめとした雰囲気が嘘の様だ。


「オイ、いきなりどうした。

 また竜でも突っ込んできたのかよ?」


 冗談めかした言い方でテーラをからかおうとする。


「はぁ?そんな訳無いじゃ無い。

 今のは夕食を知らせる鐘よ。

 しかも、今日の夕食はデザートが出るのよ!!!

 この一ヶ月間待ちに待った、至福のひとときを味わえるわ...!」


「あー、成る程。」


 コイツが浮かれてた理由はコレか。

 現在は小競り合いが多いとは言え、ユグドラシルは隣国バーリッシュとの戦争中なのである。


 なので限りある資源を無駄に消費しない、と言う名目の下に幾つかの食料品は国によって流通が制限され、価値が上がっている。

 砂糖もその一つなので、今や甘い菓子は非常に高価な部類に入るのだ。


「こうしちゃいられないわ、今すぐ食堂に行くわよ!」


「へいへい、わーったよ」


 今日一日訳のわからないアホ共に引っ張り回されて疲れたし、そろそろ腹ごしらえでもしますかねぇ。




 ローナスの食堂はこの男子寮のすぐ手前にある。


 テーラに連れられて食堂に入ると人がごった返していた。


「流石に都会の学校、人が多いねぇ」

 こいつら息苦しくないのか?


 食券を配布する列に並ぼうとするが、いつの間にかテーラがいない事に気がつく。

 辺りを見回すとテーラは既に食券を握っていて、俺を置いて夕飯を貰いに行った様だった。


 早え。

 そんなにデザートが欲しいか。


 次からテーラを釣る時は頑張って甘い菓子を用意する事にしよう。



 ドンッ

「おっと、すまねぇ」

 人が多いせいかぶつかっちまった。

 金髪碧眼の美人さん...パツキンの姉ちゃんでいっか。


「いや、こちらこそすまない...って君は!?」


「えっ、どっかで会ったっけ?」


 えぇと、王都に居る知り合いとかテーラ位なモンだし...誰だコイツ?


「星竜使い!?

 先生方に連行されて行ったハズではなかったのか!」


 ん?星竜ソラヒメが俺の相棒だって知ってるっぽいな。


「あっ」


 まさかコイツ、昼にソラヒメがボコボコにした竜に乗ってたドラゴンライダーか。


「思い出したか、星竜使い。

 君の噂はもう学校中に広まってるぞ。

『星竜の力を暴走させてローナスへの襲撃を図った犯罪者』とな。」


「はぁ!?」


 いや、色々ちげえよ。


「えっ、何々?」

「あいつ、噂のドラゴンライダーじゃ?」

「危険人物じゃん!何でここに?」


 声を大きくしすぎた様だ。

 ガヤ共が周りに集まってきやがった。


「ソラヒメの奴が勝手に暴れてただけだ。

 文句があるならあいつに言えよ」


「ふん、ドラゴンライダーの風上にも置けぬ奴め。

 竜の責は自らの責とする事、それを弁えてこそのドラゴンライダーだろう?」


「いや、知らねーよ」


 そもそも、俺は正規のドラゴンライダーじゃねーし。


「この後に及んでシラを切るか。

 まぁいい。ローナスに手を出した以上、その内王都の捕縛隊が君を逮捕するだろう。

 それまでの短い間、精々日の元の生活を満喫するんだな」


 そう言って、あのドラゴンライダーは去って行った。


「何だあいつ、カッコつけてるつもりかよ。」


 あぁ言う頭の堅そうな奴は苦手だ。


「シムルー、何立ってるのよ!

 早く食券貰ってコッチ来なさいよー!」


 パツキンの姉ちゃんと入れ替わりで、何も知らないテーラが催促してくる。


 オイバカやめろ。


 さっきの騒ぎがここら辺中に広まっててタダでさえ俺は危険人物扱いなのに、その上お前みたいな煩いのと知り合いだなんて知れたらこの場所ローナスで俺の立つ瀬がなくなるだろ。




 さて、めでたく飯も貰えたし食うか。

 今日の晩飯はハンバーグに、デザートは...何この黄色くてプルプルしたやつ。

 取り敢えず食ってみようとスプーンを伸ばすと、横からテーラの手刀が叩き込まれた。


「いってえ!何すんだよ!!」


「あんたこそ何してんのよ!

 ここだと、皆んなが着席して食前の祈りを捧げてから食事を頂くのよ」


「へぇ。

 餌の前でお預け食らってる犬みたいだな。」


「ちょっ、アンタいい加減言葉遣いってモノを」


「静粛に。」


 パンパン、と手を叩く音。

 何かと思えば食堂の一番右側の席に学園長や副学園長、更に教師たちが座っていた。

 教師連中もここで飯を食うらしい。

 さっき声を出したのは副学園長の婆さんか。


「それでは、食前の祈りを捧げます。」


「ホラ、アンタも両手を顔の前で組むのよ」


「へいへい」


 これ以上文句を言われるのも癪なので、言われた通りにする。


「我らの命は別の命で繋がれる。

 建国主アーサーと全ての命に感謝を捧げ、黙祷。」


 婆さんがそう言い終わると、その場にいた全員が目を瞑る。

 取り敢えず俺も瞑っておく。

 黙祷は3秒位で済んだ。


 そうして食事に手をつけようとする学生一同であったが。


「さて、皆さん少し待って下さい。

 今日は重要なお知らせがあります。

 この度、ローナス尾段学級に編入生が加わりました。

 シムル君、起立してください」


 婆さんがコッチをまじまじと見ながら言ってきたんで仕方なく立つ。


 すると先程の騒ぎもあってまたガヤガヤしだす食堂の生徒達。

 あー、これから面倒になりそうだ。


「皆さん静粛に。さてシムル君、皆さんに自己紹介を」


 はぁ、話す事なんてねぇよ。

 適当に紹介してくれりゃいいのによぉ。

 ま、折角だから昼間の件の弁明も兼ねて適当に言っておくか。


「ウッス。

 どーも皆さん、シムルです。辺境の片田舎から来ました。

 それと、何か噂になってるっぽいですけど、昼間は俺の相棒が迷惑をかけちまってすいません。

 相棒にもよく言っときますんで、これからよろしくお願いします」


 ふう。こんなモンか。


「納得できませんッ!!!」


 は?誰だよ俺の完璧な自己紹介にケチつける奴は。

 テーラですら、この俺のあんまりのマトモさに目を丸くしてるって言うのによ。


 辺りを見回すと、声を上げた張本人が席を立った。

 あ、誰かと思ったらさっきのパツキンの姉ちゃんじゃん。


「何故この様な野蛮人が、この神聖なるローナスへの入学を認められたのですか!?

 しかも彼は自らの竜を、星竜を暴走させてこの学園を襲撃したのですよ!

 王都の捕縛隊もこの件について動く筈です。学園長、副学園長、お考え直しください!この学園から逮捕者を出すだなんて事は前代未聞。

 ローナスの生徒代表として、その様なことは認められません!!!」


 食堂が静まり返る。


 ...これは、もしかして。



 俺、このまま捕縛隊とか言う奴らから逃げて田舎に帰れるパターン!?

 やったぜェ!!!!!


 内心大喜びする。


「ふむ。君は、何か勘違いをしているようだ」


 副学園長に代わり、今まで黙っていた学園長の爺さんに唐突に反論されて自称生徒代表のパツキン姉ちゃんが身構える。


 オイ爺さんや。

 コッチをチラチラ横目で見るな。

 そんなに俺を逃したくないか。


「そもそも、彼は王宮議会の紹介でココへ来たのだ。

 捕縛隊の方には連絡したが、シムル君の名前を出した途端に目を瞑ってくれたよ。

 私としても、生徒を牢屋には送りたくはないので良かったよ」


「そんなバカな!王宮議会がこんな野蛮人を推すわけがありませんっ!」


 面接の時から名前は出てた王宮議会とやら、話の流れ的に結構凄いらしい。


「いや、本当じゃ。

 その上、彼の竜は暴走した訳ではない。

 主人である彼を助けに来たのだ。

 君も上級首段生なら、星竜については知っている筈だが一応説明しておく。

 この場の尾段生や翼段生にも話がわかる様にな。」


 爺さんは星竜ソラヒメについて語り出した。

 俺もあまり詳しく知らない所なので、ちゃんと聞いておく事にした。


 星竜。

 それは火竜、水竜、地竜、翼竜など多く存在する竜種の頂点とも言える種である。

 竜王ユグドラシルを始めとした伝説上の竜は、大凡この種に分類されると言われている。

 星の海を渡って世界各地に降り注いだとされる魔力原石の如き破格の魔力を体に宿す事から「星竜」の名がついたそうだ。

 また、彼らは人間の様に四肢を持ち、知能が高く人の言葉を理解する。

 その高い魔力量によって光粒子を圧縮、電撃状のブレスを放つという。

 しかし、その長寿と魔力による身体の高い耐久性故、種族そのものの数を増やさずとも絶滅する恐れがない為にその数は非常に少なく、産む子竜も少数であるとされる。


「ふむ、説明としてはこんな物だ。

 おおよそ、竜を暴走させる理由としては操竜術の手違いで多くの魔力を竜に流し込んでしまい、そのまま竜が暴走する、と言うケースが多いが彼のパートナーたる竜は星竜。

 まず人からの魔力を自ら受け入れる事はあっても、自らが暴走しかけるほどの魔力過多ともなれば自らの魔力で主人の魔力を弾きかえすであろうし、暴走はありえまい。

 重ね重ね言うが、これは講義で習った筈だと思うが、いかがかね?

 ローナス生徒代表、アルス・テルドロッテ君」


 ふむふむ、つまり昼間見たワイバーンみたいなのが大体の竜で、星竜ソラヒメは結構特別って訳だ。

 ...説明を聞く限りじゃソラヒメって実は凄いなんてモンじゃない位凄いんじゃないのか?


「くっ...」


 そして完全に論破され、かなり悔しそうにするパツキンの姉ちゃん。


 あんまりにも煽りがいがありそうだったんで、ついニヤニヤ顔で見てしまった。


 すると、姉ちゃんの顔が真っ赤になったかと思えば般若みたいな形相で俺を睨んできた。

 怖えよ。


「ふむ、では皆が納得した所でシムル君の自己紹介を終え...」


「学園長、やはり納得いきません。

 彼にここで学べるだけの力があるとは思えません。」


 怖い顔でまだまだ噛み付いてくるパツキン姉ちゃん。

 いや、アンタもう諦めろよ。

 俺だって妥協してここに居るんだし。


「そこまで言うなら、シムル君と模擬戦闘デュエルで決着をつけたらどうかね?」


 爺さんがまた俺の雲行きが怪しくなる様なことを言い出した。

 しかもまた周りがガヤガヤしだしたし。


「いいでしょう。

 私があの様な野蛮人に遅れを取ることなどまずないでしょうし。

 あの時は奇襲で遅れをとりましたが、今度なら万全の態勢で対抗できます。」


「ふむ、ならば期日は5日後。

 アルス君もシムル君もおのおの、全力で戦える様、準備しておきなさい。」


「いや待て学園長。

 俺はデュエル何て知らないしやる気はないぞ、何だそれは」


 また振り回されてたまるかよ。


「ふむ、詳しくは横にいるテーラ君に聞くといい。

 今はここの皆んなの食事を待たせている。

 一先ずは、お腹を満たしてからでもいいだろう。さぁ諸君、夕食を頂こう」


「ちょっ、おい」


 爺さんの許可が出た事で、お預けを食らっていた生徒たちが食事を始める。


 パツキン姉ちゃんもこちらを睨みつつ、しぶしぶ席に着いた。


 話は一旦終わりの様だった。


「腹も減ったし、食ってからにすっか。

 テーラ、後で色々教えてくれよ」


「あ、うん......」


 妙に渋い顔してる辺り、やっぱりまたかなりの面倒事が控えているようだった。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「うめぇ!」「美味しい!」


 この黄色いのかなり美味い。

 都会に来て良かった、って初めて思った瞬間だわ。


「なぁ、この黄色いの何ていうんだ?」


「プリンよプリン!

 最っっっ高だわ!!!」


 俺の好物が一つ増えた。




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