神居村と、帰りつく冬
*****
顔に切り傷を作って帰ってきた俺を見た浮谷さんのうろたえぶりは、申し訳ないの一言に尽きた。
縫うほどの深さではないものの、明らかに何か刃物で受けた傷だというのは分かってしまったからだ。
しかし、これもまた……流石に、“神居村ではいつもの事です”とはとても言えない。
碧さんのとりなしでその場は収まったものの、あれから二日経つ今も顔を動かすと少し痛む。
ともかく今更の二日間、ようやく、正月らしく実家でのんびりと過ごせた。
誰に急き立てられるでもなければ、神居村役場からの符丁放送もかからない。
好きなだけ寝ていていい、のに――――どうにも、俺は早寝早起きが板についてしまったのだ。
そして、俺は明日――――また、村へ戻る。
数日後にはふたたび学校が始まるから、いつまでもここでのんびりとはしてられないのだ。
村に持っていきたい私物も詰めながらの帰り支度が済んだのは、夕飯を終えていい時間も経つ頃、気付けば十一時を過ぎていた。
浮谷さんも就寝してしまっており、三人いてさえなお広すぎる屋敷の中は静まり返っていた。
しかし、その中で俺はどうしても寝付けずにいた。
明日は村に戻り、また、この爺ちゃんとの思い出の詰まった家にひとときの別れを告げる。
それがまた
しんと静まる夜、火の気のない家の中は段々と冷え込んでいき、布団の中で暖まる体に反して顔がしゃっきりと冷やされていく。
寝なければ、寝なければ、と思うたびに眠気は遠くへ引っ込んでいってしまう。
村へ戻る電車の都合で明日は早いのに、ヘタをすれば“今日”になってしまいかねない。
「――――爺ちゃん、もう一度……線香上げておこう」
仕方ない、とベッドから起き上がり、ゆっくりと音を立てずに部屋を出る。
板張りの廊下を踏み締める足の裏からはツララを突き刺されるような痺れる寒さが心臓まで上がってくるようで――――またも眠気は駆逐された。
この寒さを味わったあとでまた布団に潜り込めば眠気がやってきてくれるかもしれない、そんな細い望みにかけた、口実として爺ちゃんの居る仏間へ向け、なるべく足音を立てないように歩く。
軋む床板の場所は覚えている。避けながら歩くうち……ふと、気付く。
「さっむ……っ」
仏間へ近づけば、近づくほど――――室温が下がる。
いや、それどころか……家の中での寒さというより外から吹き込むような風を伴う冷気が確かに漂ってきている。
流れて来る空気の匂いもまた、家の中のそれと違い――――乾き、冷えた、身の締まる冬のそれに他ならない。
仏間の前に到着すると、もう疑いの余地はない。
襖の隙間から、確かに冬の外気が差し込まれてきている。
戸締りを忘れたのか――――そう考え、戸を開ければ、誘うように冷たい空気が一瞬で俺の体を巻き取るように包んでしまった。
なぜなら、戸締りどころではない。
庭へ繋がる戸が開け放されており……あろうことか、庭先へしんしんと降る雪が舞い散る様さえ見えて、今開けた戸から直接外へ繋がっているようにも思えてしまった。
いつ来てもある仏間の冷えた静寂の空気は、文字通りの冷えに支配されていた。
そして、庭に繋がる縁側に脚を崩して、庭へ半身を向けて腰かける人影がうっすらと見える。
「――――起こしてしもうたか? いや、違うな。どうせ、お主も起きておったのじゃろ。こちらに参れ、夜更かし坊主め」
そう言って、爺ちゃんの使っていた朱塗りの盃を傾ける人影は他ならない。
寒いだろうに、
ふと、立ち上る抹香の匂いを感じて仏壇を見れば、六本もの線香が立てられて小さな火を灯らせ、細い煙を
更に、その先に――――供えるように、盃がもう一つ。
「……毎晩、爺ちゃんに?」
「否、いくらなんでも毎晩ではないぞ。まぁ、
この人が飲んでいる姿を見る事は、珍しくない。
奇妙な付き合いを持つ事になって、顔を合わせる回数もそう多くはないのに……それでも、この人はあまり酒を手放さない。
ただ、いつもどこか寂し気でもあったのも事実。
俺は、そんな碧さんの姿をいくつか思い起こしながら――――すぐ隣へ座り、縁台の庭側の柱へ背中を預け、向き合う。
上着が必要なほど冷え込んでいる、はずなのに……あまり、今は寒さを感じない。
行儀悪く片膝を立てて、足袋さえ脱いで素肌を冬の寒さにさらけ出して雪見酒を嗜む碧さんが、やがて――――小さなぐい呑みを差し出して来たので、俺はそれを受け取り
「未成年ですけど」
「何、まだ松の内ぞ。
「……屠蘇」
そう、とまで言われては……この空気もあっては、断るのも無粋すぎる。
戸棚の中で見かけただけの黒く焦げ付いた風合いの“ぐい呑み”は小ささとは裏腹に重くて、碧さんが表面張力寸前までなみなみと注いだせいで、あやうく落としかけたほどだ。
「……いただきます」
「うむ。……まぁ、お主も
「変なフォローしないでください。……っ」
もちろん、中身は“お屠蘇”なんかじゃない。
普通の冷やの日本酒で、しかも、これは――――たぶん、相当辛口の部類に入るんだと思う。
含めば酒気が鼻にまで抜けて、舌がピリピリと痺れて――――量にしてほんのひと舐め程度なのに飲み込めば喉がカッと熱くなり、胃に入ったあとでさえ火を吹く心地だ。
すうっ、と息を吸って、せめて冷たい空気で和らげようと深呼吸を数度挟んだほど、俺の喉と腹にはそれが効いた。
「激辛の本醸造じゃ。治彦も好んでおった。……おう?」
「……屠蘇、なんでしょ? コレ」
“お屠蘇”の作法なら、爺ちゃんに教えられて知っている。
若い順番に口をつけて回して行く――――だったか。
二人しかいない雪見酒の縁台とはいえ、そうしようと“ぐい呑み”を差し出したのに……碧さんは、受け取らない。
掌で拒むように遮り、口角をほんの少しゆるめて寂しく笑うだけで。
「……折角じゃが、私はいらん。……もう別に、長寿など欲しゅうないからの」
そう言って、碧さんは更に口を湿らせるように、自分の盃から更に一口啜り、目を瞑る。
「今回は大儀じゃったな。……して、奴は確かにお主が斬ったのじゃな」
「はい。消えました、けど……」
「化生としては知名度も低い、というか、この辺りでしか知られておらぬ。……お主が一度倒したのなら、村には出ても一度か二度、という所か。それで二度と出のうなるわ」
「……こういう事って、よくあるんですか?」
「時期はある。昔から珍しくはなかったぞ。……化生を引き寄せ、神として還し、
「……でも、どうして俺が? 碧さんがやればよかったんじゃ……」
「働かすでない。……お主も帰省する頃合いであったし、お主の成長も見とうてな」
「それが……俺に、あの“安綱”を持って来いと言った理由ですか?」
「……“安綱”か。見つけたのか、それにしては随分と遅いではないか」
「今さらですかね。で、どうなんです」
「確かに、理由のひとつはそれぞ。じゃが……もう一つ、ある」
「もうひと、つ……」
「……時折な。あの手の化生どもが、雪に見える事がある」
「雪……ですか?」
「左様。……お主も、向こうでは雪始末に
そう言われると、箇条書きの魔法か――――似ては、いる。
事実、雪が解けるように消えていくあいつらの姿はいつもどこか寂し気でもあり、満ち足りてもいて――――しかし、また現れるのだ。
「……全く、腹立たしいもの。さんざんに人の手を煩わせておいて、消えたら消えたで寂しくもなる。しかし再び顔を見せる頃には、また腹が立つ。村の連中も大方、そんな捉え方じゃろうよ」
「煙に巻こうとしてませんか」
「多少な。……さて、本題に入ろうではないか。もう一口、飲むが良いぞ」
「はぁ……。……っ、けほっ……っ!?」
碧さんが勧めるので、今度は口も慣れたから……先ほどより大目に啜る。
口は慣れてもしかし喉は慣れずに咳き込み、火で炙られるような辛さがそのままに腹まで流れていくのが分かる。
だが、俺を面食らわせたのはその事じゃない。
目の前で、碧さんが。
――――襦袢の胸を少しはだけ、白く薄い皮膚、かすかに火照った肌を見せつけるようにこちらをじっと見ていた。
「……お主、“あれ”を持っておるな?」
「ちょっと……! 服、乱さないでください! 隠して!!」
とは、言うも――――手で遮ってみても目はどうしても引き寄せられる。
流石に全て見えてはいないが、あまりに――――!
「何の、つもりですか!」
「……慌てるでない、粗忽者。別にお主をかどわかすつもりなどないわ、小童」
碧さんの言葉通り……その顔は、ほんのかすかに上気して呆れたような表情を浮かべてはいるが、冷静で、そして真摯なものに見えた。
だが、この状況――――肩まで脱ぎ、胸に引っかけているだけの上体の着崩しは誤解しか招かないだろう。
「で……どうなのじゃ。今、持っておるな? 見せよ」
「……はい」
碧さんの言葉に従い、ポケットの中から“それ”を抜く。
拵えは平安期の太刀に似た、金蛭の柄。
柄尻には“安綱”と読み取れる程度に簡素に刻印された、柄しか存在しない刀だ。
酒器を置いて、右手にそれを持ち替え、握れば――――浅葱色に透ける煙のような刀身が、現れた。
実体のない刃は舞い込んで来る雪の一粒さえ透けさせ、その刃に積もらせる事もないまま、碧さんの盃へと落ちた。
そして、すすっ、と碧さんが滑るように動き――――
「頼みがある。……それで、私を傷つけてみてはくれんか」
「は……? 何言って……」
「後生じゃ。ほんの少し、肌に滑らせるだけで良い。頼む」
――――この刀身は、存在しない刃、存在しないものを斬る事しかできない。
俺が腹に突き刺しても傷一つつかず、糸一本、紙一枚さえ切る事ができないものだ。
そんな事は、碧さんだって重々理解しているはずなのに……。
「恐らく私はヒトではない。しかし、私にも分からぬ故に、お主に頼む。その刃で私を傷つけられるのか、試してくれ」
「どうして……俺が……?」
「…………治彦にはとうとう、どうしても頼めなんだ故。恐らく、彼奴は気付いておったのじゃ。私が、
――――碧さんの姿は、百数十年変わらない。
神居村の山中で今の姿のまま、一糸まとわぬ姿で現れ……そして、今にまで至る。
神居北小学校の歴代の生徒集合写真には、ずっと――――変わらない姿の彼女が、番人のように写り続けた。
碧さんの目は、微塵も揺らがない。
ただ、ほんのわずかな期待を湛えて、しかし哀しげに丸眼鏡の奥から俺の目を覗き込んでくる。
「頼む。……私に教えてくれぬか。私が、何者なのか……お主の、手で」
碧さんのあらわの肩に、吹き込む雪が落ち、肌の上で溶けて雫になる。
その冷たさに身じろぎする事もないまま、ただ、ただ――――沙汰を待つように、ちらり、と刀身を見た。
そして――――俺も、震える手を誤魔化し、構えた。
せめて、その震えが寒さのせいだと信じたいままに。
――――ゆっくり、ゆっくり。向き合い座る碧さんの胸へ浅葱の刃を押し付けるように近づいて行く。
ほんの少し。
ほんの少し、触れるだけ――――幾度も心に言い聞かせながら。
そして、碧さんの鎖骨下に刃がかすった頃。
――――数粒の光の泡が、消えたばかりの線香の煙と、降り終わらない雪を取り巻きながら月へと昇った。
そして碧さんはようやく満ち足りたように微笑み、雪が止むのと同じくして、月へと最後の一杯を掲げ、一息に飲み干し、盃を置いた。
*****
翌日になり、朝一の電車から乗り継ぎを繰り返し、村へと帰った。
行きより膨れた荷物は多くて、乗り継ぎの前半部分では人の混雑に難儀したが……段々と村へと近づき、人が減るにつれてラクになった。
ようやく乗れた最終停車駅“神居村”行きの一両編成列車の中では、長シートをひとつ丸ごと独占して荷物を置けたぐらいだ。
村へと近づくほど、雪景色は深くなっていく。
実家の方で降ってはいても、少ないとさえ感じたほどの量で、今となっては田んぼと畦道、舗装路の違いさえ見つからない。
まるごと沈んできた雲に村が覆われたような――――飲み込まれそうな光景だ。
『次は、終点。神居村――――神居村駅。お忘れ物のないよう、充分にご注意くださいますよう、お願い申し上げます――――』
ようやく着いた、という安堵。
降りて歩かなきゃいけない、というちょっとした絶望。
二つが混じり合ってなお、脚がずんと重く感じた。
村内を回るバスがあるとはいえ、荷物の総量を見ると……うんざりする。
大型のボストンバッグ一つ、キャリー一つ、それと諸々……。
――――しかし、この村ならでは、というか。
覚悟していたほど、道のりは険しくなかった。
というのも、ホームから下りてバス停へ向かおうとしたちょうどその時、正面からまさしく旧式車のミニバスが走ってくるのが見えた。
俺の荷物と、顔とを見比べて運転手さんがバス停でもないのに止まってくれて――――ほとんど直通で送ってくれる事になったのだ。
丁重に礼を述べ、荷物だけとりあえず玄関を開けて放り込むと、まだ日が沈むまで時間は少しある事に気付く。
なので、俺はもう一度きつくマフラーを巻き直し、再び家を出る。
どこで会えるかは分からないけれど――――。
*****
――――目指す場所は、神居神宮。
この村に一つだけある神道の神所、そこを目指して、雪深い神居村の街道を遡る。
道中、何度か村の人とすれ違い、帰ってきた俺に気付いて挨拶も交わした。
流石にもう三が日も過ぎてしまっていたから、“あけましておめでとう”の言葉は二度しか聞いていない。
まだ日が暮れるには少し猶予のある時間――――いつもは田んぼのあった場所で雪合戦に興じる子供達の姿を見つけた。
あの季節感の無い“悪童”は相変わらず、一月になっても上着なんて着ない。
しかし、流石に親から何か言われたか――――長袖のパーカーだけは着ているが、下は短パンのままだ。
「おーい!! 七支の兄ちゃん! 帰ってきたんかー!」
何気なく、じっと見つめているとあいつは俺に気付いたか、大声で呼びかけてきた。
と、同時に――――その中の一人が、他の子供達と比べて少し大きい事に気付く。
それと上着のフードをその瞬間かぶり、こちらから顔を背けた事にも。
手を振り応じながら近づいていくと、やはり――――その一人は、他のガキどもと比べて妙に背が高い。
下は色気のないジャージ姿で、上は黒いダウンジャケットという姿のまま、フードをかぶって頑なにこちらを向こうとしない。
「兄ちゃん、いつ帰ってきた?」
「つい、さっきな」
「へぇ。お疲れサン。帰ってきたんなら休んでりゃいいじゃん」
「まぁ、ちょっと用事があってさ。……で、だ」
居並ぶ子ども達が俺に顔を向けているのに、今もってなおもその一人だけはこちらを見ない。
「……
「うへっ……!? ち、違うよ……人違いじゃ……」
「バレバレなんだよ。おい、悪ガキ。こいつ怜だろ?」
「そうだけど」
「ちょっと!」
「ほらみろ。観念してこっち向け」
露出度のかけらもない赤いジャージで脚を包み、防寒性しか考えてないダウンジャケット、女モノの長靴というなりで子供達と雪合戦に付き合う姿はこの村で知った姿とはかけ離れてはいても、分かる。
ようやく観念したか、フードを下ろしながらこちらへ向いたバツの悪そうな顔は、間違いない。
――――怜。
「……帰ってくるんなら先に言ってよ、杏矢。恥ずかしいじゃん……」
「悪かったけど、こうでもしなきゃ見れないカッコだな。……元気だったか?」
体のあちこちに雪をこびりつかせたまま、耳まで赤く染めて目を逸らす怜を見て、ようやく実感する。
俺は――――今日、村へ帰ってきたのだと。
「ねーちゃん、さっきまではしゃいでたじゃん。七支の兄ちゃんが帰って来たらぶつけてやる、って言ってなかった?」
「ほー」
「ちがっ、い、言ってない言ってない! そんな事言ってないよ! 言ってないから!!」
「言ってたって。なぁ? さっきまで……」
「……もう勘弁してやれ、悪ガキ。
「え、マジ? 土産あんの!?」
「ああ、明日な。そんな訳で、このジャージの変な姉ちゃん解放してやれ」
始終、いじられっぱなしで口数の減っていくジャージ姿の姉ちゃん、こと怜を連れ出し、その場を離れた。
雪合戦の頭数が減る事への不満は、“土産”の一言で吹き飛んだらしく――――手を振り、上機嫌で俺と怜を送り出したのがなんとも現金、というか……。
「……キョーヤ。……で、どこ行こうとしてるの?」
「お前ん家」
「は……?」
「お前ん家だよ。行く暇なくてさ――――あれ」
道中、気付く。
こんな格好をしているのにも関わらず、怜の左手首には――――あの日の、遅れた“クリスマス”が巻きつき、輝いていた。
どうしても顔を見て渡せず、フードに放り込むしかなかったあのプレゼントの中身。
「……もしかして
「色々立て込んでさ。全然休まらなかった。……それに」
向こうで済ませる気にも、なれなかった。
俺が暮らしているのはここ、神居村だ。
だから、どうしてもそれをやるのなら――――神居神宮で、という気持ちが強かったからだ。
段々と空は陰り、日も暮れてきた。
紫色に染まる空の下、怜の冷えた手を探り当てて、ポケットの中へ招き寄せる。
願いは決まっていない。
ただ、解き明かしたい事ならば今は増えた。
いや――――任された、と言う方が正しいのかもしれない。
でも、今は。
「そういえば、言えてなかったね。……おかえり、キョーヤ」
神居村。
長く空けて帰りつく冬の日は――――――その言葉で、終えようと思う。
今思い付く願いといえば、それぐらいの事で、それでも、大切だから。
「ああ、帰った。……ただいま、怜」
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