第12話 テロリスト教団⑧ 決闘
国際会議場を抑えられた教団は黙ってはいなかった。寄せ集めの招集されただけの戦闘員達は外側へ出てからパソーナグループ妄想舞台オフィスの周辺を警戒し始める。
「ろくに軍隊、自衛隊、警察経験がないメンツだけで大丈夫なんでしょうか?」
後から合流した守川はドンハに質問した。
「まあ、多少なりの足止め、肉壁にはなるだろう。」
ドンハは薄ら笑いを浮かべながら答える。
その頃、志賀3曹は武器と装具の確認、点検だけして残弾がどれぐらいかを確認してから不足した分を、同じ所属隊員から受け取って準備をした。
「今度戦う相手はガチのプロだからな。下手すれば、お前よりかなりの能力がある。油断は絶対するな。」
中隊長は志賀3曹に最善の注意を促す。
戦死した田森士長の穴埋め要員として次は
「板川。レンジャー卒業したばかりで気持ちも昂るのは分かるが過信は絶対するな。現に柔道、剣道、射撃優秀の田森でさえ死んだからな。」
志賀3曹は板川士長に忠告をする。
準備ができた後、すぐに主犯のダニー赤蝮のいるパソーナグループ妄想舞台オフィスに向かって、ドローンが得た情報を頼りに迂回してから花の中海に向かって花の島に入り込んだ。
遠くから何か音がしたため身を潜めて様子を伺う。そして部下に単独で様子を見に行ってくるとだけ伝えて偵察に向かった。
志賀3曹が偵察先へ向かうとちょうど完全に油断していた戦闘員がタバコをふかしながら呆けてるのが見えてたので背後へ近づく。その後、羽交い締めで敵である戦闘員の首を絞め落とした。
そして欠伸しながら歩いていた戦闘員と鉢合わせして近接格闘で確実に仕留める。実は志賀3曹自信、自衛隊徒手格闘、軍隊格闘、護身術、ナイフ戦のスペシャリストで格闘大会も全勝無敗だった。その実力も伊達ではないのである。
今の所、2人しか敵の姿が見られなかったため、部下を連れて花の丘を超えた。その時、戦闘員達が待ち構えており、部隊の小部隊訓練のような完全なる遭遇戦をする羽目になった。
自衛隊と米軍でお馴染みのMINIMI《ミニミ》と呼ばれる5.56ミリ弾を使用する軽機関銃を装備した戦闘員が伏せた状態で闇雲に撃ってくる。
「マジか…ミニミじゃねえか…まあ、奴らは所詮素人か。知らんけど。」
志賀3曹はそう独り言を呟いて相手が撃つのを辞めるタイミングを見計らおうとした。
他の戦闘員が自動小銃を持って回り込んで来たのを見つけてすぐに射撃を開始する。
志賀3曹が発射した5.56ミリ弾が相手の頭に直撃して
そして部下達も敵がいる方向へひたすら射撃を始める。
「弾は有効に使え!まだ妄想舞台オフィスにやべえのがいる。」
志賀3曹は部下や同僚にそう伝えてから機関銃を持った敵の背後へ回り込んだ。
敵の死体から奪ったカランビットナイフで機関銃手の首を切り裂いてテイクダウン(ステルスキル)を決めた。
「幸いにも素人で従軍歴あっても後方職種かなんかだろう。」
中島3曹はそう言って弾が無くなったマガジンに敵から奪った弾を装填して補充する。
そして周囲を警戒しながら階段や坂を登っていき、隠れていた戦闘員を見つけ次第、即射殺した。射殺された戦闘員の死体が転がされるドラム缶のように転がってくる。
目的地の妄想舞台オフィスに到着してから中の監視カメラを9ミリ拳銃で破壊してから監視の目を遮断した。
「トール様、出入りするとこのカメラが破壊されました!」
警備室を占拠した戦闘員が報告をする。
「姑息な。とりあえず何人か下を確認してこい。銃声が聞こえたから自衛隊かSATがいるはずだ。見つけたら殺せ。」
ダニー赤蝮は近くにいる戦闘員に命令した。
階段から誰かが降りる音が聞こえると同時に激しい銃撃音が聞こえて、戦闘員の死体が転げ落ちてくる。
見てみると特殊急襲部隊(SAT)が現れて志賀3曹は少し驚く。
「大阪府警のSATチームだ。だいぶ奴らも戦力を削いでる。残りの敵の数名と赤蝮を逮捕もしくは射殺して人質を救出しよう。」
隊長らしき男が志賀3曹に話した。
それから人質とダニー赤蝮がいると思われる会議室へ向かい、SAT隊員の1人が部屋を覗くためのファイバーカメラで確認する。
そしてドアノブを破壊してSATが突入した後、いつの間にか守川が隊員にタックルをしようと突進して突き飛ばしすが、後ろにいたことで同時に飛ばされた志賀3曹が9ミリ拳銃で守川を射殺した。
ドンハもバレッタM92Fハンドガンで迎撃をして2人のSAT隊員に向かって射撃するが援護に入った中島3曹に何発か撃たれ、胸部や腹に風穴をあけ死亡する。
最後に残ったダニー赤蝮は志賀3曹に9ミリ拳銃を突きつけられ、他のSAT隊員からプラスチックカフで拘束されたあとそのまま逮捕された。
人質も無事、解放されて負傷したSAT隊員は自衛隊の救護員に保護される。初めての実戦を経験をした自衛隊員は完全に疲れきっていた。
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