第11話 テロリスト教団⑦プロ同士
志賀3曹は建物の壁に張り付きつつ、防犯カメラが無いことを確認してから部下達に後へ続くように合図した。
出入り口の扉は自動で開くようになっており、密かに入って防犯カメラを見つけ次第、9ミリ拳銃で破壊する。銃声を聞いた教団の戦闘員は咄嗟に反応して「銃声がなった!見に行くぞ!」と仲間に告げて担ぎ込んでいたAK74自動小銃やM4A1自動小銃をいつでも撃てるように構えながら駆けつけた。
すると9ミリ拳銃で防犯カメラが破壊される音が聞こえてきた。戦闘員達は動揺しながら順調に進んでいくと目の前に志賀3曹がいつの間にか89式5.56ミリ小銃を腰撃ちの姿勢で構えており、連射モードで撃ってくる。
志賀3曹が闇雲に腰撃ちで撃ってきた銃弾の5.56ミリ弾が戦闘員の頭や胸、脚、肩、顔に命中していき、ほとんどの者が断末魔の叫びをあげながら絶命していった。
肩や脚を撃たれてうずくまっているところを9ミリ口径の弾丸を頭にお見舞いする。
「こっちは4名ほど葬った。とりあえず階段を登って行こう。エレベーターは待ち伏せされたら確実に詰むからな。」
志賀3曹は部下に指示を出した。
現在いる場所は国際会議場で一応は重要施設であり下手したら外国人の人質もいるかもしれない。万が一、死者が出れば外交的にも危ういのは承知の上だった。
トイレに向かい電灯の灯りを消すと用を足して終えた戦闘員が出てきて志賀3曹の部下である陸士長が9ミリ拳銃で胸部に何発か撃ち込んで排除する。
「制圧完了!」
陸士長は半分、喜ぶように志賀3曹に言った。その時、違う場所からサブマシンガン持った戦闘員がサッと姿を現して銃撃してきて弾丸が陸士長の首と肩、太腿に命中してその場へ倒れた。
陸士長は痙攣して瀕死になっており、そこへさらに死体撃ちするように陸士長を撃ち続けた。
志賀3曹は咄嗟にトイレの出入り口に隠れて、装弾数を確認してから反撃に出る。
使われていたサブマシンガンはMP5Jで先に突入して殺害されたSATから鹵獲した物と分かった。
そして弾が切れたのかすぐにリロードをしようとして、その隙を突いて志賀3曹が9ミリ拳銃を持って一か八かの掛けに出て近くまで走ってからしゃがむ。そして銃口を戦闘員に向けて引き金を引き続けた。
ちょうど弾が切れてさっきの反動で息切れしながら自分の身に何も起きてないことを確認してから9ミリ拳銃のマガジンをリロードする。
そのあと陸士長の名前を確認して姓名が
「志賀3曹、こっちも敵3名ほど排除しました。え、田森…?」
合流した後輩であり、部下である
「すまない…敵を倒して油断して撃たれてしまったさ。せめて遺留品だけは親か恋人に渡すとしよう。」
志賀3曹はダンプポーチに入れていた田森士長の遺留品を中島3曹に見せて、再度収納した。
「志賀3曹が殺したわけではないですし、どっちにしろ下手すれば俺も志賀3曹も死ぬ可能性高いですから、ここはとりあえず感傷に浸らず案を考え直しましょう!」
中島3曹は使い切った89式5.56ミリ小銃のマガジンをリロードして田森3曹の死体から未使用の弾薬を回収して補填する。そして他のメンバーである
それから残った3人で警備室へ向かい、今まで市街地戦訓練で教わったことを早速実践することになった。
窓から覗くが人質がある気配がなく、警備員の死体が転がっており、モニターを戦闘員が動かしている。
沖田士長がこっそりドアを開けてスタングレネード(閃光手榴弾)を投げてから戦闘員の目を撹乱して、その後に3人で警備室を制圧した。
「ここを抑えれば奴らの目は失明したも同然さ。これからは心置きなくドンパチ出来るぞ。ただ人質の有無の確認は怠るなよ。」
志賀3曹は人質の安全について徹底するように部下へ伝える。
「了解しました。」「了解です。」
中島3曹と沖田士長は返事を返した。
そしてとうとう、人質がいると思われる会議室へ向かい、ドアをノックした。
「あーい。(はーい)」
眠そうな声で戦闘員がドアを開けた瞬間、志賀3曹が9ミリ拳銃で腹部を撃ち続けて抹殺した後、人質に落ち着かせるように合図する。
「皆さん、落ち着いてください。自衛隊の者です。救出に来ました。」
志賀3曹は人質全員に伝えた。
中島3曹は人質を確保したことを報告して、沖田士長は外側を警戒しながら待機している。
それからしばらくして警察の機動隊が人質を救助して、国際会議場は解放され、鑑識による遺体回収も行われた。
志賀3曹と中島3曹、沖田士長の3人は中隊長に状況を報告して車両に戻って行った。しかしまだ完全に任務は終わっていなかった。
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