第9話 テロリスト教団⑤ 警察出動
淡路島のパソーナ妄想舞台オフィスを始めとした主要施設を完全に占領した教団は残っている従業員やスタッフ、作業員を人質にとって立てこもった。
しばらくして警察のパトカーのサイレンが鳴り響く。この施設か他の施設で誰かが警察に通報したのである。
窓から外を見た戦闘員は舌打ちをした。
「面倒くさいことになったぞ。外部の人間はこの状況を知らないだろうしどこかに通報した奴がいるに違いない。」
「ここにいる奴らの携帯、全部取り上げろ。」
戦闘員が叫び散らかす。
戦闘員は自分の目の前にいる従業員やスタッフから携帯電話全てを取り上げていった。
「お前ら変な気を起こすんじゃないぞ。指示に従わないことにつき、1名ずつ三途の川を渡る羽目になるからな。」
戦闘員の1人が脅しのような忠告をする。
警察官2名がパトカーから降りてきて出入り口に入ってきた。
「防犯ベルもあるはずだし、ここに警備員いるはずだろ?特に施設警備とか。」
警察官は同僚に話しかける。
「対応してるのか、それか良からぬ何かが起きているのか行ってみないと分からないかもですね。」
話しかけられた同僚の警察官はそう言って屋内に真っ先に入って行った。
すると銃声が聞こえると同時に1人の警察官が倒れて、もう1人が動揺して慌てふためく。
遮蔽物の影から銃口らしき物が見えて、見えたものを確認したころには時すでに遅くまた銃声が鳴った。もう1人の警察官も同僚と共に帰らなぬ者となってしまった。
「誰だ!?勝手に撃った奴は!」
ドンハが駆けつける。
「邪魔が入ったから取り除いただけです。」
警察官を射殺した戦闘員がドンハに名乗り出た。
「チンケなお巡り殺してどうする?!今、警察サイド犠牲者出したらどれぐらいまずいのか想像すら出来ないのか!?」
ドンハは勝手に行動を起こした戦闘員に対して怒り狂っている。
その一方で銃声を聞いたパトカーの後部座席にいる警察官2人も反応してすぐに警察署に連絡を取った。
淡路島警察署
淡路島におけるパソーナ社有地における不審なことが起きていることについて現地の警察官が連絡したことで刑事や警察官のほとんどが忙しそうだった。
その前にもパソーナの従業員が家族や恋人、友人に密かに連絡して、そこから中継するように通報があったことで警察署長は嫌な予感を感じていた。
「署長、何か思い当たることでも出てきましたか?」
副署長が署長の顔を伺う。
そしてパソーナ代表取締役会長である
「これは普通の立てこもりではないな…そこらの強盗みたいな奴なら辛うじてだが謎の武装集団パソーナ施設占拠!なんて話だと状況が変わるぞ。機動隊と大阪府警のSATにも出動準備を要請しよう。」
署長は今目の前にいる署員に案を伝える。
淡路島
警察の出動要請があってから、現場に残った警察官は待機するように命令されて事後状況を説明するつもりであった。しばらくして黒いSUVや数台のパトカー、機動隊輸送バス、SAT輸送に使われる黒い秘匿性の高いバンが後に続いて行く。
現場を機動隊が封鎖して近場の公道や地域周辺を招集された警察官が検問やパトロールを行っていた。しばらくして近場の交番から警察官の遺体も見つかり警察は最悪な事態を想定せざるを得ない状況となった。
機動隊員がパソーナ施設を包囲してパソーナ妄想舞台オフィスや国際会議場などを主要だと思われる場所に警察警備部の特殊急襲部隊(SAT)を突入させて犯人の逮捕、やむを得ない場合は射殺と言う命令を通達した。
教団の要求は淡路島を日本から独立させて資本主義、自由主義を悪用した搾取構造を辞めさせることである。
教団のリーダーであるトール様ことダニー赤蝮は多様性があり、多民族で成り立つ国家を淡路島を筆頭に作るつもりだった。
「マスコミ対策は万全だがもし、人質救出の妨げになると判断したら公務執行妨害として逮捕しろ。全ての責任は機動隊隊長である私が取る。」
機動隊隊長は機動隊員のみならず交番や所轄で勤務する一般の警察官に命令をする。
特殊急襲部隊(SAT)はMP5シリーズにドットサイトやグリップなどを取り付け、ハンドガンはUSPやSIG P225などを装備した状態で建物へ駆けつけた。
戦闘部隊隊長はここまで警察が来るならおそらく特殊急襲部隊(SAT)が来るだろうと想定していた。
「SATの場合、装備は9ミリ口径のサブマシンガンにハンドガンだろう。火力はそこまで無いかもだが屋内戦となると厄介だから気を抜くなよ。」
近くにいる戦闘員達に警告をする。
特殊急襲部隊(SAT)は建物に入って人影が無いことを確認して、それぞれ情報を共有しあって連携していく。しかし抜けがあることに1人の隊員が気がついた。
安全を確認した後、ちょうど火災報知器のようにドーム状になった防犯カメラがあり、トイレの近くにある芳香剤の内部にも隠しカメラが仕掛けられていることに気づく。
「しまった…。」
「どうした?」
「カメラがあること今気がついた…」
特殊急襲部隊(SAT)の隊員は一瞬の動揺で慌てふためく。
「こいつら、警察の精鋭部隊にしちゃバカかよ。ゴキブリが入ってきた。鉛の殺虫剤巻くなりして殺れ。」
ドンハはそう言ってM4A1自動小銃を取り出して現場へ向かう。
態勢を取り直そうとする特殊急襲部隊(SAT)がいるホールに戦闘員が駆けつけた後に激しい銃撃音が鳴り響いた。
特殊急襲部隊員の断末魔の叫びが聞こえ、瀕死でまだ息のある隊員をドンハが何発か5.56ミリ弾を見舞して葬った。
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