メール。
「なぁなぁ、あさだっ! 青いほのお見せてくれよ」
「あたしもみたい!」
「おれもおれもー!」
「……ナーくん、ちょっと任せていい?」
いくつか授業を終えて給食の時間。
私は授業中に届いたとアイズギアから知らされたメールの着信と、ペイッターのダイレクトメッセージに対応するために友達の対応をナイトに任せた。
教室を一瞬で満たして包み込む蒼い炎に、みんなは悲鳴なのか歓声なのか分からない声をあげ、そうして収束した蒼炎がナイトを形作ると、教室が阿鼻叫喚の大喝采に。
…………阿鼻叫喚の大喝采って、日本語として合ってるかな?
「「「ナイトくんだぁー!」」」
「わうっ!」
ここでもナイトは大人気なので、暫くは友達の相手を任せられそうだ。
今のうちに私は、まずペイッターに届いたダイレクトメッセージを開く。
今更だけど、ダンジョンムービーもダイレクトメッセージも、どっちも略称がDMだから面倒臭いね。
さてさて、メッセージの内容はっと…………。
『真田大正@映画見てね☆:突然のメッセージごめんね! ちょっとお願いがあって、出来れば返信ください』
おぉ、べしゃりステージでお世話になった大正さんだ。なんか、凄いなこれ、私今ジョニーズ所属のアイドルからダイレクトメッセージ貰ったんだよね? ファンに殺されないかな?
『蒼乃フラム:メッセージ確認しました。今は学校のお昼時間ですが、次の授業までなら対応出来ます。時間が必要な場合は夕方までお待ちください』
送信完了。
あとは届いたメールの方だけど、こっちはムジテレビのお偉いさんからだね。
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From:
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To:蒼乃フラムxxx_xx@xxx.xx.com
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件名:蒼乃フラム番組出演権の行使。
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本文:謝辞を省いて失礼するね。
いきなりで悪いんだけど、先の件で約束した、出演権使わせて貰うよ。真田くんから連絡が行くと思うから、詳しいことは彼から聞いて欲しい。
フラム君に貰った三つの出演権の内の一つをこんなにすぐ使う事になるとは思わなかったけど、数字が取れそうな企画だから是非よろしく頼むよ。
P.s.孫がフラム君のサインを物凄い喜んでくれたけど、おじいちゃんだけフラム君に会ってズルいと怒られてしまった。もし良ければ孫を交えて食事などどうだろうか。当然お金の心配はしなくていいし、普通じゃ入れないとびっきりの場所に案内するよ。
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すごい偉い人から、すごいフランクなメール来たんだけど、私はこんな時どんな顔すれば良いの?
て言うかこれ、P.s.が本文じゃない? 一番重要な詳細については大正さんから伝えられるって書いてるし、さっきのメッセージの事なんだろうね。それでお孫さんとお食事とか、お仕事と私情を一個のメールに載せないで欲しい。
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From:蒼乃フラムxxx_xx@xxx.xx.com
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To:豪徳寺 実彰xxxxx@xxx.com
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件名:Re:蒼乃フラム番組出演権の行使。
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本文:メール確認しました。大正さんからの連絡も確認しましたので、詳しい話しはそちらと詰めます。
お食事の件も了解しました。
予定が空いていて、時間が合えばコチラは構いません。
ナイトは幽霊になってしまって食事は出来ないんですが、自分に対して出された食べ物をお供え物のような扱いで味だけは食べる事が出来るみたいなので、ナイトが喜ぶお店だと嬉しいです。
食べた物は口の中で、蒼炎で焼き尽くすので見た感じは一緒に食事出来てる感じになれます。
P.s.ナイトは物凄くお肉が好きです。
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送信完了。
さて、大正さんからはまだ返信が…………。
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From:豪徳寺 実彰xxxxx@xxx.com
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To:蒼乃フラムxxx_xx@xxx.xx.com
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件名:Re:Re:蒼乃フラム番組出演権の行使。
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本文:了解した。日本で一番美味しいお肉を期待してて欲しい。
ナイトくんによろしく!
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返信はっやッ……!
お偉いさん、ナイトの事好き過ぎるでしょう! うちのナーくんは一体どれだけの人間を魅了してしまってるのか、ちょっと怖くなって来たぞ…………。
しかしまぁ、ナイトのお陰で私も日本一美味しいお肉が食べれるみたいなので、良いとしますか。
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