第6話 着信あり!
容疑者たちもようやくそれで納得し、Lphonの持ち主は先生に見せる準備をした。
画面を見せたときの様子はこんな感じ。
小山さんと苅田君と根本君はすんなりと画面を見せてすぐに終わった。
角田さん、真野君アプリの数が多すぎて、先生のチェクに時間がかかり
水城さん、八田君、杉田君は先生に見せる準備をするためか、指で軽くタップして操作をした後に先生に見せていた。
最終的に『chat』のアプリが確認できたのは角田さん、杉田君、苅田君
でもこの3人は該当の時間に着信はなかった。
そして…
「他の該当者は全員見せたんだ、遠野も見せなさい!」
「だから本当に画面見せるのやだってば!」
見せることをまだ拒んでいる遠野さん。
まだ確認できていないけど、多分この様子だとアプリをダウンロードしているだろう。
それから数分くらい押し問答があって、ようやくスマホを先生が確認するとアプリがあった上に、該当の時間で着信履歴があった。
もう逃れようがない、着信が鳴ったのは彼女のスマホだ。
「遠野が犯人だな。じゃあこれは今日下校時間になるまで回収させてもらう」
先生も納得して、そのスマホを持っていこうとする。
しかし…
「先生待って!マナーモードにしてたから、着信音なんかなるはずないって!設定調べてよ!」
と、先生に懇願する。
でも、それは先生どころか他のクラスメイトにも通じない。
「そんなの証明になるかよ!マナーモードの設定くらいなら先生が回ってくるまでの間にいじれただろ。」
そう言って彼女に耳を貸さないように真野君が先生に助言した。
先生も彼女の言い分を聞く必要がないので、そのまま没収をしようとしていたのだけど…
「先生、遠野さんではないと思います。」
彼女の味方が現れた。
田中君だ。
「着信音、僕より右側の列の前の方から聞こえました。」
これは、彼女にとっては天の助け以外何者でもなかっただろう…でも…
「そういうことは早く言え!そしたら無駄に着信履歴見られずに済んだのに!」
彼女の言い分がもっともだった。
でも、彼の意見が本当なら…Lphonでchatのアプリを入れているのは一人しかいなくて…それはつまり…
「苅田君しかいなくない?」
誰かわからないけど、ぽつりとそういうと
苅田君はそれに反応して怒り出してしまう。
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