Episode9

朝のリュウキュウ。今日は曇っていた。いつ雨が降るかわからない天候

真衣とベリシャが住む家も同じように朝を迎える

真衣「おはようベリシャ」

ベリシャ「おはよう愛してるわ」

早速愛してると言われて軽く赤面する真衣

真衣「も、もう早速愛してるなんて言わないでよ」

ベリシャ「あら?今の気持ちを言っただけよ?」

そう言うと真衣も言おうとしてた

真衣「うん。私も愛してる。私のベリシャ…っ」

相手の名前を言った瞬間にベリシャは真衣とキスをした

真衣「ん…ん…」

ベリシャ「んちゅ…れろ…」

当然ながらディープキス。少し経つと唇同士が離れて見つめ合う

真衣「んもう。朝から凄すぎベリシャ」

ベリシャ「ふふふ…。サキュバスを舐めてはいけないわ」

真衣「舐めてないよお」

そんな朝を過ごしていた


一方の華奈とメイの家。今日は華奈は朝から挑戦的なことをしていた

メイ「華奈…一体何を作ってるのかしら…」

そう言うと華奈はその料理を完成したようだ。テーブルにそれを置く

華奈「はい!朝はフレンチローストよ!」

フレンチロースト!飛びかかるように椅子に座る

メイ「わあああ!?これぜっっっっったい美味しいやつ!」

パンが黄色く染まり、焼いた後のパンだった。香りもいい。間違いなく美味しいものだ

華奈「ナイフとフォークで食べてね」

いただきますを言い2人は食べてた。あまりにも美味しい。これは成功だ

メイ「んんん~~!たまらなく美味しいわ~~!」

華奈「よかった。成功のようね。私が作ったものだけど、美味しいわね」

メイ「これで飲むコーヒーのなんと美味しいことか!」

2人はいつの間にか食べ終えた。メイは華奈を見つめた

メイ「華奈。愛してる」

メイが真顔で言うもんだから華奈は反応した

華奈「こんなので愛してるとか言わないでよ~。でも嬉しい」

2人は笑いあった


朝ごはんを終えた後、メイはまたエネルギー吸収のために向かう

メイ「今日はね。公園に行って樹木だらけの場所に向かうわ」

華奈「わかったわ。いってらっしゃい」

そう言うとキスをする。相変わらずの日常だ

キスをするとメイは自転車でその公園へと向かう。これも日常風景だ

ふと。どうてもいいことを思う

華奈「メイってあの自転車ちょっと古くないかしら。新しい自転車にしたほうが絶対良いと思うけど…」

メイの使っている自転車は少し古いタイプのやつだ。マウンテンバイクとかそういうものではない

おまけに今の時代必ずといっていいほどあるギアチェンジというのがない自転車だ

電動アシスト自転車とは言わずとももうちょい良い自転車にしたほうがいいような。そう思う華奈だった


今日の華奈はお休みだ。だから今日はパソコンで遊ぶことにする

この時代色々なブラウザゲームはたくさんあるためそれで遊ぶ。結婚したのでガチャ課金はほどほどにする

しばらくの間遊んでいた。やはりパソコンだと集中力が違う。据え置きでもいいのだろうが、パソコンのほうが慣れている

華奈はちょっとだけいかんと感じた。肩が凝る。自分で肩をトントンした。やはりマグネループが必要だろうか

気分転換に庭を見る。そう言えば洗濯物も干さないと。だが今日は曇り。雨が降ってこないといいが…

庭を確認するとトマトがまたもや収穫できそうだ。赤いうちに、腐らないうちに、華奈は収穫をする

きゅうりもいつの間にか収穫できる。それも収穫することにする

そしてお次は洗濯物干しだ。雨が降りませんように…そう思い干す

ちらっとお隣さんの家を見る。なんとなくだがその家に近づいた。心から許せる隣人さんだから何も言われないはずだ

真衣とベリシャの家の庭を見た。野菜はまだまだだろうか?だが前よりか大きくなっているのがわかる

ん?庭のドアの前で真衣がいたのが発見した。彼女はいったいなにを…

彼女を見たら片手で洗濯カゴを持ちながら片手で何か布をかいでいた。あ…間違いなく…

真衣が華奈のことに気がついた。布の匂いをかぐのをやめて挨拶する

真衣「あ、華奈!どうしたのここまで来て?」

えーと。なんて言えばいいだろうか。とりあえずありのままのことを言う

華奈「いや、ちょっと庭の確認をしたのよ」

そう言うと真衣は笑顔で言う

真衣「確認に来たの?大丈夫だよ。野菜はすくすくと大きくなってるよ。もしかしたら後少しで収穫できるほど!」

まあそれはわかる。華奈は庭をまず確認したため野菜が大きくなっているのはわかる。だが、その布は…??念の為に聞いてみる

華奈「…で、今手にしてるのは?」

真衣「ベリシャのパンツだよ?」

…直球ストレート。華奈もメイのパンツをかいだことはあるが、真衣の場合ベリシャのパンツである

華奈「…本当に真衣はベリシャのこと愛してるのね」

なんだかここまで来るとこっちの愛が霞んで見えてしまう。そのぐらい真衣とベリシャは負けるほど仲がいい

真衣「もうベリシャがいない生活なんてありえないもの!」

華奈「そう…だよね。私だってメイとのいない生活なんてありえないわ」

お互い様である。真衣は笑う

真衣「あはは!でもね、ベリシャが仕事に行ってるから私はきちんと家事しないとだめだからね」

そう言うと真衣は物干し竿に行き洗濯物を干す。いつの間にかパンツはポケットにしまってた

華奈「ベリシャは愛したいという気持ちが強い悪魔なのね?」

突拍子もないことを言う。真衣はまた笑顔で言う

真衣「そうだよ!私はヒューマンだけど愛されたいな。って気持ちが強いから!そこらへんは人間っぽいでしょ!」

この時代の悪魔はあまり悪い種族とは思えない。今を生きる同じ人間の形をした種族だ

華奈「私だって、愛されたいという気持ちが強い精霊よ。真衣と変わらないわ」

真衣「じゃあ…セックスするときはいつもメイが責めるの?」

え。こんなときにそんな話?だが華奈はあまり恥ずかしがることなく言う

華奈「そ、そうよ」

真衣「一緒だ~!ベリシャの責めはほんと上手くていつもあえぎ声出しちゃう!だから大好きなんだベリシャのこと!」

明るく言ってるので恐らく嘘ではない。本当にベリシャのことを愛してるんだな。とは思った

そう言うと真衣は家の洗濯物を全て干す

真衣「…今日は雨降ってこないといいねえ」

華奈「そうね」

そんな会話をしてた2人であった


メイは公園に行きちょうど良さそうな樹木を選び、そこで瞑想をする

瞑想というよりもエネルギーの吸収である。そしてその樹木は成長を促し、より大きくなる

特殊な性質を持つ仙人だからこそできるやり方である。メイはその樹木のエネルギーを吸収してた

しばらくすると2人の親子が近くにいた。そして喋っていた

子「ねえねえお母さんあそこに仙人いるー」

母「そうね。決して邪魔しちゃだめよ」

子「すごいね!全然動かない!」

母「大声出してもためよ。さ、行こう」

そう言うと親子が離れていく。だがメイはそんなこと気にもせず集中していた

またしばらくするとエネルギーが充満したようだ。目を開け、瞑想を終える

メイ「…森林の中だとエネルギーがまた違うわね。でもやっぱりガジュマルだったりマングローブがいいのよね」

また今度ガジュマルの森林にでも行ってこよう。そう思いその場を立つ。すると声をかけられた

?「あの!もしかしてメイさんですか?」

その言葉を聞き顔を向ける。そこには赤い髪、赤い瞳をした身長のある女性がいた。メイは思い出す

メイ「あ!火車さん?」

火車「そうですよ!火車理子です!」

彼女…華奈とメイの披露宴で出席してた火の精霊の一人。とても良い人である

披露宴の出し物で火のパフォーマンスをした人である。披露宴の中でそんなことするのは彼女ただ一人である。ちょっと危ない

火の精霊なので普通の火を扱えるというなんとも凄い精霊。火を触っても全然暑がることなく扱える

こういう火の精霊は消防団員などになることがあるが、彼女は普通の仕事をしてる人だ。火はおまけ程度という感じ

副業程度に火のパフォーマンスをして観客を喜ばせる。そんなことをしてる理子という人物だ

理子「また会えてよかったです!どうですか?新婚生活は?」

メイ「とってもイチャイチャしながら生活してるわ!」

理子「よかった~!それが一番ですよね。私も旦那と結婚してもう何年経つかな~」

彼女は既に旦那がおり、一緒に生活している

メイ「ここへ何をしに?」

理子「ちょっとしたパフォーマンスの練習です。私、火の精霊なのでパフォーマンス関連で依頼が来たりするんですよ!」

なるほど。パフォーマンスの依頼か。確かにそれは面白そうだ

メイ「でも公園でそんな火の練習なんてして大丈夫なの?」

理子「大丈夫ですよ~。火は出さない状態で練習してますから!」

どうやら火は出さない練習らしい。それを聞いてホッとするメイ

あまり精霊関連の人々は詳しくは知らない。これは華奈に聞いたらわかるだろう

理子「じゃ!そろそろ行きますね!」

メイ「ええ。パフォーマンス頑張ってね」

理子「ありがとうございます!」

そう言うと理子は去っていった

メイ「…火を扱えるとか言ったらバーベキューのとき大活躍じゃない?」

火をなんとも思わない精霊というのも凄まじそうな種族だなあとは思うメイだった


夕方。華奈とメイはソファーに座り仲良くテレビを見ていた

華奈「…でもさっき話してくれたとおり理子がいたなんてびっくりね」

メイ「火の精霊って四元素の中でもすごいんじゃない?」

華奈「そうね。あまり言えないけど精霊で一番凄いのは火で、あまりパッとしないのは風なのよ」

メイ「風…ねえ」

華奈「風の精霊は祈りを捧げると風がまいこんで風が吹くっていうんだけど…だからと言って種族差別は禁止よ」

種族差別…この世界で一番やってはいけない差別。どこかしらで種族差別をして問題視されることが多々ある

メイ「でも華奈は成長を促すっていうまじない持ってるからそれは良いことね」

華奈「そうかしら?私ももうちょっと園芸を理解して園芸店に働けばよかったかしらね」

メイ「いいじゃないそれは。華奈は華奈なんだから。ありのままの華奈が私は一番好きなのよ」

華奈「ありがとうメイ。私は私のままでいるよ」

そう言うともう何回目か全くわからないノックオンが聞こえた。3回だった

華奈「これは真衣…」

華奈は玄関に行きドアを開く。真衣の姿があった

華奈「真衣!」

真衣「華奈。実はさー。調子に乗って漬物をたくさん作ったらあまりにあまりまくってベリシャがこれ以上いらないっていうの…

だから華奈たちにおすそ分けしたいなーって思って持ってきたよ」

そう言うと手に漬物を出した。きゅうりとナスの漬物だった

しかしベリシャがそんなこと言うとは…意外とこういうしょっぱいものは苦手なのだろうか?それともワインに合わないからか…?

華奈「まあ!漬物は私たち好きだから嬉しいわ」

真衣「よかったー!はい、どうぞ!」

真衣は漬物を華奈にわたす

メイ「お!漬物!」

いつの間にかメイも来ていた

真衣「また何かあったら華奈におすそ分けするからね!」

華奈「いつもありがとう」

メイ「漬物渡してくれるなんて最高ね!」

真衣「どういたしまして~!じゃあね!」

真衣は隣の家に戻っていった。玄関ドアを閉めて2人は顔を見合わせる

華奈「今日の酒の肴決定ね」

メイ「最高すぎる隣人さんでめちゃくちゃいい気分ね」


夜…今日はメイが作ることになった。華奈はテレビを見ている。真衣がもってきてくれた漬物を食べていた

たまには発泡酒ではなく缶ハイボールでも飲んで気分転換しよう。そう思い飲む

今日のテレビは天使協会と悪魔協会の話題だった。総本山の話だった

華奈「へえ…総本山代表ってどっちもなかなかの美人じゃない」

天使協会総本山代表と悪魔協会総本山代表の顔がテレビにうつる。どうもミカエルとアークデーモンという名前らしい

大天使ミカエルは前は適当すぎる人だったらしいが何かがあり少し真面目になりとても良い人になった

一方で現魔王アークデーモンは無機質な態度の人だが最近は表情を変えることが多くなったらしい

華奈「…天使協会はよくわからないけど悪魔協会だと真衣とベリシャ、アークデーモンに会ったことあるのかな…?」

正直どちらも強そう。その一言だった。どちらも動けば国の1つぐらいは滅亡させることが可能らしい

そのぐらい総本山というのは大きく強い組織だと言う。ある意味とちらも怖い

法と秩序。混沌と自由。…これが天使協会と悪魔協会だと言う。面白い話であった

メイ「おーいできたよー」

そう言われると華奈はソファーを離れて椅子に座る。今日はチーズをふんだんに使った料理だった

華奈「これ、ドリア?」

メイ「そうよ~。中にごはんとじゃがいもとベーコンが入ってるわ!」

華奈「食欲をそそるわね~。いただきます」

大きいスプーンである程度更に乗せ、小さいスプーンで食べる。文句なしで美味しい

華奈「んん~!全てがばっちし合う!」

メイ「これ美味しいのよね!どんどん食べよ!」

2人は食べていた


食事が終わり、ソファーはいちゃつき。今日は華奈がメイの頭を膝枕していた

華奈「…どう?膝枕?」

メイ「とてもいいわ…華奈の太ももとっても柔らかい…」

華奈「よかった。良いと言われると嬉しい気分になるわ」

そう言うとすっとメイは頭を起こし華奈の目線に合わせる

華奈「? どうしたの?」

華奈が言うとメイは華奈の顎を掴む

華奈「あっ…」

メイ「膝枕もいいけど…私が一番好きなとこは…」

メイはそう言うと華奈の唇を奪う。長いディープキスだった

華奈「ん…ちゅ…」

メイ「れろ…ん…んちゅ…」

ディープキスを終える。2人は顔を赤くしながらメイは言う

メイ「華奈の唇。一番好きで気持ちいいところよ」

華奈「もう、メイったら…」


一方の真衣とベリシャ。ベッドで仲良くしていた

真衣「お隣さんもこうやってイチャイチャしてるのかな…」

ベリシャ「あら?ちょっと不倫?」

真衣「え?そんなことないよ。そう思ってるだけだよ?」

だがベリシャはゆっくりと真衣の体を寝かしつけた

真衣「ベリシャ…」

ベリシャ「ねえ?真衣。私の目を見て」

そう言うと真衣はベリシャの目をじっくりと見た。悪魔の目をしていた。これは間違いなく呪術だった

真衣「…ベリシャの目、キレイ」

ベリシャ「そうよ。いい子ね…私に委ねなさい」

真衣「はい…ベリシャ」

その言葉を言うと2人はキスをした


リュウキュウの夜

昼間は曇っていたが、今はキレイな夜空だった



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