Episode7
リュウキュウの朝がまた始まる。だが、今日は雨であった
ザーッと降る雨…それでも一応郵便受けには確認しないとだめなので華奈は確認をする
華奈「雨かあ…」
傘をさして郵便受けに行く。今日も今日で新聞と広告のみだ。たまに手紙が送られたりもする
雨だと外に出るのが難しいというのは生きてる人間ほぼ全員そう思ってるだろう
ここリュウキュウも意外と定期的に雨は降る。しかし今日は庭は確認しなくていいだろう。雨で潤うからだ
後は自然と成長できればいいだけ…お隣さんも成長を促すまじないをしたためぐんぐん育ってるに違いない
そんなことを考えてたらなんだか寒くなってきた。いい加減戻ろう
華奈「今日は今日で外出は無理ねえ…」
今日の華奈とメイの朝ごはんはパンだ。トーストでパンを焼いてマーガリンやジャムを付ける
もちろん、目玉焼きだったりちょっとしたサラダもある。それだけでも昼ごはんまで持つ
メイは目玉焼きを食べようとしたらちょうど半熟のような目玉焼きが喜ぶ
メイ「半熟で美味しい~」
華奈「今日は上手くできたのよ」
メイ「褒めてあげる!偉い!可愛い!美人!愛してる!」
華奈「あ、ありがと」
それだけで愛してるなどと言われて照れる華奈。だが悪くはない
メイ「ところでさ…」
メイは食べ終わると華奈に言う
華奈「何?」
メイ「今日雨降ってるけどエネルギーもらいに森林に行くね」
雨が降ってるのに?大丈夫かそれ
華奈「ずぶぬれにならない?」
当たり前のことを言う華奈。しかしメイは言う
メイ「大丈夫よ。傘を上手く使って座禅を組むわ。傘さしても集中力は途切れないから」
華奈「そ、そう。わかったわ」
まあ仙人の彼女だからそこは上手くするのだろう。そう思った華奈だった
2人とも食べ終わりメイは早速傘を持って出発する
華奈「寒くなったらすぐに戻ってきてね?」
メイ「ええ。大丈夫よ」
そう言うと2人はおなじみのようにキスをする。2人はまだ新婚だからだ
キスを終えると傘をさしてメイは行く。華奈はその姿が見えなくなるまで見送ってた
華奈「…でも座ったらお尻あたり濡れないかしら…ほんとに大丈夫かな…」
玄関ドアを閉めた
今日の華奈は半分仕事だ。仕事の作業があるためまたずっと作業をしていた
この仕事…上手くいってるかどうかわからないが、それでも給料はきちんともらえてるから多分いいのだろう
だが…2人のお金でなんとかなるだろうか?メイはたまに造園業でお金をもらってるがそれでなんとかなるか?
いくら愛があるとは言えど、なんでもお金が無いとだめだろう。そう思ってしまう
そう言えばお隣さんのベリシャは就活は上手くいってるだろうか?仲良しのお隣さんのことも気になる
光熱費、水道代…色々と重なる部分はあるため上手くお金のやり取りをしないとだめだろう…
こんなことでメイとの関係はギクシャクしたくない。メイもそう思ってるに違いない
ここまで思ったらふと、忘れてたことがあった
華奈「あ…洗濯物…」
しかしさっきも言ったが今日は雨だ。部屋干し確定。乾かない様子なら空調入れておくしかない
早速華奈は洗濯機前の洗濯カゴがある場所へと行く
洗濯カゴに洗濯機を入れる。2人だけなのでそこまで量は多くない。どさっと入れてスイッチONしようと思ったら…
華奈「…あ、メイのパンツ」
そう言うと華奈は使用済みのパンツをすっと手に取る
メイのパンツは少し子供っぽい。果たしてこのパンツはどこで買ってきてるのかわからないが…
華奈はうろちょろして周りを確認する。今は一人しかいないはずだが一応、念の為。だ
メイのパンツを嗅いだ。すーっ…どこか性器の香りがする。華奈は少し興奮した
華奈「すー…メイ…」
だがここで止めようとした
華奈「…何やってんだろ私。さっさと洗濯しちゃお」
そう言うとパンツを洗濯機の中に入れてスイッチONした
雨の中の森林をメイは座禅を組んでいた
雨の音はうるさいかもしれないが、集中力があるため決して途切れない瞑想だった
傘を上手く肩を使いさすように。下半身が濡れないように折れた枯れ木の上に座るように…工夫は当然してる
パッと目をあける。そろそろエネルギーが充満してきた。これでまた活動できるだろう
そろそろ帰ろう。そう思ったら声が飛んだ
?「あ!おーい!メイー!」
その声の方向に向く。すると普通の服を着てオレンジ色の髪色、ロングヘアをして瞳の色もオレンジの人に会う
メイ「お!田口愛華ちゃん!」
その顔はメイにとっても顔見知りである。メイは今いる場所を立ち、愛華の方向へと向かった
愛華「元気?披露宴以来だね!」
メイ「そうよ!貴女も元気だった?同じ仙人としてちゃんとエネルギー取ってる?」
メイがそう言うと愛華はニコニコとした顔で言う
愛華「もちろんだよ~!偶然だね?私も実はここで座禅してたんだ!」
愛華が言うと座禅してたであろう方向に指をさした。意外と近くにいたかもしれない
メイ「そうなの。雨の日の座禅ってめんどくさいよね…」
愛華「そうだよ~!でも雨でもきちんと吸収できるから行かなきゃだめなんだよね」
メイ「だよね。同じ仙人仲間として仕方ないことだらけだよね」
そう言うと笑い合う
愛華「ねえねえ。華奈さんとは順調?」
メイ「ええ。もちろんイチャイチャよ」
愛華「いいねえ~。私も最近彼女できたばかりなんだよ!」
メイ「え!そうなの?」
披露宴で出席した愛華は2人のことを羨ましいと言ってたことは覚えている
愛華「えーとねー。種族は人間でね!凄いキレイな顔した美人なんだよ~!」
メイ「よかったじゃない!おめでとう!」
そう言うと愛華は更に喜ぶ
愛華「私のようなオレンジの髪色でね!身長は彼女のほうが上なんだけど、それでも大好きって言ってくれるからね!」
…ただ愛華は一応メイ以上の身長をしてるため、それ以上の身長か…人間としては珍しい…
メイ「ふーん。早速初夜でもあったんだ?」
愛華は答える
愛華「そう!初夜はとっても濃厚だった!お互い体を重ねて愛し合ったよ!あの子、責めるといい声で鳴いてくれたよ!」
ほうほう。やっぱり愛したい種族だからか愛華のほうが主導権を握ってたか
メイ「やっぱりそうよね。お互い仙人だから愛したいほうが上回るのよね」
愛華「だよ~!いやあ女の子同士の重なり合いってなんで気持ちいいんだろ!」
こんな雨の降る中で初夜を語ってる仙人…
愛華「…っと!そろそろかのぴっぴのデートの時間だ!んじゃあね~!」
メイ「ええ、バイバイ」
そう言うと愛華は去っていった。元気そうで何よりだ。だが…
メイ「…かの、ぴっぴ…??どういう言い方なのかしら…」
かのぴっぴとは恐らく彼女のはずだが、なんていう言い方だ。最近の仙人はそうなのか。そう思いつつメイも戻ることにした
メイは戻る。そう言えばどうでもいいが私の華奈と友人の愛華と「華」が重なってて珍しい。ただそれだけを思った
華奈という名前はとても良い名前だ。私なんぞカタカナのメイだからなあ…とは考えてた
そう言えばこのメイという名前は漢字で表すと「梅」なのだがそれだと現代な名前ではないとしてカタカナ表記になった
なんだか名前とは面白い。愛華の彼女はどういう名前だろうか。聞けばよかったが、聞くのを忘れる
考えるうちにいつの間にか自宅に戻る。傘を傘立てに置く。ドアをあける
メイ「帰ったわよー。華奈ー」
華奈「あ!おかえりメイ」
そう言うと華奈はメイに抱きつく
メイ「んっ。どうしたの?」
華奈「ううん。ただ抱きつきたかっただけ」
メイ「そうなの。いつでも抱いていいからね」
そう言うと華奈は離れた。そして今日の昼ごはんを言う
華奈「今日はね。蕎麦を作ったの。もう出来上がったるから食べよ」
メイ「お!この肌寒いときに蕎麦だなんてナイスね」
テーブルに置かれてる蕎麦は買ってきた天ぷら、ネギ、わかめが入った蕎麦だった
華奈とメイはテーブルに置かれてる蕎麦を食べた。うん。美味しい。やっぱり蕎麦は暖かい蕎麦だろう
華奈「でも本当はもりそばのようにしたかったけど、今日雨降ってるしね…」
メイ「まあそうねえ。でもまだシーズンとしては夏に近いから大丈夫よ」
ズルズル。ズルズル…ある程度しゃべると無言になる2人。蕎麦って無言になる食べ物か…
するともう食べ終えた。うーん早いなあ。とは思う2人
華奈「…あっという間に食べたわね」
メイ「早いお昼ごはんだったわ」
そう言うと2人は食器を片付ける
昼過ぎ…華奈はパソコンで作業。メイは暇なのでテレビでも適当に見ていた
今日みたいな雨だと依頼も来ない。メイはそう思ってた。洗濯物は部屋干しで空調を入れていた
なんだかこの時間のテレビってワイドショーしかやってない気がする。適当に見ていたが飽きてくる
メイはなんとなく庭を見る。野菜がすくすくと育っているのが見える。収穫もそろそろだろうか
すると玄関ドアからノックオンが。コンコンコンコン…このノックオンの回数は間違いなくベリシャだ
メイ「毎日じゃないけどよく来るわね~。はーい」
よかった。ちょうどいい暇つぶしができる。メイは玄関のドアを開ける。やはり予想通りの人がいた
メイ「ベリシャ!後、真衣!」
真衣「やっほーメイ」
ベリシャ「ちょっと時間つぶし遊びに来たわ」
おーなんていう良いタイミング。メイも暇をしてたところだ
メイ「私も暇よ!上がってよ」
そう言うと2人は玄関を上がり椅子に座る
メイ「コーヒー淹れるね!」
ベリシャ「嬉しいわ」
真衣「ありがとう!」
メイはコーヒーを淹れて2人にコップを置く。対面でメイは座る
ベリシャ「華奈は今なにをしてるの?」
メイが言う前に華奈が言う
華奈「今ね、私作業してるのよ。ごめんねちょっとまってね」
真衣「ゆっくりでいいよ!」
そう言われると華奈は再びパソコン前で作業をする
メイは思ったが何を話そうか?この2人には色々と話したいことが多いが…
メイ「ねえ、貴女たちの馴れ初めってどんな感じだったの?」
そう言うとベリシャが答える
ベリシャ「真衣のアタックよ。元々悪魔協会にいたんだけど、真衣のほうから話しかけてくれてね。凄い美人に会えたなって思うの。
で、デートを重ねて私からプロポーズ。そして私たちは晴れてパートナーになったのよ」
ベリシャが言うと照れながら真衣は言う
真衣「だってベリシャみたいな美人さんに一目惚れだったもん。これは絶対好きになる!って思ったからさ」
メイ「確かに真衣もベリシャも美人ね…」
メイが言うとベリシャは言う
ベリシャ「でね。私たち実は結婚する前にアマリリスに行って悪魔協会総本山で加護を受けてきたのよ」
加護?どういう効果だろうか?メイがそんな顔をすると真衣が言う
真衣「人生を穏やかにしてくれる加護だよ。総本山にしかできないの。条件で悪魔とか不死と亡霊じゃないとできないんだけど
私とベリシャだから簡単に加護を受けたんだよ。もう私の体は言わば悪魔…体質が悪魔同類になったんだよ」
メイ「そんな効果が!いいなあ…」
ベリシャは言う
ベリシャ「その効果を受けると寿命がもっと長くなるのよ。だから総本山代表と副代表とスタッフは長生きなのよ」
メイ「じゃあ真衣はもう長生き確定してるんだ!すごいわねー!」
真衣「元々のヒューマンでどこまで長生きできるかまだわからないけどねー」
そこまで言うと華奈が来てメイの隣に座る
華奈「ふー!ようやく作業終わったわ」
メイ「おつかれ華奈」
その会話を聞くとベリシャは質問する
ベリシャ「貴女たちの馴れ初めってどういう感じなの?」
そうだ。全然伝えてなかった。華奈は言う
華奈「私は何気なく森を散歩してたらメイが瞑想してるのを見てね。ドキッとしちゃったの。なんだか一目惚れだったなあ
瞑想が終わるまで見ていて、メイが終わったら話しかけたのよ。それが始まりだったわね」
真衣「なんだ!私たちとほとんど一緒!」
華奈「あの時…懐かしいわね。メイ」
メイ「ええ。まだ敬語で話してた時よ」
「あの!すいません…」
「え?どうしました?」
「もし…良ければ貴女をこれからもお会いしたいです!」
「わ、私を?」
「はい!だから…今度はどこに行きます?」
「ん、んーとまだここらへんでエネルギーを吸収しようかなと思いました」
「わかりました!…お名前、聞いてもいいですか?」
「川人メイと言いますよ」
「私、土室華奈と言います!よろしくおねがいします!」
「は、はあ。わかりました」
メイ「そんな感じだったわね~」
華奈「でもすぐに仲良くなれたのよね。もう敬語使ってたのも懐かしい気分ね」
2人はそう言うと真衣とベリシャはうなずく
真衣「最初はだいたいそうだよね。ベリシャと敬語で話してたのも懐かしく感じる」
ベリシャ「ふふふ。そんなこともう忘れてしまったほど言葉の口調は忘れたわよね」
華奈「4人で一緒だなんて面白いわね~」
そう言うと4人で笑う。一緒の馴れ初めをしててなんだかおかしい気分だった。だが、悪くない
ベリシャ「けど…嬉しいわ。そんな馴れ初めが一緒の人とこうやって仲良くできるのは」
メイ「そうね!なんだか楽しいわ。なんだか愛のキューピットのおかげで結ばれたようだわ」
真衣「キューピットというか天使で思い出したけどエッセイで人間と天使が結ばれたっていう本を見たことあるね」
華奈とメイは知らなかった。そんな本があるのか
真衣「でも白い羽のベリシャはまるで天使様のような感じだよ」
真衣が言うとベリシャは照れる
ベリシャ「もう一度言うけど私は白い悪魔の羽だからそう勘違いされてるだけよ。高位悪魔だからね」
だがベリシャは笑顔を絶やさなかった
メイ「私も白い羽生えたら嬉しいけど」
華奈「え。仙人っていう種族なのに?」
メイ「もしもよ!もしも」
真衣「あはは!でもこの国にはあまり天使は見ないね」
華奈「まあ暑い国だから天使はいないでしょう」
ベリシャ「何気に天使協会はあるわ。行ってみたら?」
そう言われると華奈とメイはなんだか行きたくなるとは思った
華奈「天使協会…どんなとこだろうね?」
メイ「ワクワクしちゃうわ」
今度試しに行ってみようか。そう思った2人であった
夕方。そろそろ戻るとのことなので真衣とベリシャは戻ることにした
真衣「長々と話しちゃってごめんね」
華奈「いいのよ。また来てね」
ベリシャ「そう言ってくれる隣人さんだからこそ嬉しい気持ちになるのよ」
メイ「毎日来てもいいわ!」
ベリシャ「ふふふ。じゃ、今日はこれで」
そう言うと真衣とベリシャは隣の家に戻る
華奈「…今度はあっちの家に行きたいわね?」
メイ「そうね。きっかけがあったら行ってみましょうか」
華奈「人間と悪魔の住む家ってどんな感じかしら」
メイ「案外普通だったりしてね?」
華奈とメイはドアを閉める
リュウキュウの夕方
まだ雨は降っていたが、夜には止むみたいだ
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