Episode4

リュウキュウの朝…

今日も一日が始まろうとしていた。先に起きたメイは玄関のドアを開けて郵便受けを見る

少し歩いてすぐだ。今日は…新聞のみだった。空を見上げる。明るい空に日差しがまぶしい

今日も恐らく暖かい…というか暑い日になるだろう。庭に植えてる野菜たちもすくすく育ちそうだ

野菜の管理は基本華奈がやってるが、たまにメイも見たりする。華奈ばかりに頼ってはだめだからだ

そう思うと、隣の家を見る。おや、ベリシャだ。彼女も郵便受けを見てたようだ

もう仲良しな隣人さん。メイは彼女に挨拶をする

メイ「おーい、ベリシャ。おはよう」

そう言うとベリシャはメイのほうに向いて同じように挨拶をする

ベリシャ「あら、メイ。おはよう」

彼女も笑顔で挨拶をする。特別なことはないが、ちょっとだけ会話をする

メイ「貴女たちも郵便来るのね」

ベリシャ「ふふふ。基本的に新聞よ。貴女が手に持ってるのと一緒」

メイ「そうなんだ。たまに私は仙人仲間からの手紙が来るから毎日見ないとだめだしね」

そう言うとメイは持ってる新聞をちらっと見る。あまり意味はない

ベリシャ「そうねえ…。私もたまになんだけどサザンカ島にある悪魔協会からの手紙が来たりするわ」

メイ「おー。じゃあ一緒だ」

メイは言うとベリシャは笑う

ベリシャ「クスクス…。でも貴女たちはいつもイチャイチャしてそうだわ。だってまだ新婚さんでしょ?」

メイ「そうよ~!新婚よ!でも、貴女たちのような熟年?も羨ましいと思うわね」

そう言うとベリシャは笑顔を絶やさずに言う

ベリシャ「私たちだってもう数年経つけどイチャイチャするのは変わらないわ…。真衣は愛されたいと思うヒューマンなのよ」

愛されたい…華奈と一緒だ。自分は愛したいと思う種族だが…

メイ「私は、愛したいと思う仙人よ」

ベリシャ「まあ。私もよ」

彼女はサキュバスなのだからきっと愛したい欲が強いのだろう…多分

メイ「うふふ!お互い様ね!」

ベリシャ「そうね。負けじとイチャイチャを続けるわ。そろそろ朝食だからじゃあね」

そう言うとベリシャは家の中へと戻った

メイ「…私はベリシャと同じ気持ちなのね。おっと、私も家に戻ろう」


朝食を終えるとメイはまたエネルギー吸収のためにちょっと遠くの森林まで行くことになった

華奈「今日はどこまで?」

メイ「ガジュマルっていう樹木からエネルギーを吸収するわ」

華奈「ガジュマルと言うと精霊が宿ってる樹木じゃない。きっと凄いエネルギー貰えそうね」

メイ「そうよ~!じゃ、行ってきます」

そう言うと2人はまたキスをする。そしてメイは自転車で行った。そして華奈はふと思った

華奈「…そう言えば、この国は精霊のおかげで生まれてその養分になったのはガジュマルの木だって話を聞いたことあるわ」

ガジュマル…マングローブ…この国には様々な変わった樹木がある。そこから吸収するのはかなり良いことだろう

もう既にメイが見えなくなったときに隣の家からベリシャが出ていくのを見た

真衣と何かの会話をしてるのだろう。会話が終わるとその2人はキスをしてた。うちらと同じだ

ベリシャの格好もまるでオフィスレディのような格好をしており、恐らく就活だろう。見た目でわかる

こちらも負けないようにイチャイチャしないといけない。何の競争かわからないが、そう思った


仕事のテレワークをしつつ、華奈はパソコンの前で作業する

とは言えど基本的にテレワークなのでこれで仕事をしてるので全然OKだ。会社に行くことも少ない

華奈はふと、薬を飲んでないことに気づき錠剤を飲む。精神薬だ

いつか精神科へと通うことを止めればいいのだが、今はそんなことはできない

通い続けてもう何年経つだろうか。そのことはもちろんメイはわかっている

たまに薬をもらいに精神薬に行かないといけないときがある。だが、今は精神は安定してる

過去のトラウマが完全に消え去ればいいのだがこれはもう永遠の続くのかもしれない…

そう思うとちょっとだけうつになる。しかし、今は大丈夫。そう思いながら華奈は再び作業をする

しばらくして作業が終えると華奈はいつもどおりに庭の確認をする

庭を見たが、もうトマトときゅうりはぐんぐん育ち既に小さな実になっている。トマトはまだ青いが、赤くなるだろう

特別強い肥料は与えてないため野菜本来の旨味がある美味しい作物が採れる。それだけで楽しみだ

ナス、ネギはまだまだかもしれない。だがナスもすっかり実が小さく実っている。これも収穫は時間の問題だ

ウキウキしながら水を撒く。自分の能力でこんなに野菜が育つなんてやっぱりそれは嬉しい

外で水を撒いてると声が飛んだ

真衣「おーい。華奈ー」

華奈はその声のほうに振り向く

華奈「真衣!どうしたの?」

真衣は自宅の近くまで行き、しゃべる

真衣「凄いね!野菜が育っている!」

なんだそんなことか?華奈は言う

華奈「うん。これ、実は私の能力で野菜を大きく育つまじないをしたからね」

そう言うと真衣は驚く

真衣「え!そんな能力あるの!」

華奈「そうよ。私は土の精霊。土地の関するものにまじないをかけて土地をよりよくする能力があるのよ」

そう言うと真衣はまた驚き言う

真衣「すごいなあ~。私、普通の人間だから何も能力がないからさあ…」

真衣が言うと華奈はまずいこと言ったかなと思いフォローする

華奈「でも貴女は…美人じゃない?それだけでも十分よ」

人にはじめてではないが美人と言った…。真衣は凄い美人である。だが真衣はその言葉で喜んでいた

真衣「ふふふ!ありがと」

華奈「ところで貴女たちも何か育ててるものあるの?」

そう言うと真衣は案内しようとする

真衣「あるよ!来てきて!」

華奈は真衣とベリシャの住む家の庭へとくる。確かに野菜が植えてあった

育ててる野菜もそこまで変わらないかもしれない。トマトがあるしきゅうり、中にはズッキーニもあった

おや、この緑のカーテンになる蔦はゴーヤだろうか。やっぱり色々と育ててるんだなあと思った

真衣「なかなか育たなくてね…毎日水やってるけど何が足りないんだろう」

真衣はそう言うと華奈は思った。そうだ。私の能力でこの土地を豊かにしてやろう

華奈「ねえ、私がまじないするわ」

真衣「え!さっき言ってたやつ?いいの?」

華奈「前も言ったでしょう?助け合うって決めたんだから。私が祈れば大丈夫よ」

真衣は笑顔になる

真衣「嬉しいー!じゃ、おねがいします!」

そう言うと華奈はまじないのポーズをとり、そのままその土地に能力を送る。それは一瞬の出来事だった

華奈「…よし!後はすくすくと育つわよ」

真衣「わーい!やったー!ありがとう!もし実になったらおすそ分けするね!」

華奈「ええ。こっちも収穫できたら分けるわね」

早速もうおすそ分けをする約束もできた。ますます収穫が楽しみになってきた


昼になるとメイが戻ってきた。どうやら十分すぎるほどエネルギーをもらいご機嫌で帰ってきたようだ

メイ「いやーガジュマルの木はエネルギーが凄いわね~。もうしばらくエネルギー貰わなくても大丈夫よ」

華奈「そうなの。良かったわね」

メイ「今日は同業者もいてね。吸収が終わったら話してたわ。その人もガジュマルは最高だって言ってたわよ」

そう言うとルンルン気分で華奈に笑顔を見せて話してた

華奈「へ~!やっぱりその樹木は何か特別感のある樹木なんだね!」

メイ「そうよ~。でも本当だとマングローブのほうが一番凄いエネルギーなんだけどね」

マングローブ…確かにこの国にはある。だがマングローブって確か水の上にある森林だったような…

華奈「マングローブだと、やっぱり難しい?」

そう言うとメイは考えだす

メイ「そうね~。水の上だとずぶぬれになるしボートの上だとイマイチ安定しないから難しいわね~」

そうなんだ…仙人とは言えどやはり難しいのは難しいのかもしれない

メイ「ま、地上の樹木ならどこでも!もっと森林があるとこ見つけてエネルギー吸収しておくわ!」

そう言うと玄関ドアからノックオンが。華奈は反応した。恐らく真衣かベリシャだろう

華奈は玄関に行きドアを開ける。すると真衣とベリシャ両方の2人が居た

華奈「真衣とベリシャ!」

メイ「あら?2人とも来たの?」

メイも玄関へと向かう

ベリシャ「華奈。さっき、私たちの庭にまじないをかけてくれてありがとう。私たちも野菜育ててるから嬉しいわ」

なんだ。そんなことか。華奈は言う

華奈「いえいえ。お互いに助け合う。そうでしょ?」

メイ「あら?いつの間にか華奈、隣の家の庭にまじないかけたんだ?」

華奈「そうよ」

そう言うと真衣は言う

真衣「本当にありがとう。是非ともお礼したいけど…実はこんなのしかなくてね…」

真衣が言うと箱を差し出した。それはお菓子だった

メイ「あー!!紅芋タルトー!」

華奈「う、うるさ」

ベリシャ「私、甘い物が苦手なの。だから、貴女たちが食べてほしいわ」

メイ「喜んで食べるわー!貴女たち最高の中の最高よー!」

ガジュマルの吸収をしたのかメイがテンション高いし声も高い

ベリシャ「そう言えば…華奈、貴女真衣のこと美人って言ってくれたわね?」

華奈「ええ?」

メイ「何っ。…確かに真衣は美人だけど」

そう言うとベリシャは真衣の顔の頬を手で包む

真衣「あっ、ベリシャ」

ベリシャ「ふふふ…褒めてくれてそれもありがとう。だけど…真衣は私の物。誰にも譲らないわ」

ベリシャの目が本気の目をしていた。というか悪魔そのものの目だ。これは謝るべきか…

華奈「い、いや!奪おうだなんて心からそう思ってないからね!?もし不愉快だったらごめん!」

メイ「私がいるじゃなーい華奈」

しかし、ベリシャは笑顔を見せる

ベリシャ「冗談よ。とても良い隣人さんはそんなことは絶対しない。わかるわ。でも…ここでイチャイチャを見せるわ」

ベリシャは真衣の唇を奪う。ディープキスであった

真衣「ん…ベリシャ…」

ベリシャ「んちゅ…真衣…」

こんな玄関でイチャイチャを見せられてる

メイ「華奈!私たちも負けていられないわ!」

そう言うとメイも華奈の唇を奪い、キスをした

華奈「ん…ん…メイ…」

メイ「れろ…ん…華奈」

4人でディープキスをしてた。ちょっと経つと終わる

ベリシャ「貴女たちの愛がわかったわ。これなら隣にいても大丈夫。いつか、一緒に飲み明かしましょう」

真衣「もう…人の眼の前でキスだなんて…」

メイ「貴女たちもなかなか…引き分けかしらね?」

華奈「でも貴女たちと飲みたいわね。それは約束しましょう」

そう言うとベリシャは微笑む。悪魔の目にはなってなかった

ベリシャ「ふふふ。ごめんね長々と。ここで失礼するわ」

ベリシャと真衣は隣の家に戻っていった。その様子をドアを開き入るまで見ていた

華奈「…なんだか胸がドキドキしちゃったわ」

メイ「やっぱりベリシャ…悪魔よ…あの目、脳裏に焼き付くほどの目だったわ…」

その目がちょっと怖かったのか2人は静かにドアを閉めた


隣とどういう状況だったのかわからないキスをした感触が未だに残ったまま夜を迎えた

メイは今日エネルギーが十分なので料理をすることになる。今日は一体なんだろうか

華奈は相変わらず晩酌で発泡酒を飲みながらテレビを見ていた。今日はこの国を特集していた

華奈「へえ…。仙人ってただ樹木からエネルギーを吸収するだけでなく樹木の成長を増進させるんだ…」

そう言うとちらっと料理をしてるメイを見る。ということは樹木の成長をさせているのか…

華奈「えーと?ただし枯れてしまった樹木からはエネルギーは取れないし、蘇ることは不可能。そればかりはだめだって…」

さすがにどんな樹木でもいいわけではないようだ。メイもそのことはわかっているだろう

不思議な能力だなあ。とは思った。精霊として生きて、なおかつメイと会って数年。まだまだわからないことがある

そんなこと思ってたらもう料理ができたようだ。華奈は持ってる発泡酒を持って椅子に座る

メイ「今日はね。豚の生姜焼きと青さのりの味噌汁に白米!」

華奈「あれ?前買ってきた豚肉まだあった?」

メイ「ええ。普通にあったわよ?」

華奈「ん?私どれだけ豚肉買ってきたのかしら」

メイ「豚肉をたくさん買ってくるなんてちょっと間が抜けてたわね~」

華奈「う、うん…いただきます」

多分これ無意識レベルだ。豚肉だけでなくちゃんと他の鶏肉とか牛肉を買おう。そう思った華奈だった


そしておまたせしましたイチャイチャタイム。華奈とメイはソファーで座っていた

メイ「…真衣とベリシャ、こうやって同じようなことしてるのかしらね」

華奈「そうね…」

メイ「ねえ、華奈。ひとつ、聞いておきたいんだけど」

華奈「ええ、何?」

メイは華奈の目を見て言う

メイ「私、美人?」

当然のことを言った。もちろん、華奈の返事は決まっている

華奈「当たり前じゃない…メイは美人よ」

メイ「ありがと。その言葉、とっても嬉しい」

そう言うとメイは華奈にキスをした。長いキス。今日もイチャイチャできた…ただそれだけだった


真衣とベリシャは普通にソファーにいた。身を寄せあっていた

真衣「…お隣さんもこうやって私たちと同じことしてるのかな…」

ベリシャはワインを飲んで、真衣に目を向ける。ベリシャは酒を飲むが決まってワインだった

ベリシャ「そうね。でも、私たちだって負けていられないと思うわ」

そう言うとベリシャは真衣の胸を揉む

真衣「ん…ベリシャ…」

ベリシャ「何度体を重ねても…真衣の体は飽きない…」

真衣の体を揉みながら、ベリシャはテンプテーションをしてた


リュウキュウの夜

これからの2つの家は、これからも友好的に暮らす




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