Episode3

リュウキュウの朝…

華奈とメイの隣の家に住むことになった真衣とベリシャ。2人仲良くベッドで寝ていた

そして目覚まし時計の音が鳴る。とは言えどスマホのアラーム音だ。2人のスマホにほぼ同時のアラームが鳴る

真衣とベリシャは目覚める。そしてアラーム音を切る。2人は起き上がり、お互いを見つめる

真衣「…おはよう。私のベリシャ」

ベリシャ「おはよう。私の真衣」

そう言うと自然とキスをした。舌が絡み合うキスだった

真衣「ん…れろ…んちゅ…」

ベリシャ「れろ…れろ…ん…」

毎朝の目覚めにはキスをすることが普通なのだろう。キスを終えるとベリシャは言う

ベリシャ「…ふふふ。真衣、舌使いがうまくなってるわ」

真衣「そ、そんなことないよ…だってベリシャが教えてくれたじゃん…」

そう言うと真衣は照れてしまう。だが、ベリシャは何も変わらない表情だった

ベリシャ「もっと愛せるような形をつくりたいわね」

真衣「べ、ベリシャがそう言うなら…」

真衣は朝から顔を赤くしていた

ベリシャ「さ、起きて朝食の支度しましょ?」

真衣「うん!」

2人はベッドを出てリビングへ行く


そして隣の家の華奈とメイ

今日の朝ごはんはパンではなくシンプルに白米と味噌汁だった。ついでに買ってきた漬物と魚。それだけであった

華奈はごはんをよく食べたがメイは漬物をよく食べてた。メイは漬物好きだったっけ?そう思った華奈

華奈「ねえ、メイ。貴女漬物好きなの?」

そう言うとメイは箸の手を休める

メイ「そうねえ。ほら漬物は美味しいじゃない。ついついパクパク食べちゃうのよ」

メイが言うとまた漬物を食べていた

華奈「なるほどね。なら、ぬか床を買ってきてぬか漬けでも用意する?」

メイ「あ、いいわねそれ~。ぬか漬けでも好きよ私」

華奈「でも漬物も同時進行でできそうね。ぬか漬け漬物。どっちもやっちゃうわ」

メイ「嬉しいわ~!愛してる華奈」

華奈「こ、こんなことで愛してるなんて言わないでよ」

なんだか照れてしまった華奈であった。メイは普通にこういう愛のささやきを言う

だが、ぬか漬けと漬物は普通にできる。なんならスーパーに行って用意するのもいいだろう

そう思い華奈は再び朝食を食べる


華奈「今日は剪定作業があるんだっけ?」

玄関で華奈とメイがいた。メイは今日は仕事がある日だった

メイ「うん。ぱぱっとやってぱぱっと帰ってくるわ」

華奈「ええ。行ってらっしゃい」

そう言うと自然と見つめ合い、キスをした

メイ「ふふふ!華奈とのキスで元気出るんだから!」

華奈「嬉しいわ」

メイは自転車に乗り、去っていった

華奈「…さて。まずは庭を見にいきますか」

玄関を閉じて、庭へと向かう

庭…ここは野菜を育ててる場所。土の精霊である華奈のおかげで種から育てた野菜はすくすくと育っている

もうトマトときゅうりに至ってはどんどん成長している。あまり時間がかからずに実が出るかもしれない

華奈は普段どおりに水を撒く。大きく育ってね。そんな意味を込めて…

成長剤はまだ追加しなくていいだろう。あまりいれすぎると味が変化しそうだからだ

水やりは完了した。お次は洗濯物を干さないと…

洗濯物を持ってきて庭の柵の前に干す。ちょうど物干し竿もあるため簡単だ

華奈はふと思ったがこの家はどこからどこまでが私有地なのだろうか?物干し竿の前には樹木が立っている

お隣さんの家が近いため横…はだめかもしれない。あまり実感がわかない

たかだかそんな土地の理由で喧嘩はしたくない。せっかく仲良くなれそうなのにそれは絶対したくない

多分柵の前なら大丈夫だろう。そう思いつつ洗濯物を干した

全部の洗濯物を干すことを完了した。今日も晴れているため夕方には乾くだろう

ふと、横の家を見る。おや、真衣もどうやら洗濯物を干していたみたいだ。真衣は華奈を発見すると声をかけた

真衣「おーい。華奈さーん」

華奈「真衣、こんにちは」

華奈と真衣は近くまで来た。華奈は思ったが褐色で元気そうな子。いや?大人の女性か…

華奈「今日はベリシャさんいないのね?」

真衣「そうだよ~。…あ、ごめんなさい敬語使わないで」

敬語…だがあまりそういうのは使わなくていいと思う。なぜなら仲良くなれそうな隣人さんだから

華奈「真衣、敬語なんて使わなくていいわ。タメで話しましょう?」

そう言うと真衣は笑顔になった

真衣「え?いいの?わかった!華奈って呼ぶね!」

華奈「そうよ。そういう感じでいいわ。後、メイにもタメでOKだからね」

真衣「うん!嬉しい!だったらベリシャにもタメでいいよ!彼女、敬語を使わないほうがいいから!」

そう言うとふと、華奈はこの家と家の中間に位置するところにいたことに気づく

ここらへんの中間地点…正直お隣さんがお隣さんだから柵とかもいらないような気がするが…

真衣「どうしたの華奈?周りうろちょろして?」

言われると、思ったことを言う

華奈「うん…この中間の位置する場所…なんか線でも引いといたほうがいい?」

そう言うと真衣はうーん。と思った

真衣「いや…それはしなくていいと思う…ここらへんで何かやるかって言われてもしないと思うよ」

確かにそうだ。それに線でも引いたらなんだかギクシャクしそうだ。だったらそのままでいいかもしれない

華奈「わかったわ。なら、そのままにしましょう」

真衣「そうだね!だって変に土地争いとかいうのやりたくないし!」

真衣の言う通りだ。仲良くしたいのに変な理由で仲悪くしたくない。それは今いないメイもベリシャもそうだろう

…ん?ベリシャ?そう言えば今彼女はどうしてるのだろう

華奈「そう言えば…ベリシャはどうしたの?」

華奈は言うと真衣が答える

真衣「ベリシャは今就職しようと首都まで行ってるよ。本当は私も働きたいけど、ベリシャが急いでやらなくていいって言われて

私は専業主婦みたいな感じなの。今はね。ベリシャ悪魔だけど店員さんもしてたからそういうのに就くのかなーって!」

悪魔協会へ就職というわけではないのか?

華奈「彼女、高位悪魔でしょ?悪魔協会には入らないんだ?」

真衣「でもサザンカ島にいた時は悪魔協会にいたけど、私と付き合ってから辞めてアクセサリー屋の店員さんだったよ」

華奈「貴女たちあのサザンカ島にいたんだ!南国リゾートのサザンカ島…」

華奈はてっきりアマリリスから来たのかと思ったがサザンカ島出身だということに驚いた

真衣「そうだよ~。私はサザンカ島出身。ベリシャもサザンカ島出身だよ。そこで結婚もしたなあ…懐かしい…」

結婚…懐かしい…?あれ?もしかして…?

華奈「じゃ、じゃあ貴女たち結婚して結構経つのね!?」

真衣「そう!もうベリシャと結婚をして8年目になるね!」

えぇ…じゃあどちらかと言うと真衣とベリシャのほうが先輩ではないか…タメでいいよとは言ったが前言撤回したい気分になる

だが、華奈はふと思ったことを質問しようとする

華奈「でも、サザンカ島のほうが良さそうなのにどうしてこのリュウキュウへ…?」

そう言うと真衣は真面目な顔になって言う

真衣「実はね。ベリシャが務めてた店が倒産しちゃってね。で…私は私で家族とのトラブルで離れたい気分にもなって…

そのトラブルっていうのは悪魔と結婚したからって理由があるんだ。ベリシャと話し合って、ここはリゾート気分だし

なおかつ暖かい地方だからいいだろうと。だからほぼ家出当然の理由でここに来たんだよ」

その声は悲しい声だった。…なぜ、悪魔と結婚したらだめなのだろうか?種族間なんて関係ないのに…

華奈「そうだったの…。悪魔と結婚なんて貴女は全然悪くないわ」

そう言うと真衣は笑顔を見せる

真衣「ありがとう華奈。やっぱりここへ来てよかった。ベリシャとイチャイチャできるし、とても良いお隣さんだし」

華奈「…真衣、結婚に関しては貴女たちが先輩だけど…何かあったら助けてあげるからね」

なんだか救いたい気分になった華奈だった。真衣とベリシャは悪くない。悪いのはわかってない人がいるからだ

こっちも精霊と仙人…種族間を超えた結婚をしたんだ。真衣は間違ったことはしていない。強くそう思う

華奈がそう言うと真衣はまたとびっきりの笑顔で言う

真衣「ありがとう華奈!こっちも何かあったら援助するね!これから…ずっとよろしく!」

そう言うと握手を求めた

華奈「ええ!よろしくね!」

華奈は握手を交わした。仲良くしたいと思う隣同士の関係は、今深まった


昼を過ぎたらメイが帰ってきた。今日は刈り込み作業でささっとやってきた。おまけにお駄賃も結構いただいた

そして、さっき話した真衣との会話をメイに伝える。メイは結婚の先輩に驚いたが、来た理由は納得した

メイ「なるほど。悪魔との結婚に納得いかない人ってほんとにいるのね」

華奈「聞いたら悲しい声してたわ…種族間なんて関係ないのに」

メイ「そうよ。関係ないわ。だったらこっちも仲良くしたいわね」

華奈「仲良くするって決めたから大丈夫よ」

そう言うと華奈は笑顔になった。メイも笑顔になっている

華奈「じゃ、昼ごはん作るわ」

メイ「今日何かなー?」

華奈「今日はショートパスタを使ったアラビアータでもいいかしら?」

メイ「やったー!またタバスコぶっかけ~!」

またメイは辛くしようとする。辛党だったか?そう思うと玄関ドアからノックオンした

華奈「あら?誰かしら?」

そう言うと華奈は玄関ドアを開ける。するとそれはベリシャだった。微笑みながら立っていた

華奈「ベリシャ…!」

メイ「え?ベリシャ来てるの?」

メイは言うと華奈の側に行く

ベリシャ「華奈。さっき、真衣から聞いたわ。話していてより仲良くするって言ってくれたわね?」

華奈「ええ。そうよ」

華奈が言うとベリシャは微笑みながら言う

ベリシャ「私からも言わせてもらうわ。ありがとう。とても良い隣人さんで本当に嬉しい。心の底からそう思うわ。

あと、私と真衣の関係を全然悪くないって言ってくれてそれもありがとう。高位悪魔の私は嬉しいわよ」

華奈「いいのよ。貴女たち、とてもお似合いよ」

メイ「私もそう思うわ!」

そう言うとベリシャは微笑みから笑顔になった

ベリシャ「…ふふふ。でね、ちょっとしたつまらないものだけど、これ受け取って。今日買ってきたものよ」

そう言うとベリシャは瓶を手渡した

華奈「えーと?島とうがらしエキス?」

ベリシャ「それ、辛くて美味しいのよ。是非とも使ってみてね」

メイ「辛いやつ?やったー!ありがとうベリシャ!」

メイは喜んでいるが、ところでメイは辛党だったか…?

ベリシャ「じゃあ、それだけだから。また会いましょう」

ベリシャは隣の家に戻っていった。その背中はどこか心から嬉しそうな感じだった。足取りも軽く、喜んでいるようだった

メイ「…華奈、隣人さんともう凄く仲良くなれてるじゃない」

華奈「私の本当の気持ちを言っただけよ」

2人は玄関を離れ、華奈は昼ごはんを作ろうとした


夜…今日は何を作ろうか考えていた。だが、決まった。豚しゃぶでも作ろうかと

ちょうど豚肉がある。これで作ろうと。そんなことを考えてたのは華奈であった

華奈とメイはどちらもある程度料理は作れる。だから毎日交代しつつ料理を作っている

華奈は食事の準備をして、今日はメイはテレビを見ながら晩酌だ。今日はものすごく遠くに離れたサフィーラ王国の特集だった

メイ「サフィーラ…ネレイドとインセクターの国ね」

ネレイドは完璧種族。インセクターはひょろ長い種族。そしてテレビでは紹介してないが龍人は究極種族…

そんな種族を紹介していた。なんだかネレイドはあまりにも完璧すぎるのか見てるメイは嫉妬をしそうになってきた

メイ「完璧完璧って言われても…絶対一部は悪いことしてるに決まってるでしょ…」

そう言うとメイは持ってるグラスをぐいっと飲んだ。今日だって焼酎だ

なんだか完璧とか言われるとこっちでいう精霊と仙人はどうなんだとツッコミたくなる

紹介の仕方がイマイチよくない。だったらネレイドと龍人で殴り合いしたらどうだ。そんな物騒なことも思ってしまう

そんなツッコミを入れつつ、食事を待った

華奈は料理をできたみたいでテーブルに置く。そうするとメイは椅子に座る

メイ「まあ、豚しゃぶ!おまけにサラダ付き!」

華奈「ドレッシングでかけて食べてね」

メイ「いただきます!」

そう言うとドレッシングの数にちょっとだけ戸惑う

メイ「えーと。ごまドレッシングに…ポン酢に…青じそドレッシング…」

華奈「好きなもので食べていいのよ?」

メイ「う、うん」

とりあえずごまドレッシングをかけて食べることにしたメイであった。けどポン酢も青じそドレッシングも悪くない…かも

豚しゃぶは2人で食べたら自然と空になった。そこでようやく2人は満腹に近い状態になった

メイ「ふー!ごちそうさまでした」

華奈「はい。じゃあ、私食器洗うね」

そう言うと出されてた皿を全てシンクに入れ、後片付けをする


後片付けをした後、2人は相変わらずと言っていいほどソファーでイチャイチャしてた

メイが華奈の肩を抱く。華奈もメイに身を寄せていた

華奈「ふふふ…この気持ちいい時間が好きなのよ」

メイ「そうね。私もゆったりと2人でいられる時間が好きよ」

華奈「隣の真衣とベリシャもこうやってるのかしら」

メイ「うーん。わからないけどきっと身を寄せ合いながら夜を過ごしてると思う。あの2人はイチャイチャしてそうだしね」

華奈「私たちも負けないようにしないとね」

メイ「負ける気がしないわ」

そう言うとメイは華奈の唇を奪う。長いキスだった


一方で真衣とベリシャは夕飯を食べた後、自然とベッドにいた

ベリシャは真衣の体を押し付けてキスをする。その強引なやり方でも真衣は決して嫌がってなかった

むしろやられたままで身を委ねるように真衣はベリシャを見ていた

ベリシャ「真衣…真衣…!」

真衣「ん…!ベリシャ…今日は…どうしたの?やけに積極的じゃない…」

真衣が言うとベリシャは言う

ベリシャ「高位悪魔の感なのか…お隣さんがイチャイチャしてる電波が私に届いてね。負けじとイチャイチャするわ」

真衣「え??どういう意味??」

ベリシャ「だから、身を委ねて私に襲われなさい」

真衣「よくわからないけど…嬉しい…!」

2人は身を委ねながら、行為していた


リュウキュウの夜

お隣同士で愛を囁いていた。そんな涼しい風が通る夜


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